amazonが傘下に収める、スマートホームセキュリティ製品ブランド大手「Ring社」は、全米が注目を集めるスーパーボウルのCM枠を買い取り、迷子になっているペットたちを支援することを発表した。
今やアメリカでは多くの家庭で、玄関先のドアベルカメラや野外カメラ、室内の見守りカメラなどを設置している。
Ring社が2025年に新たに開始したのが、迷子犬捜索サービス「サーチパーティ(Search Party for Dogs)[https://ring.com/jp/ja/search-party]」である。
迷子になった愛犬の写真をアプリに登録すると、Ring社のカメラがとらえた映像をAIが分析し、行方を探してくれるというものだ。
一見、飼い主にとっては嬉しいサービスに見えるのだが、ユーザーからの反応は大歓迎、まではいかなかったようだ。
防犯カメラの映像をAIが分析して迷子犬を捜索
Ring社のサーチパーティのサービスは、迷子犬を地域全体で探し出すために開発された、AIと防犯カメラのネットワークを組み合わせた捜索支援システムである。
これまで、愛犬が行方不明になった場合、飼い主は近所を歩き回って探すか、チラシを配るか、SNSで呼びかけるくらいしか探す方法がなかった。
しかしサーチパーティのシステムでは、近隣の住宅に設置されたRing社のカメラが、自動的に捜索に加わるようになる。
飼い主がRing社のアプリ「Neighbors」に迷子犬を登録し、写真や情報を投稿すると、周辺地域に設置されたRing社のカメラが自動的に捜索モードに入るのだ。
カメラはAIによる画像認識技術を使い、映像の中に迷子犬と似た特徴を持つ犬が映っていないかを自動的に分析する。
もしも探している犬と特徴が一致する犬が見つかると、その映像を撮影したカメラの所有者に通知が送られる。
通知を受け取った所有者は、迷子犬の写真と自分のカメラが撮影した映像を比較して、同じ犬かどうかを確認する。
そして一致すると判断した場合のみ、映像を飼い主と共有する。つまり、プライバシーの最終的な管理権限は、あくまでカメラの所有者に残されていることになる。
実際にサーチパーティからの通知を受け取ったことのあるフロリダ州の男性は、次のように語っている。
地域の掲示板を見ていなければ、近所の犬が迷子になっていても気づきませんし、何かが家の前を通っても、そのたびにカメラを確認するわけではありません。
サーチパーティが「迷子犬を見つけた可能性があります」と知らせてくれたのは、私としてもとても助かりました
また、カンザス州のある女性は、サーチパーティのおかげで愛犬と再会することができたという。
マイクロチップがあっても、それを確認することを知らない人もいるし、首輪をつけていないと野良犬だと決めつけてしまう人もいるんです。
本当に驚きました。サーチパーティがなかったら、彼を見つけることはできなかったと思います
Ring社のSNSでは、実際にサーチパーティで発見されて、飼い主と再会を果たしたペットたちの映像も紹介されている。
スーパーボウルの放映中にCMが流れることに
2026年2月8日、カリフォルニア州サンタクララで開催されるスーパーボウルの中継の際に、このサーチパーティのCMが流されることが決まった。
実際のCM映像がこちらである。30秒の短いCMの中では、愛犬マイロと飼い主の少女のドラマが描かれている。
迷子になってしまったマイロが、サーチパーティのシステムを通して見つかり、少女と再会するというストーリーだ。
CMにはRing社の創業者であるジェイミー・シミノフ氏自身が、愛犬のビスケットといっしょに登場して、サーチパーティについて説明している。
ペットは私たちの家族の一員です。 しかし、毎年1000万匹が行方不明になっています。
その探し方は何年も変わりませんでした……今までは。
Ringアプリに犬の写真が投稿されると、 屋外のカメラが特徴が一致する犬の映像を探し始めます。
サーチパーティはAIを活用して、家族が迷子の犬を探す手助けします。サービス 開始以来、平均して1日に1匹以上の犬が家族と再会しています
ちなみにサーチパーティで迷子犬を探すには、Ringカメラを所有していなくても大丈夫。スマホにアプリさえ入れれば、愛犬を無料で登録することができる。
