以前カラパイアでも紹介した、アメリカ・バージニア州の酒屋に侵入して泥酔し、トイレで行き倒れていたあのアライグマの事件に新展開があったようだ。
高級酒を浴びるように飲み、トイレでうつ伏せになった状態で意識を失ったアライグマの現場写真は、世界中で大きな話題となった。
この写真をデザインしたチャリティグッズが販売されることとなり、その売上の全額を動物保護施設に寄付する活動が行われたのだ。
すると注文が殺到し、寄付額は最新の集計で24万ドル(約3600万円)を突破した。一頭のアライグマの失敗が、多くの仲間を救うことになった感動の結末を詳しく紹介しよう。
世界中が笑った酔いどれアライグマの事件簿
まずは事件をおさらいしよう。
事の始まりは2025年11月29日(土)の朝、バージニア州アシュランドにある州直営の酒販店「ABCストア」での出来事だった。
開店準備に訪れた従業員が目にしたのは、荒らされた棚と床に散乱した酒瓶、そしてトイレの床でうつ伏せになって動かない一頭のアライグマだった。
英語圏でアライグマは、ゴミ箱をあさる習性から「トラッシュ・パンダ(ゴミパンダ)」という愛称で呼ばれることがある。
しかし、この日の容疑者は、ひどく酔っ払った状態を指すスラングを交えて「トラッシュド・パンダ(酔い潰れたパンダ)」と呼ぶにふさわしい状態だった。
通報を受けて駆けつけたハノーバー郡動物保護局のマーティン担当官によって、この覆面の強盗は安全に身柄を確保された。
ハノーバー郡動物保護局がFacebookでこのエピソードを写真付きで公表すると、瞬く間に世界中から大きな反響が寄せられた。
数時間の睡眠をとって酔いを覚ましたアライグマは、二日酔い以外に怪我もなく無事に野生へ返されたが、物語はここで終わらなかった。
現場写真がまさかのチャリティグッズに
投稿からわずか2日後、ハノーバー郡動物保護局は、オンデマンドプリントサービスの「ボンファイア(Bonfire)[https://www.bonfire.com/search/?q=Trashed%20Panda&tab=1&page=1]」上で、このアライグマをモチーフにした支援グッズの販売が開始した。
Tシャツやコーヒーマグ、ステッカーなどには、マーティン担当官が撮影した、トイレで酒瓶の横に倒れ込むアライグマの姿がイラストとして描かれ、売り上げのすべてが動物保護施設へ寄付されると注釈がある。
世界中から多額の支援、酔っ払いアライグマが動物たちを救う
この支援グッズの売れ行きは凄まじく、最新のデータによると販売数は約1万9600点に達している。
寄付総額は当初の目標を遥かに上回る24万1854ドル(約3600万円)を記録した。
集まった資金はすべて、バージニア州ハノーバー郡の動物保護施設で暮らす動物たちの支援や、次の助けを必要とする動物に迅速に対応するための担当官の訓練費用に充てられる。
バージニア州は「愛する人のためのバージニア(Virginia is for Lovers)」というスローガンで知られているが、その名にふさわしい、愛に満ちた支援の輪が広がった形だ。
一頭のアライグマの深酒という大失敗が、最終的に多くの命を救うという最高にハッピーな結末を導き出した。
なお、グッズを販売しているボンファイアは日本を含む世界中への発送に対応しており、日本からもこの酔いどれヒーローを通じた動物支援[https://www.bonfire.com/trashedpandmug/]に参加することが可能だ。











