昨年のクリスマスの日、ショッピングセンターに立ち寄った女性は、ゴミ箱のそばでじっとしている猫と目が合った。
その猫はどこかに立ち去る様子も、誰かに近づく様子もなく、ただ穏やかに座っていた。
初めてその猫を見たという女性は、思い切って「猫ちゃん」と声をかけてみた。するとその猫は、まっすぐに女性に向かって近づいてきたという。
一度はその場を離れた女性だったが、どうしてもその猫のことが頭から離れない。
これは、運命に引き寄せられた一人の女性と孤独な猫が、「永遠の家族」として結ばれるまでの心温まる物語だ。
ショッピングセンターで運命の出会い
リロン・チェン・ゴネンさんは2025年のクリスマスの日、イスラエルにある地元のショッピングセンターに立ち寄った。
日は沈みかけており、周囲の買い物客がまばらになっていく中で、一匹の猫がゴミ箱のそばに落ち着いて座っているのを発見した。
その子は鳴くことも、人に近づくこともなかった。
リロンさんは近くに住んでいるが、その猫をこれまで一度も見かけたことがなかった。
猫に家がないようだったが、彼女の心を打ったのは、その穏やかな佇まいだった。
助けを求めずただ周りを見つめる猫
「独りぼっちなのに、なんて落ち着いているんだろう」とリロンさんは不思議に思った。
その子はとても穏やかで、周りをよく観察しているように見え、何かを求めるのではなく、ただじっと世界を見ているような哲学的な雰囲気が感じられたという。
リロンさんが声をかけると、その愛らしい猫は一直線に近づいてきた。だが、すぐにゴミ箱のそばの定位置に戻ったという。
リロンさんはその場を後にしたが、猫のことが頭から離れなくなった。
彼女は自分に言い聞かせた。あの子はおそらく地域猫で、誰か近くの人が世話をしているはずだと。
それでも、あの子の何かが心に残り続けた。「どうしても忘れることができなかった」とリロンさんは言う。
判明した母猫の事故と過酷な現実
猫を置いてきたことに心を痛めたリロンさんは、その後の数日間、ずっとその子のことを考え続けた。
猫の安全を確認するまで、心が休まることはなかった。天気が雨に変わり、寒くなった日、心配になったリロンさんは猫がいた場所に行き、近くの商店主に猫を見かけなかったか尋ね歩いた。
数人の店主は、すぐにその猫のことを教えてくれた。猫はエサをくれる小さな青果店と、人々が食事に立ち寄る近くのドネルという肉料理の店の間を行き来していたという。
悲しいことに、その子の母親は同じ場所で通りかかる車にひかれてしまったという。そのせいで、子猫にとってそこは特に危険な場所になっていた。
その事実を知り、リロンさんはついにその優しい子猫を家に連れて帰る決心をした.
再会、そして永遠の家族に
リロンさんは最初に猫を見かけたゴミ箱のそばで待ったが、悲しいことにその日は誰も現れなかった。
正直、もう二度と会えないのではないかと不安が募ったという。
だが翌日、リロンさんが二人の息子を連れて戻ると、その猫は最初に会った時とほぼ同じ場所に座っていた。
そしてまた、リロンさんが声をかけると、「待っていたよ」とばかりにゆっくりと歩み寄ってきたという。
リロンさんは、自分が救ったというより、あの子が自分たちを選んでくれたのだと感じたと話す。
大喜びしたリロンさんは、子猫を抱き上げて車に乗せ、家へと向かった。家族は両手を広げて猫を迎え入れた。
ジョリーとしての幸せな新しい毎日
食事と心地よいベッドを用意した後、家族はそのメスの猫にぴったりの「ジョリー(Jolie)」という名前をつけた。
ジョリーという名前は自然に浮かんだという。フランス語で美しいという意味だが、見た目だけのことではない。その子の物静かな雰囲気や存在感、そしてリロンさんたちの人生に寄り添う様子にぴったりだったという。
ジョリーはすぐに新しい家に馴染み、それ以来、元気に暮らしている。
今は完全に室内飼いとなり、お気に入りのおもちゃで遊んだり、大好きな家族に甘えたりして一日を過ごしている。
ジョリーはゴミ箱の横で、ずっと人々を観察しながら、自分を救ってくれる家族を探していたのかもしれない。
そしてついにリロンさんという念願の家族を探し出し、リロンさん一家にも幸せをもたらした。
もしかしたらCDS(猫配送システム)、日本でいうところのNNN(ねこねこネットワーク)の関与があったかもしれない。
今のジョリーの生活は温かさと安全に満ちている。家の中でおだやかに、家族を見守りながら日々を過ごしているという。











