2024年にお届けした、卵の孵化を待ち望みながらも果たせなかったカリフォルニア州のハクトウワシ夫婦の話を覚えているだろうか。
あれから2年、夫婦は2026年となった今シーズンも巣作りをし、卵を産み、ヒナに会えるのを心待ちにしながら、夫婦で卵を温め続けている。
その様子がライブカメラで視聴できるようになっている。果たして今年、彼らは待望のヒナたちを迎えることができるだろうか。
毎年同じ巣で子育てをするハクトウワシのカップル
アメリカのカリフォルニア州にあるサンバーナーディーノ山脈の「ビッグ・ベア・バレー」で、毎年巣作りをしているハクトウワシのカップルがいる。
カップルの名前はジャッキーとシャドウ。彼らの巣作りと子育ての様子は、近くに設置されたカメラからの映像[https://www.youtube.com/watch?v=B4-L2nfGcuE]により、リアルタイムで見ることができる。
2024年のシーズンは、彼らが温め続けた卵が孵ることはなかった。強風や雪にさらされながらも、巣を離れずに孵らぬ卵を抱き続けるカップルの様子は、自然の厳しさを示す記録として視聴者の記憶に残ることになった。
翌年の繁殖シーズン、夫婦はふたたび卵を温め始めた。そして2025年3月、心配しながら見守っていた視聴者の前に、待望の3羽のヒナたちが姿を現したのだ。
残念ながら1羽は嵐の中で命を落としたが、残りの2羽は「サニー」と「ギズモ」と名付けられ、両親に見守られながらすくすくと成長。5月に無事に巣立っていった。
2026年も2個の卵が誕生!
実はこの巣は、最初からジャッキーとシャドウのものだったわけではない。ライブカメラが設置された当初の2015年と2016年は、リッキーとルーシーという別のペアがこの巣で子育てを行っていた。
その後、2017年に若い雌のジャッキーが出入りするようになり、2019年以降はシャドウとペアを組んで、この巣を拠点に繁殖を続けている。
カメラを設置した保護団体「ビッグ・ベア・バレー友の会(Friends of Big Bear Valley)[https://friendsofbigbearvalley.org/]」は、現地への干渉を避ける一方で、ライブ配信と公式ログを通じて繁殖の経過を公開し続けているのだ。
そして今シーズンも、期待と不安に満ちた同団体のスタッフと視聴者が見守る中、夫婦はまた巣作りを始めた。
2025年11月中旬くらいから、シャドウが巣に木の枝などを頻繁に運び込み、巣の補強や手入れをする様子が観察されるようになった。
12月に入ると、今度は草や木の葉などの柔らかい素材が巣の中に敷き詰められ始めた。いよいよ産卵が秒読みになったのだ。
そしてとうとう、年が明けた2026年1月23日に1個、26日には2個目の卵が、ライブカメラの映像の中で確認された。
下の動画に、卵が確認された瞬間の様子が写っている。6:55あたりに注目だ。
晴れてアメリカの国鳥となった「ハクトウワシ」とは
ハクトウワシは北アメリカ大陸に広く分布する大型の猛禽類で、2024年に正式にアメリカの国鳥に制定された。
成鳥の体長は約70~110cm、翼を広げると約1.8~2.3mに達する大型の猛禽類で、幼鳥は全体が褐色をしており、白い頭と尾になるまでには約4~5年を要する。
主な餌は魚で、河川・湖沼・海岸近くなど魚類が豊富な水辺の環境を好み、その周辺の大きな木の枝に巣を構えることが多い。
つがい同士の忠誠心は高く、通常は同じカップルが生涯を共にするが、片方が死んだり行方不明になった場合には、新しいパートナーと結ばれることもある。
ライブカメラの映像を配信しているビッグ・ベア・バレー友の会は、ビッグ・ベア・バレー周辺の自然環境と生物多様性の保全、そして環境教育の普及を目的とした非営利団体である。
同団体の公式サイト[https://friendsofbigbearvalley.org/]によれば、この地域の生態系の価値を伝える活動や、野生動物の保護に関する情報発信を行っているそうだ。
この団体の代表的な取り組みのひとつが、ジャッキーとシャドウの巣を24時間ライブ配信するカメラの運営である。
彼らはアメリカ林野局などと協力し、野生動物や周囲の環境に影響を与えない形でカメラを設置。このカップルの繁殖活動の様子を世界中に公開しているのだ。
また、同団体は視聴者から寄せられる質問に、以下のように答えている。
Q:なぜジャッキーは卵をずっと温めていないのですか?
A:ジャッキーはほかの多くのハクトウワシと同様に、すべての卵を産み終えるまでは本格的な抱卵を始めません。
卵の上に体をかぶせて、天候や捕食者から守る場面は見られます。この方法により、ヒナたちの孵化時期が近くなり、あとから生まれるヒナの生存率が高まるのです。
Q:卵から離れていても大丈夫な時間は、どれくらいですか?
A:周囲の気温、湿度、風による体感温度などの条件によって変わります。そのため、どれくらいなら大丈夫かを一概に示すことはできません。
ただし、卵の大部分は水分でできており、水は熱を保ちやすい性質があるため、急激に冷えることはありません。氷点下の環境でも、親鳥が数時間卵を離れたあとに無事孵化した例が観察されたことがあります。
ハクトウワシの卵の抱卵に適した温度はおよそ摂氏37度前後、保管に適した温度はおよそ摂氏13度前後、ジャッキーの体温はおよそ摂氏40度前後と説明されています。
Q:巣の内側に敷く柔らかい巣材はどこにありますか? もっと必要ですか?
A:ジャッキーとシャドウは、産卵の直前や直後に、巣の内側に敷く柔らかい材料を運び込む傾向があります。ふだん集めてくるのは、湖岸や水辺の草やアシ、森の中で拾った葉や松葉などです。
ビッグ・ベア・バレーは混交針葉樹林とオーク林が中心の環境のため、この巣は、他の地域や生態系で作られる巣とは見た目がかなり異なっています。
今年も子育ての様子をライブで配信中
上の説明にもあるように、ハクトウワシは複数の卵をほぼ同じ時期に孵化させるため、産卵が一通り終わるまで完全な抱卵を控える傾向があるとされている。
ライブ配信の映像でも、2羽が長時間座り続けるのではなく、立ち上がって体の向きを変えたり、卵の位置を整えるように身をかがめたりする様子が確認できる。
今のところ3個目の卵は確認されていないが、今後増える可能性は十分にあるだろう。
下が彼らの巣を写すライブカメラの映像だ。もしかするとみんなのほうが、先に3個目の卵に気づくかもしれないね
ジャッキーとシャドウと卵たちの続報が入ったら、またこの場でお知らせしようと思っているので楽しみに待っていてほしい。
References: Bald eagle chick watch 2026: Jackie lays first eggs[https://www.popsci.com/environment/bald-eagle-jackie-lays-first-egg-2026/] / Eagle Log[https://www.friendsofbigbearvalley.org/mmbr/stories.php]











