寒くてどんよりした冬の日は、つい気分まで沈んでしまいがちだ。しかし、そんな憂鬱を一瞬で吹き飛ばしてくれる動画が話題を呼んでいる。
ニューヨークにある水族館のカワウソたちが、一面の雪景色に大はしゃぎする姿だ。まるで子供のように雪の上を転げ回り、全力で冬を謳歌するカワウソたちの姿は、見る者の心を温かい幸せで満たしてくれる。
凍えるような日に見れば心が温まるし、夏の暑い日に見れば涼しさを届けてくれるに違いない。
雪の積もった飼育エリアがカワウソの遊園地に
ニューヨーク州リバーヘッドにあるロングアイランド水族館は、2026年2月上旬、激しい雪に見舞われた。
あたり一面が真っ白な銀世界に包まれる中、大はしゃぎで飼育エリアを駆け回っっていたのは、カナダカワウソたちだ。
数頭のカワウソは、積もったばかりの雪の中に迷わず飛び込むと、お互いに取っ組み合いをしたり、仰向けになってジタバタと体をくねらせたりと、まさに天国にいるかのような喜びようを見せた。
水族館のスタッフは、この猛烈なはしゃぎぶりを「雪の中の爆走」と呼んで紹介したが、その愛くるしさに多くの視聴者が釘付けになった。
カワウソたちにとって、雪に覆われた囲いの中は、もはや無限に遊べる冬の遊園地になったのだ。
カナダカワウソが寒さに強い理由
1月下旬から2月上旬にかけて、ニューヨークは大寒波に襲われた。ロングアイランド水族館では南国生まれのケープペンギンたちが、寒すぎて室内に避難した様子は、前回カラパイアでもお伝えしたとおりだ。
他の動物たちが寒さに身を縮める中、カナダカワウソたちは、氷点下の世界を存分に楽しみ、なんなら謳歌していたのだ。
陸上と水中の両方で暮らすカナダカワウソは、なぜ凍てつくような寒さに耐えられるのか。その秘密は、極寒の北米大陸という厳しい環境に適応した特殊な毛皮にある。
カナダカワウソの体は、水を完璧に弾く硬い刺毛と、その下に驚くほど密生した柔らかい下毛の二層構造に守られている。
この毛の密度は、他の多くの哺乳類を圧倒するほど高く、さらに天然の油分で毛皮をコーティングすることで、氷点下の水や氷、雪が直接肌に触れるのを防ぎ、体温を逃さない仕組みになっている。
いわば、極寒の海に潜るダイバーが着る高性能なウェットスーツを、生まれながらに装備しているようなものなのだ。
この「寒冷地仕様」の強靭な装備があるからこそ、表面が凍りついた川であっても、氷の下のわずかな隙間から潜り込み、獲物を探して食事を楽しむことができる。
楽しみながら冬の寒さを生き抜くカナダカワウソ
カナダカワウソは、冬の厳しい環境を、むしろ「移動のチャンス」として積極的に利用している。
雪が積もると、カナダカワウソたちはお腹や背中を使って斜面を滑り降りる姿がよく目撃される。
雪の滑りやすさを利用して「ソリ」のように滑走することで、最小限のエネルギーで高速移動を可能にしているのだ。
もちろん雪で遊ぶことを楽しんでもいる。
厳しい環境下でも余裕を持って生き抜くための適応力と知能の高さが、カワウソたちの底知れない遊び心を生んでいるのである。
楽しみながらエネルギーを節約し、仲間との絆を深める。そんなカワウソたちのポジティブな姿は、寒さに凍える人間たちの憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれ、心に平穏をもたらす役割すら果たしてくれているようだ。
どんなに厳しい冬であっても、視点を変えればそこには新しい喜びが転がっているのかもしれない。雪の中を全力で爆走するカワウソたちは、まさに不屈の精神と適応力の象徴といえるだろう。











