スキージャンプで「股間注射」疑惑。飛距離を伸ばす奇策にドーピング監視機関が動く
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 アスリートが記録を追い求める飽くなき探究心が、肉体改造にまで及んでいるのではないかという疑惑が浮上した。

 一部の男子スキージャンプ選手がイチモツにヒアルロン酸を注射で注入してスーツの採寸を不正に操作しているというのだ。

 現在イタリアでは、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックが開催されているが、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、競技の公平性を守る立場から本格的な調査に乗り出す方針を固めた。

ドーピング監視機関を困惑させた前代未聞の疑惑

 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は設立から26年、アスリートによる筋肉増強剤などの違法薬物使用を厳しく監視してきた。

 しかし、2026年2月5日にミラノで行われた2026冬季オリンピック直前会見で持ち上がったのは、衝撃的な疑惑だった。

 一部の選手がより大きな浮力を得るため、自らの局部にヒアルロン酸を注入しているのではないかと指摘されたのだ。

 この疑惑は、2025年1月にドイツのビルト誌[https://www.bild.de/sport/mehr-sport/penis-wirbel-bei-vierschanzentournee-sorgt-fuer-diskussionen-695abf3887cfb9675dd2d7bd]が「ペニスゲート」疑惑として報じて以来水面下で囁かれていたが、改めて会見で問われた形となる。

 これを受けて、WADAのウィトルド・バンカ会長は即座に調査を約束した。

 バンカ会長の母国ポーランドにおいてスキージャンプは圧倒的な人気を誇る国民的スポーツであり、競技の清廉性を守る責任者として、この問題を軽視できないと判断したのだ。

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スーツを2cm広げるだけで飛距離は5m以上伸びる

 スキージャンプにおいてスーツの形状は勝敗に直結する。スーツの表面積を広げることで空中で受ける揚力(物体を上に押し上げる力)が増し、、滞空時間が伸びるためだ。

 実際、ノルウェーのマリウス・リンヴィク氏とヨハン・アンドレ・フォルファン氏は、2025年の世界スキー選手権で、スーツの股間部分の縫い目を本来の股の位置より数cm低い位置にずらしてサイズを偽装していたことが明らかとなり3ヶ月の出場停止処分を受けた。

 これにより、空中で脚を広げた際にスーツの布がムササビの膜のように風を捉え、浮力をアップさせる仕組みだ。

 この組織的な不正に関与したマグヌス・ブレヴィクヘッドコーチらスタッフ3名も、18ヶ月の活動禁止処分を受けている。

 科学誌『Frontiers[https://www.frontiersin.org/journals/sports-and-active-living/articles/10.3389/fspor.2025.1693699/full]』(2025年10月30日付)の研究論文によれば、スーツの周囲が2cm大きくなるだけで、揚力は5%増加し、空気抵抗は4%減少する。

 このわずかな差が飛距離を5.8mも伸ばすことになるため、勝利を熱望する選手にとって、スーツに不当なゆとりを作ることは大きな誘惑となっているのだ。

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最新の3Dスキャナーをも欺く、股間注入

 現在、大会側は不正な詰め物を防ぐために最新の3Dスキャナーを導入し、選手の体型を精密にデータ化している。

 この装置は、生殖器の最も低い位置を股下の起点(基準点)として記録し、そこからスーツのサイズを決定する仕組みだ。

 だが、採寸の直前に股間にヒアルロン酸やパラフィンを注入して物理的な膨らみを作ってしまえば、基準点を押し下げ、測定値を操作することが可能となってしまう。

 ヒアルロン酸そのものは禁止薬物リストには含まれていないが、問題視されているのはそれを利用した測定操作だ。

 一部の男子選手はこの手法で本来の体型よりも股下の位置が低いデータを登録し、より多くの布地を使った「ゆとりあるスーツ」を不正に入手していると指摘されている。

 他にも、下着の中に粘土を忍ばせて測定値を欺くといった手法も報告されており、ハイテク機器の監視をいかに潜り抜けるかという、裏技探しが続いている。

勝利の代償と問われるスポーツの精神

 最初にこの疑惑を報じたビルト誌[https://www.bild.de/sport/mehr-sport/penis-wirbel-bei-vierschanzentournee-sorgt-fuer-diskussionen-695abf3887cfb9675dd2d7bd]は、カムラン・カリム医師の言葉を引用し、「注入によって局部を太くすることは可能だが、医学的に適切な処置とはいえず、激しい感染症や副作用のリスクを伴う」と警告を発している。

 世界アンチ・ドーピング機構のオリビエ・ニグリ事務総長も、アスリートの健康を脅かし、スポーツ精神に反する行為があれば厳正に対処する意向を示した。

 たとえ直接的な禁止薬物でなくとも、不当にパフォーマンスを向上させる人体改造であれば、禁止カテゴリーへの該当を検討することになるだろう。

 1mでも先を目指す探究心が、自身の健康やスポーツの公平性を犠牲にしてはならない。

References: BILD[https://www.bild.de/sport/mehr-sport/penis-wirbel-bei-vierschanzentournee-sorgt-fuer-diskussionen-695abf3887cfb9675dd2d7bd] / Theguardian[https://www.theguardian.com/sport/2026/feb/05/penis-injection-doping-claims-in-winter-olympics-ski-jumping-investigated-by-wada]

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