アメリカ・フロリダ州で、1羽の鳥がクチバシに釣り糸が巻き付き、木に絡まって動けなくなってしまった。
心配したもう仲間の鳥は、12時間ものあいだ、離れることなく寄り添い続けた。
自分ではどうすることもできないが、そばで見守ることならできる。夜を越え、助けが来るまで待ち続けたその姿は、動物たちが持つ確かな絆を感じさせる。
この鳥は救助された後手当てを受け、再び仲間の元へと戻っていった。
木に絡まった仲間のそばに寄り添い続けた鳥
フロリダ州マイアミにある野生動物の保護施設、ペリカン・ハーバー海鳥保護ステーション[https://www.pelicanharbor.org/]は、「木に2羽の鳥が引っかかっている」という通報を受けた。
2羽が最初に目撃されたのは前日の夜8時だったが、スタッフが現場に駆けつけると、翌朝になっても2羽はその場所に留まっていた。
だがよく見ると、実際に動けなくなっていたのは1羽だけだけだったことがわかった。もう1羽は飛び立つことができるにもかかわらず、友人のそばを離れず、12時間ものあいだ寄り添い続けていたのだ。
社会性が強いシロトキの習性
この鳥は、シロトキ(American White Ibis)というトキ科の仲間で、フロリダ州を含む北米南部から南米北部の沿岸部に広く生息している。
全長は約53cmから70cmほどで、成鳥は全身が白い羽毛で覆われ、翼の先端だけが黒い。下向きに曲がった長いくちばしと脚は鮮やかな赤色をしている。
シロトキは非常に社会性が高いことで知られ、大きな群れで作って行動し、仲間とのコミュニケーションを大切にする。
普段は湿地や浅瀬で、ザリガニやカニ、昆虫などを探して暮らしている。今回の行動も、シロトキが持つ強い仲間意識が表れたものといえる。
消防署と協力した救出作戦
現場の木は川の上にせり出しており、近づくのが難しい場所だったが、地元の消防署の協力の元、救助活動が開始された。
消防署ははしご車を出動させ、高い木にたどり着き、木とクチバシを結んでいた釣り糸をほどいて、シロトキを地上へと救い出した。
施設スタッフがシロトキを調べると、くちばしには2つの釣り針が深く刺さっており、そこに釣り糸が複雑に絡みついていた。
一刻も早い治療が必要だったため、負傷した1羽を施設へと運んだ。
無事治療を終えて仲間と再会
施設に到着後、獣医師が麻酔を施し、慎重に釣り針と絡まった糸を取り除いた。
幸いなことに、軽傷で済んだため、数日で完全に回復した。
準備が整うと、チームはシロトキを仲間たちが集まっている元の場所へと車で運んだ。
車から放されたシロトキは、すぐに仲間たちのいる場所に飛び立ち、その再会を喜んでいる様子だった。
救助チームは、負傷したシロトキを一時的に友人と引き離したことを気に病んでいたが、うれしそうに仲間たちに加わる姿を見て、今回の救助活動のすべてが報われたと感じたという。











