2026年の元日の朝、アメリカ・マサチューセッツ州で窓もドアも閉まっていた車の中から一羽のフクロウが発見された。
男性が車を使おうとドアを開けたところ、助手席のヘッドレストに止まっていたその小さなフクロウは、彼をじっと見つめてきたという。
前回車を運転した時にはその鳥はいなかった。どうやって入ってきたかはわからないが、のちにその事情が少しずつ明らかになる。
この小さな鳥は衰弱しきっており、最後の力を振り絞ってここを避難所として選び、助けを求めていたのかもしれない。
密室の車内に潜んでいたフクロウ
マサチューセッツ州アマーストに住むフレッド氏は、2026年の元日の朝、自分の車に向かいドアを開けた。
すると助手席のヘッドレストにフクロウが止まっており、じっと彼を見つめていたという。
車のドアも窓もすべて閉まっており、前日に運転した際にも車内に異常はなかった。
いったいどうやって入り込んだのか?困惑しながらも、何とかしてあげなければと思ったフレッド氏は、地元の野生動物保護団体であるカミングトン・ワイルドライフ[https://www.cummingtonwildlife.com/]に連絡を入れた。
同団体は、すぐにマサチューセッツ州猛禽類リハビリテーション局につないでくれ、担当者のトム・リカルディさんが現場に出向くこととなった。
車内にいたのは小さなアメリカオオコノハズク
リカルディさんは電話での説明を聞き、さぞかし大きな猛禽類が待ち構えているのだろうと予想していた。
しかし実際に現場に到着して車内を確認すると、そこにいたのはわずか13cmほどの、小さなアメリカオオコノハズクだった。
フクロウ科の猛禽類、アメリカオオコノハズクは通常、成長すると体長20cmから25cmほど、体重は121gから244g程度になる。
アメリカからカナダ、メキシコにかけて広く分布し、樹木の皮にそっくりな灰褐色や赤褐色の羽を持つ。
この羽のおかげで、普段は樹洞と呼ばれる木の穴に身を潜めて周囲に擬態して暮らしている。
食性は幅広く、昆虫やネズミなどの小型哺乳類のほか、時には自分よりも大きなリスやコリンウズラを仕留めることもある勇敢なハンターだ。
そんな誇り高い鳥が、なぜ密閉された車内に入り込んでいたのか?しかも標準の個体よりもかなり小さい。
エアコンの通気口から潜入か。ひどく衰弱した状態だった
リカルディさんは、このフクロウがエアコンの通気口か何かのわずかな隙間を通って車内に入り込んだのではないかと推測した。それ以外に論理的な説明がつかないからだ。
リカルディさんがフクロウをそっと抱き上げたとき、その悲痛な理由が判明した。
この個体は、体に触れると骨の感触がわかるほどに痩せ細り、ひどく衰弱していた。それがこの個体が小さい理由だったのだ。
連日の厳しい寒さと深刻な飢えが、この小さな個体を極限まで追い詰めていたのだろう。
アメリカオオコノハズクは非常に穏やかな性質で、危険を感じるとじっと動かずに身を隠す。そのため、助けを求めて車内で静かに耐え続けていたと考えられている。
施設で回復、再び大空へ帰る日を目指して
保護施設へ連れ帰られたフクロウは、適切な食事と水分を与えられたことで、数時間後には自力で餌を食べられるまでに回復した。
現在はリカルディさんのもとで静かに体力を蓄えており、経過は非常に良好だ。
気温が安定すれば、本来の生息地に近い安全な場所へと放鳥される予定である。
2026年の幕開けに、密室の車内を避難所に選んだこの鳥の決断は正しかったかもしれない。その結果、過酷な自然界で生きる小さな命が、未来に繋がっていったのだから。











