「働いて働いてまいります!」真の働き者はビーバーだった!活動時間外にせっせと木を運ぶ
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 「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」、2025年の新語・流行語大賞に選ばれた、高市早苗総理大臣のあの言葉の真の実践者はビーバーだったようだ。

 アメリカのアイダホ州の歩道で撮影された映像には、大学バスケットボールの試合の観戦を終え、車に戻る通行人の注目を浴びながら、一生懸命に大きな木の枝を運ぶビーバーの姿が映っていた。

 本来は夜行性で人目を避けるはずの動物だが、ビーバーには急ぎの工事が迫っていたのかもしれない。

 人間に見つめられながらも気を散らすことなく任務を全うする姿は、真の働き者といえるだろう。

ちょっと通りますよ。巨大な枝を運搬するビーバー

 2025年11月18日、アイダホ州ボイジーにあるボイジー川グリーンベルトという遊歩道で目撃されたのは、一匹の働き者のビーバーが大きな枝をくわえ、歩道を横切っている姿だ。

 交通を妨げながら、通行人たちを笑顔にさせた。

 撮影したのはリーバイ・ジョーンズ[https://www.instagram.com/levi_outdoorz/]さん。彼は、ボイジー州立大学でのバスケットボールの試合を観戦した後、車に向かっている途中でこのビーバーを発見したという。  

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 アイダホ州はアメリカ北西部に位置しており、豊かな自然に恵まれた場所だ。

 ボイジー川グリーンベルトは、州都ボイジーを流れる川沿いに整備された約40kmにもおよぶ緑道で、市民の憩いの場となっている。

 ビーバーは、葉のついた枝をずるずると引きずりながら、ボイジー川グリーンベルトの小道を川の方へと向かっていった。

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2025年の流行語そのもの。観衆を無視して仕事に没頭

 ビーバーの姿はまさに、2025年の「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれた高市早苗首相の発言「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」を地で行くようなものだ。

真の働き者は野生のビーバーだったのだ。

 ジョーンズさんは、投稿した映像に、「ボイジー市のビーバーは、たくさんの人に見られていてもしっかりと仕事をしている」と文字を入れた。

 スミソニアン国立動物園・保護生物学研究所[https://nationalzoo.si.edu/animals/beaver]の資料によれば、ビーバーは主に夜行性の動物であり、外敵や人間の目を避けるために、通常は夜道を選んで活動する性質を持っている。

 しかし、冬の食料貯蔵やダムの補修に追われる秋の後半には、工期を間に合わせるために、日中や人が近くにいる時間帯でも作業を続けることがあるという。

 特に今回の舞台となったボイジーのような都市部では、人間との接触を最小限にするため夜間に活動を集中させる傾向にあるが、このビーバーには、それ以上に優先すべき「急ぎの任務」があったのだろう。

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驚異の建設スキルと驚きの身体機能。生態系を支えるエンジニア

 今回目撃されたのは、アメリカビーバー(学名:Castor canadensis)と思われる。

 北米に生息するアメリカビーバーは、北米最大のげっ歯類として知られている。体重は30kg近くに達し、最大で50kgに達する個体も記録されている。

 その最大の特徴は、一生伸び続けるオレンジ色の前歯にある。

 この色はエナメル質に含まれる大量の鉄分によるもので、指ほどの太さの木なら一噛みで切断できるほどの強度を誇り、使い込むほどに自然に研がれていく仕組みになっている。

 もしこの歯を使わずに放置すると、伸びすぎて口が閉じられなくなり、飢え死にしてしまうことすらあるという。

 また、平たい尾は泳ぐための舵にとどまらず、陸上では作業時の支えになり、秋には冬を越すための脂肪を蓄える貯蔵庫としての役割も果たしている。

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 さらに後ろ足の指には、毛並みを整えて防水性を保つための「毛づくろい用の爪」まで備わっており、水辺で暮らすためのプロ仕様の装備が全身に詰め込まれているのだ。

 ビーバーが生態系エンジニアと呼ばれるのは、自ら作ったダムで水の流れを穏やかにし、川の浸食を防ぐだけでなく、魚や水鳥など多様な生物が集まる広大な湿地を作り出すからだ。

 夜な夜な繰り返される作業は、自分たちのみならず、自然界全体の豊かさを支える巨大プロジェクトなのである。

 これほどの重労働を夜な夜なこなしているのだから、真の働き者という称号は人間にというよりむしろビーバーたちにこそ相応しいのかもしれない。

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映像は本物なのか?今回の映像の信憑性

 実は前回、高速道路で枝を運ぶビーバーの映像を紹介したのだが、その動画にAI生成疑惑があることが発覚した。(記事に追記済み

 そのため今回の映像もAIによるものかどうかをわかる範囲で調べてみた。

 その結果、今回のアイダホ州での映像に関しては、映像の事実確認を専門に行う通信社のストーリーフル(Storyful)や、アメリカの大手新聞社であるUSAトゥデイ(USA TODAY)といった信頼できるメディアが配信しているため、信憑性は極めて高いと考えられる。

 また、映像には、枝の重みによって生じる自然なしなりや、夜間のスマートフォン撮影特有の質感が記録されており、ビーバーが生息するボイジー川周辺という環境とも一致している。

 撮影者のリーバイ・ジョーンズ(Levi Jones)氏も、日常的に野生動物の映像をInstagram[http://Instagramで]で投稿している人物である。

 こういったことから、今回の映像は、本物のビーバーによる労働風景と見てよさそうだ。

References: Beaver with big branch charms pedestrians on footpath[https://www.usatoday.com/story/pets-animals/2025/12/19/hardworking-beaver-stops-traffic-on-footpath-with-huge-branch/87852533007/]

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