カナダ・ケベック州で、冬の休暇中に暖房を完全に切った住人が、部屋を「氷の城」に変えてしまうという驚愕の事態が発生した。
ケベック州は北米有数の寒冷地で真冬の最高気温が氷点下も当たり前の地域。
電気代を節約しようとした行為が、結果として水道管を破裂させ、数万ドル(数百万円)もの損害を招く悲劇となったのだ。
「氷の城」に固まる大家。アパートの1室が完全凍結
北米屈指の寒冷地、カナダ・ケベック州の都市トロワ=リヴィエールにあるアパートの一室で、大家のジャック・ノーさんは固まっていた。
カナダ、ケベック州のトロワリヴィエールでアパートを経営するジャック・ノーさんは、2026年1月初旬、所有する部屋の玄関を開けた瞬間に言葉を失った。
そこには、おとぎ話に出てくる氷の城のような光景が広がっていたのだ。
壁や天井、さらには家具や家電製品に至るまで、部屋のすべてが分厚い氷の層に覆われていた。
室内には抽象的な氷の彫刻のような塊がいくつも出現し、床は深さ約30cmもの氷で埋め尽くされていたという。
現実に目の当たりにしていても到底受け入れがたい状況だ。
暖房を切り数カ月も不在だった元住人
この異常な光景は、以前この部屋に住んでいた住人の節約志向が招いたものだった。
ノーさんが地元メディアに語った内容によると、この住人は冬の休暇に出かける際、わずかな暖房代を浮かせようとして室内のヒーターを完全に切ってしまったのだ。
極寒の地であるケベック州では、冬の気温がマイナス15度以下になることも珍しくない。暖房が消えた室内はすぐに氷点下となり、壁の中を通る水道管が凍結して破裂。
流れ出した大量の水が、部屋のあらゆるものを氷漬けにしてしまったのである。
住人が節約しようとしたのはわずか数ドル(数百円)程度の電気代だったが、その代償として数万ドル(数百万円)規模の修繕費用が発生することになった。
さらに、その住人は数カ月に及ぶ不在中、家賃を滞納していた。
天井も壁も水浸しになったんです。カビも生えるでしょう。保険の範囲であちこちを剥がし乾燥させて修復するしかないです (ジャック・ノーさん)
暖房費節約のつもりが“破滅的コスト”に
生活費の高騰はカナダでも深刻だ。少しでも暖房代を抑えたい気持ちはよくわかる。
だが、ここで真冬に暖房を切ったままにすることは、むしろ禁断の“自爆スイッチ”を入れるに等しい。
地元メディア noovo Info[https://www.noovo.info/nouvelles/societe/article/chateau-de-glace-un-logement-completement-gele-a-cause-dun-locataire/]の取材を受けた、ノーさんは「これほど極端なのは初めてだ」という一方で「休暇で外出するときに暖房を切り、電気代を節約しようとする人もいる」とし、こんな風に語っている。
何もかもが値上がりで、みんな節約に励みたくもなりますよ。休暇の時などに暖房のことを深く考えず、どうせ部屋が無人になるなら”暖房を切れば電気代の節約になる”と思う人もいる。でも真冬にそれをやったら終わりです
家賃を滞納していた元住人は2026年1月5日付で正式に退去処分となっていた。そのため暖房を切った行為が損害賠償の対象になるかは不明だ。
というか、元住民が実際いつまでその部屋で暮らしていたかもよくわからず、ノーさんと最後に顔を合わせたのもいつなのかわからない。実はもっと前から凍りっぱなしだった可能性もありそうだ。
現在「氷の城」と呼ばれているこのアパートは、のちに他の部屋の被害調査も行われたそう。構造的には3戸一棟の集合住宅だったそうだけど、幸いなことに他の部屋に影響はなかったそう。
海外ユーザーの反応は“辛口”の嵐
今回の”氷の城”事件は、海外でも大きな話題になった。
その矛先は元住人にとどまらず、ある程度知っていながら様子を見に行かなかったノーさんにも向けられており、なんならそっちの批判のほうが多かったようだ。
- 元の住人は数か月前から出たっきりたんだろ? 1月5日に正式退去で家賃も払ってないって…時系列がおかしい
- 住人の行動は無知で汚いやり方だし、オーナーも相当マヌケ。ほぼ空室だと知っていたのにすぐチェックしないなんてありえない
- 長期間放置してたオーナーの責任でもある
- こういうことがあるから家賃が多少滞っても、住んでる人と話し合って支払い計画を作ったほうがいい。数カ月の損より、こういう事態になったときの修理費のほうがよっぽど高い
- 元住人は休暇で遊ぶ金はあったのに、暖房代が払えないって?ウケるわ
- ホラー映画か。見ためは完全に“氷河期”だ
- 他の部屋が無事だったのは、部屋ごとに配管が別だったから?
確かにこの件の発信者はノーさんだけというのもあってか、大家なのになぜほったらかしだったのか、という意見もわからなくもない。
ただカナダの賃貸事情のほうも不明だが、貸したからには勝手に部屋に入るわけにはいかないとか、住人のほうが保護されている場合もあるので何ともいえない。
ノーさんの立場で言えば、家賃を催促しようにも不在が続き、ようやく出て行ったと思えば部屋がひどいことになっていたとか、そんなところだったんだろうか。
日本でも起こりうる“冬の落とし穴”
日本の都市部でここまでの凍結は起きにくいが、北海道や東北の一部地域では水道管凍結は毎年のように発生する。
「数日家を空けるから暖房を切る」という判断は、地域によっては同じ悲劇を招く可能性がある。
暖房代の節約は大切だが、完全にオフにするのではなく、低めの設定で維持するほうが結果的に安全で安上がりになるケースも多い。
実際、配管が壊れ家屋も傷める凍結被害に比べれば、何倍もましだろう。
油断ならない凍結の備えをおすすめ
気温によっては暖房オフが家を丸ごと凍らせる引き金に。冬は寒さや積雪だけでなく、そんな”油断ならない”季節であることを頭の片隅に置いておいたほうがよさそうだ。
ただ実際に暖房を切るかどうかは、当然ながら地域の気候と建物の構造を踏まえた判断がいる。
寒冷地にお住まいの読者なら慣れたものかもしれないが、近ごろはふだん温暖な地域がとんでもなく急激な強烈寒波に見舞われることもある。
一概にこうすべき、とは言えないけれど、万一に備え、お住まいの地域にあった凍結予防・対処法のチェックをおすすめしておくよ。
References: Odditycentral[https://www.odditycentral.com/news/apartment-becomes-real-life-ice-castle-after-tenant-turns-off-heating-to-save-money.html] / Noovo[https://www.noovo.info/nouvelles/societe/article/chateau-de-glace-un-logement-completement-gele-a-cause-dun-locataire/]











