アメリカ・フロリダ州マイアミで2026年1月15日、食品配達ロボットが、線路上で接近してきた列車にひき潰される事故が発生した。
踏切内で約15分間にわたって立ち往生していたところに列車が衝突したもので、衝撃的な様子を捉えた映像がSNSで大きな話題を呼んでいる。
幸い負傷者は報告されていないが、都市部での普及が進む自律走行ロボットと既存のインフラの間には、まだ解決すべき課題が残されているようだ。
線路上で立ち往生する食品配達ロボット
2026年1月15日の午後8時ごろ、マイアミの住人であるギレルモ・ダペロ氏が犬の散歩をしていた際、線路の真ん中で静止している小型の配達ロボットを見つけた。
このロボットはココ・ロボティクス(Coco Robotics)社が運営しており、ウーバーイーツやドアダッシュといったサービスと提携し、料理などの食品を配送する役割を担っている。
しかしこの時のロボットは、何らかのトラブルに見舞われたのか、線路上から一歩も動けない状態に陥っていた。
ダペロ氏によれば、ロボットは約15分間もその場に留まっていたという。
近くにいたウーバーイーツの人間配達員は、ロボットの異変に気づくと、運営会社へ連絡を入れたが、無情にもその数分後には列車の接近を告げる警報音が響き渡った。
逃げ場のないまま列車にひかれてしまう
ダペロ氏が撮影した映像には、フロリダ州を走る民間経営の高速鉄道ブライトラインの列車が猛スピードで接近し、線路に立ち尽くす配達ロボットをひき潰す衝撃的な瞬間が収められている。
ダペロ氏が衝突を予見して「ああ、ひかれるぞ」と声を上げた直後、ロボットは巨大な列車に飲み込まれ、一瞬にしてその形を失った。
自律走行で健気に任務をこなす最新の配達ロボットであっても、物理的なトラブルが起きれば、巨大な輸送システムの前では逃げることもできない脆弱な存在であることを改めて認識させる結果となった。
運営会社による事故原因の説明
ココ・ロボティクス社の広報・安全部門の責任者であるカール・ハンセン氏は、今回の事案について移動中に起きた極めて珍しいハードウェアの故障が原因だったと説明している。
同社のロボットは通常、歩行者程度の速度で安全に走行し、人間のセーフティパイロット(安全監視員)によって遠隔からリアルタイムで監視されているという。
マイアミでは1年以上の稼働実績があり、同じ線路を1日に何度も横断してきたが、今回のような事故は初めてだった。
ハンセン氏は、ひかれたのが一般の車両や人間ではなく自社のロボットであったため、人的な被害が出なかったことに安堵している。
同社は二度とこのような事態が起きないよう、状況を慎重に調査する方針だ。
都市インフラに潜むリスク
今回の事故は幸いにも怪我人は出なかったが、自動化されたロボットが都市のインフラと共存する上で、課題が残されていることを知らしめた。
ロボットは障害物を回避するように設計されているが、特殊な地形や予期せぬ機械エラー、あるいは信号の誤認識によって、自力では脱出不可能な状況に陥るリスクを完全には排除できない。
特に線路の横断は、最も深刻な事故につながる場所だ。
重量のある列車は急ブレーキをかけても停止までに1.6km以上の距離を必要とすることがあり、線路上の障害物は脱線などの大惨事を招く恐れがある。
配送ロボットが私たちの生活により深く浸透していく中で、トラブル時の安全確保やインフラとの調整をどう進めるべきか、さらなる議論が必要となるだろう。