ただし、捜索に協力する側はもちろんカメラの所有者だ。つまりサーチパーティは、カメラを設置している住民のネットワークがあってこそのシステムなのだ。
また、Ring社は全米各地にある動物たちのシェルターにカメラシステムを提供するため、100万ドルの支援を行うと発表した。
これは、シェルターに収容されている犬の発見や返還を、より迅速に行うことを目的としたものだそうだ。
毎年スーパーボウルの開催日には、テレビ局のAnimal Planetが「パピー(子犬)ボウル」と呼ばれるイベントを開催し、保護犬たちへのサポートに取り組んでいる。
パピーボウルはスーパーボウルと同じ日に行われるイベントで、保護されている子犬たちが出場して競技を行うものだ。
子犬たちの里親募集を促進し、保護団体への支援を促すほか、視聴者に保護犬への関心を持ってもらう目的で2005年から開催されている。
会場を元気に走り回る子犬たちが「可愛い」と。毎年大人気。つまりアメリカではスーパーボウル当日は、犬の保護が何かと話題になりやすいのだ。
このタイミングでCM枠を使い、「迷子犬を探す機能」の宣伝を行うことは、サーチパーティについて視聴者に広く印象づける絶好の機会になるだろう。
ユーザーからは様々な反応
だが、サードパーティを知った視聴者や、Ringカメラのユーザーたちの意見は少々シビアなようだ。
- うちのRingカメラは車すらまともに識別できないのに、迷子犬を見つけられるっていうのか? 本気で言ってるのかよ
- 無理だろ。Ringカメラはリスを人間と誤認識することすらあるんだぞ。しかも日常茶飯事だ
- もし一致する犬を識別して追跡できるなら、人間や車だって識別して追跡できるってことだよな
- まさにそれ。最初は「犬のためだけ」って言ってても、そのうち別の用途に変わっていくのは目に見えてる。もっと不気味な方向にね
- Amazonが言ってないことがある。これは人間の顔を24時間認識して追跡する仕組みも含んでいるんだ
- 彼らが言う通りの用途だけなら気にしない。私は犬が大好きだし、迷子犬のためなら何でも協力したいよ。
でも問題は、本当にそこに限定されるのかってこと- これは絶対に犬だけで終わる話じゃない。AIが近所を監視して、人間の行動を監視し続けるようになる。これはビジネスだよ。企業が本当に我々の利益を第一に考えてくれるなんて、信じらるか?
- 犬を助けるという考えは好きだよ。でも、自宅の防犯カメラ映像をAIに解析されるのは嫌だな
- ペットは大好きだけど、これは一線を越えてるよ。ニュースを見た瞬間、すぐ無効にした。どうしてこれが許されると思ったのかね
- なんでそんなに被害妄想が強いんだ? 政府やRing社が、お前らが庭や玄関で何をしてるかなんて興味あるわけないだろう。自分が監視対象になるほど重要な人物だでも?
- 問題は所有権なんだよ。俺が頼んでもいないことを調べるために、うちのカメラが使われるのはおかしいってこと。誰のために開発されたんだろうな
- 俺は自分の家の防犯のためにRingカメラとサービスに金を払ってるんだ。迷子犬のためなんかじゃない。
Ring社は2013年、シミノフ氏が自宅ガレージで開発したスマート機能付きのドアベル「Doorbot」から始まった。
ガレージで作業中に玄関のチャイムが聞こえず困った経験から、スマートフォンで来訪者を確認できる装置を自ら考案したのである。
その後「Doorbot」は「Ring」へと改名され、急成長を遂げたあと2018年にAmazonが買収。世界的な防犯機器ブランドへと発展した。
つまり現在ではアマゾン傘下の企業であり、2022年には日本にも進出[https://ring.com/jp/ja]を果たしたのだが、インターホン文化が根付いている日本では少々苦戦しているようだ。
愛するペットが迷子になったとき、地域の各家庭にある防犯カメラが一斉に捜索してくれるのは確かに心強い。
その反面、「勝手に使われるのはどうなのか」という意見があるのも納得できるし、セキュリティーやプライバシーの面での不安も理解できる。
この「個人所有のドアベルや防犯カメラを使った迷子犬捜索ネットワークシステム」について、みんなはどう思うかな。
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