146光年先に「第二の地球」候補を発見!ただし平均気温は氷点下70℃
地球によく似た岩石惑星HD 137010 bのイメージ図 Image credit:NASA/JPL-Caltech/Keith Miller (Caltech/IPAC)

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 当時高校生だった少年が、地球によく似た惑星を発見した。天文学的には非常に近い位置にある、146光年先で見つかった惑星の大きさは地球と同じくらいで、公転周期も355日と地球に近い。

 だが唯一違うのは気温だ。平均気温は氷点下70℃に達するといういわば「氷のように冷たい地球」だったのだ。

 この研究成果は『Astrophysical Journal Letters[https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/adf06f]』誌(2026年1月27日付)に掲載された。

146光年先で見つかった地球に似た岩石惑星

 146光年先のてんびん座にある太陽に似た星(K型主系列星)を周回する、地球によく似た岩石惑星が見つかった。

 太陽以外の恒星を周回する惑星は太陽系外惑星として知られており、今回特定された新惑星には「HD 137010 b」という名が与えられた。

 146光年という距離は、kmに換算すると約1380兆kmとなる。光の速さで進んでも146年かかり、現在の人工衛星の速度では到達までに数十万年を要する。しかし、広大な銀河系のスケールでは目と鼻の先にある。

 HD 137010 bは地球より約6%大きい地球型惑星「スーパーアース」で、主星の周りを一周する期間も約355日と地球に似ている。

 この新惑星の発見は、太陽系外惑星の観測史上、極めて大きな意味を持つ。

 地球に近い性質を持ち、詳しい追跡調査ができるほど近く、十分な明るさを持つ太陽のような恒星の前を横切る惑星が見つかったのは、HD 137010 bが初めてのケースとなる可能性がある。

 惑星が恒星の前を横切る現象は「トランジット」と呼ばれる。地球から見て惑星が恒星の表面を通過すると、恒星の光がわずかに遮られて暗くなる。

 光の変化を精密に捉えることで惑星の存在や大きさを特定する手法だが、HD 137010 bのように主星が明るく地球に近い距離にある惑星は、将来的に大気の成分まで詳しく分析できるため非常に貴重な観測対象となる。

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かつての高校生が科学者となって実らせた執念の発見

 当時高校生だった、現在アレクサンダー・ヴェナー博士は、市民科学プロジェクトのプラネット・ハンターズに参加していた。

そこで NASAのケプラー宇宙望遠鏡が捉えた膨大なデータから、惑星が主星を横切る際に生じる微かな影を見つけ出した。

 その後、南クイーンズランド大学で研究を主導し、現在はマックス・プランク天文学研究所に所属している。

  ヴェナー博士はその後、天文学の研究を続け、数年の歳月を経て自ら発見した天体が実在する惑星であることを証明した。 

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平均気温氷点下70℃、火星よりも過酷な惑星

 新惑星は、生命の誕生に欠かせない液体状の水が存在できるハビタブルゾーンの境界線ギリギリに位置している。

 主星である恒星は太陽より温度が低く暗いため、惑星が受ける熱は地球の3分の1に満たない。

 結果として惑星の平均表面温度は氷点下70℃に達する。平均表面温度が氷点下65℃とされる火星と比較しても、HD 137010 bはさらに過酷な極寒の世界だ。

氷の世界に秘められた生命の可能性

 極寒の環境であっても、生命の可能性が完全に潰えたわけではない。

 地球よりも二酸化炭素が多い厚い大気が存在すれば、強い温室効果によって氷の下に海が保たれている可能性がある。

 主星が明るく距離も近いため、次世代の宇宙望遠鏡による精密な大気観測により、生命の存在が期待されている。

 かつての少年が見つけた冷たい地球は、宇宙に生命を探す人類にとって重要なターゲットとなるのだ。

References: Science.nasa.gov[https://science.nasa.gov/universe/exoplanets/discovery-alert-an-ice-cold-earth/] / Iopscience.iop.org[https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/adf06f]

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