イギリスの住宅街で、民家の玄関先にアザラシの赤ちゃんが迷い込み、郵便配達員によって発見されるという驚きの出来事があった。
アザラシの赤ちゃんは生後1週間ほどで、嵐によって母親とはぐれた可能性が高いとみられている。
保護当時は低体重で体にも傷を負っていたが、現在は野生生物保護センターへ搬送され、専門家のもとでリハビルを行っている。
配達先の家の玄関で、アザラシの赤ちゃんがちょこんと横たわっているのを見た配達員はさぞ驚いたことだろう。
配達先の家の玄関前にアザラシがちょこん
2026年1月、小雨の降る肌寒い日に、イギリス東部ノーフォーク州の町、ゴウルストンで郵便配達員が、びっくり仰天の遭遇を果たした。
赤レンガの住宅の玄関先に、1匹のアザラシの赤ちゃんが座り込んでいたのだ。
郵便配達員が玄関へ近づいても、アザラシは動かずにじっとしていた。どうやら迷子になったらしい。
この赤ちゃんは白い産毛で覆われていることから、生後1週間ほどとみられている。
ゴウルストンは海に近い町ではあるものの、住宅街の中に、しかも民家の玄関先にアザラシが迷い込んでくるのは極めて珍しい。
郵便配達員は、海洋野生生物救助隊(Marine and Wildlife Rescue)へ助けを求めて電話を入れた。
救助隊のダン・ゴールドスミス氏は、アザラシの赤ちゃんが前日にも近くの駐車場で車の下に隠れようとしていたという目撃情報を明かしている。
今回は郵便配達員が迅速に通報したため、アザラシの赤ちゃんを見失うことなく、すぐに保護することができた。
嵐の影響で母親とはぐれてしまった可能性
イギリス周辺には、世界のハイイロアザラシの約40%が生息している。ハイイロアザラシは、冬にラヌーゴと呼ばれる白い産毛をまとった状態で生まれてくるのが特徴だ。
この白い毛には防水機能が備わっていない。
保護されたアザラシの赤ちゃんは、本来の年齢に比べて明らかに体重が不足していた。
激しい嵐や高潮の影響で、時期尚早に海へ流された後、母親とはぐれてしまったと考えられる。
体には小さな刺し傷も見られたが、これは荒波に揉まれて海に流された際に負ったものと推測される。
現在は順調に回復中、リハビリを経て海に帰る予定
アザラシの赤ちゃんはRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)のイースト・ウィンチ・ワイルドライフ・センターへと運ばれ、コールド・コール(Cold Call)と名付けられた。
コールド・コールとは、英語で予約なしの訪問を意味し、アザラシの赤ちゃんが突然民家の玄関に現れたことにちなんでいる。
センターのマネージャーであるエヴァンゲロス・アキレオス氏は、近年の悪天候により、親とはぐれて保護されるハイイロアザラシが急増している現状を語った。
コールド・コールは現在、施設で仲間たちと共に過ごし、順調に回復しており、白い産毛が抜け落ちる換毛も始まった。
ハイイロアザラシは非常に知能が高く、豊かな個性を持つことで知られている。
人間のダイバーに興味を示して近寄る好奇心旺盛な一面がある一方で、自分の身を守るための強い意思も持ち合わせている。
コールド・コールも、大きな鳴き声で自己主張をするなど、野生を生き抜くための力強い生命力を見せ始めている。
現在はフィッシュ・スクール(魚の学校)と呼ばれるリハビリプログラムに参加し、自力で魚を捕らえて食べる訓練を受けている最中だ。
野生に帰るには現在の3倍近くまで体重を増やす必要があり、大量の魚をたっぷり食べている。
そのおかげで順調に体力をつけており、数か月後には、野生の海へと帰される予定だ。











