カナダのマラソン大会でホッキョクグマが標識を持ち去ってしまう
image credit: <a href="https://www.instagram.com/p/DRV8GIzDQhz" data-type="link" data-id="https://www.instagram.com/p/DRV8GIzDQhz" target="_blank">Instagram @tarrantcrosschild</a>

カナダのマラソン大会でホッキョクグマが標識を持ち去ってしまう...の画像はこちら >>

 自分の名前が書いてあるから自分のもの、と思っちゃったのだろうか?

 カナダ北部のマニトバ州では、毎年末にホッキョクグマ(英語でポーラーベア)の名を冠したマラソン大会「ポーラーベア・マラソン[https://www.facebook.com/polarbearmarathon/]」が行われているが、なんと本物のホッキョクグマが乱入した。

 突然マラソンコースに現れたホッキョクグマは、10km地点を示すオレンジ色の標識に興味を示し、口にくわえてそのまま持ち去ってしまったという。

 「ポーラーベア・マラソン」と書いてある標識をポーラーベアが持っていくのは、間違っていないような気がしなくもない?

マラソン大会の準備中にクマーが標識を持ち去る

 2026年の正月に行われた毎年恒例の箱根駅伝で、突然乱入したポメラニアンが話題になったのは記憶に新しいのではないだろうか。

 ところ変わってカナダ、乱入してきたのは、まさかのホッキョクグマ(ポーラーベア)だ。

 ポーラーベア・マラソンは、毎年マニトバ州チャーチルで開催されている、小規模のマラソン大会だ。

 フルマラソンやハーフマラソンに加え、50kmのコースもあるが、参加者数は通常は12人前後、最大でも20人程度と少ない人数で行われているという。

 2025年11月21日、大会直前にハプニングが発生した。コースの10km地点に設けられた標識を、ホッキョクグマが持ち去ってしまったのだ。

[画像を見る]

 その様子を撮影したのは、ランナーのタラント・クロス・チャイルドさんだ。彼は標識の設置中にクマの接近に気づき、バンの中へ退避したそうだ。

本当にワイルドでした。クマはまっすぐこっちに向かってきたんです。てっきり途中で側溝や草地のほうへそれて行くかと思ったんですが、違いました。

クマは10km地点に立っていた、『ポーラーベア・マラソン』と書かれた標識に向かってまっすぐ進んで来たんです

 タラントさんによると、チャーチルでホッキョクグマを目にすること自体は珍しくないが、こんなに近距離で遭遇したのは初めてだったそうだ。

 下がその一部始終を治めた動画である。

コースの道路脇に立てた標識へ、一頭のホッキョクグマがまっすぐ近づいていく。

 クマは標識をしばらく確かめるように嗅いだあと、根元から引き抜き、そのまままるでお土産を持ち帰るかのように運び去ったという。

 自分の名前も書いてあるし、持ち帰ってもOKだと思ったのかな。

[画像を見る]

 この動画を見た人たちは、コメントの中でさまざまな感想を寄せている。

  • かわいすぎる! 現地の気温はどれくらい?
    • そんなに寒くないよ、マイナス13度くらいかな(タラントさんコメ)
  • 私だったら全力で走るわ……しかも逆方向に!
  • なんでこんなに可愛いの? モフってくればいいのに
    • あなたがお先にどうぞ(タラントさんコメ)
  • 看板かじってるの最高すぎる!
  • これはヤバすぎるよ。今までで一番クールなレースで一番クールなランナーだ
  • この大会、始まったときからずっと走ってみたかったんだよね。ホッキョクグマが大会役員をやってるのを見るなんて最高すぎる!
  • このレース、死ぬまでにやりたいことリストに追加した!
  • すごい、クレイジーすぎる……行けなかったの本当に残念
  • めっちゃ興奮しても、めっちゃ怯えてもいいシーン
  • 今まで見た中で一番クールなコース係だね。マラソンで近道なんてしちゃダメだよ、10km地点のおやつにされるかもしれないから!
  • でも看板とか、食べてしまわないといいんだけど
  • 次はぜひ、このふわモコの背中に乗ってる動画を投稿してくれ

 ちなみに標識は持ち去られてしまったものの、マラソン大会自体は無事に開催されたそうだ。

[画像を見る]

「ホッキョクグマの首都」で行われる、ある意味過酷なマラソン大会

 主催者によると、ポーラーベア・マラソンは「カナダの本当の北部で、力強く自由な大地を体験したい人におすすめ」の挑戦的なレースである。

 ハドソン湾沿いのコースを走るのが特徴で、右手にはツンドラ、左手には美しい湾の風景が広がっている。

 ポーラーベア・マラソンは、独特の安全対策でも知られている。すべてのランナーには専属のドライバーがつき、ハドソン湾沿いを往復するコースを並走する。

 各サポート車両には食料や防寒具に加え、緊急時に備えてライフル銃を携行した監視員が同乗しているんだそうだ。

「ホッキョクグマの首都」と呼ばれるほど、世界有数のホッキョクグマの生息地として知られるチャーチルでは、非常措置が必要になることも珍しくないからだ。

 チャーチルの人口は1,000人未満だが、推計では毎年秋になると、600頭以上のホッキョクグマがハドソン湾西岸地域へ南下してくるという。

[画像を見る]

 ホッキョクグマはその名の通り、北極圏の周辺に生息するクマである。オスは体重が400~600kgにも達し、あのヒグマより重くなることも珍しくないという。

 好奇心が強く警戒心が薄いのが特徴で、人間を特段恐れずに近づいてくることも。そのため、人間にとってはある意味最も危険なクマと言えるかもしれない。

 2014年には、ホッキョクグマがあまりにも接近したため、大会がコース変更を余儀なくされたこともあったそうだ。

 また、チャーチルでは、年間300件以上のホッキョクグマに関する接触や出没事例が報告されている。

 そのため、街には問題行動を起こしたクマを一時的に収容し、別の場所へ移送するための施設、通称「ホッキョクグマ刑務所」が設けられている。

 1983年にこの施設が建設される以前は、危険とみなされたホッキョクグマはやむなく射殺されることもあったんだそうだ。

[画像を見る]

 チャーチルではエコツーリズムも盛んで、ホッキョクグマはもちろん、さまざまな鳥やシロイルカを見に、多くの旅行客が訪れている。

 ちょうどマラソン大会が開催される時期には、ホッキョクグマに出会えるかもしれないこんなツアーも開催されている。

[画像を見る]

 なお、ポーラーベア・マラソンの参加者は、以下の免責事項に同意しなければならないとのこと。

  • 極寒の気温や強風、または雪嵐などの過酷な気象条件を伴う可能性があることを理解してること
  • 肉体的・精神的に非常に厳しいものであることを認識していること
  • 「エクストリームな」マラソンであり、危険を伴うこと、身体的なリスクがあることを理解していること
  • ホッキョクグマやオオカミなどの野生動物が頻繁に出没する地域であることによる危険性を理解し、万が一の事故や怪我についても、主催者側に責任を求めないこと
  • 本大会が冒険であり、自身の健康と安全についてはすべて自己責任であるのを認識していること
  • 医療費や損害賠償など、いかなる請求も自らが負うことに同意すること

 ホッキョクグマに会いたい人、厳寒の地でのマラソンに興味のある人は、ぜひ今年の大会にエントリーしてみてはどうだろうか。

References: Onlooker captures video as massive polar bear interrupts marathon event: 'He aimed straight for us'[https://www.thecooldown.com/outdoors/polar-bear-marathon-sign-hero-guard/]

編集部おすすめ