宇宙から見た地球は、私たちが想像する以上にドラマチックな変化を遂げている。
NASAの最新衛星が捉えたのは、アメリカ・バージニア州におけるわずか9週間の記録だ。
青々とした森が燃えるような秋色に染まり、一瞬で銀世界へと変わる様子は圧巻だ。
この劇的な変化の裏側には、かつてのパンゲア大陸が作り出した独特の地形や、100種類もの樹木が織りなす緻密な生存戦略が隠されている。
宇宙から見た9週間のドラマ
NASAが公開したタイムラプス動画には、バージニア州南西部の風景が驚くべきスピードで塗り替えられていく様子が収められている。
2025年10月4日から12月6日までの約2カ月、わずか9週間の間に、青々と茂っていた夏の終わりの景色は、数秒のうちに鮮やかなオレンジや茶色へと変貌し、最後には一面の雪に覆われてしまう。
この精細な映像は、NASAとアメリカ地質調査所(USGS)のランドサット8号・9号、さらに欧州宇宙機関(ESA)のセンチネル2A・2B・2Cという複数の衛星データを統合したHLSという最新の製品によって作成された。
複数の衛星の目を組み合わせることで、雲に邪魔されることなく、地上の細かな変化を連続的に記録することが可能になったのだ。
古代の大陸が生んだ独特の地形
撮影地となった、アパラチア山脈の一部であるバレー・アンド・リッジ地方には、平行に並んだ細長い尾根と谷が延々と続く不思議な地形が広がっている。
この特徴的な風景の起源は、今から約3億年前にまで遡る。
当時、地球上のほぼ全ての陸地が一つに固まっていたパンゲア大陸が形成された際、この場所は巨大な力で圧縮され、地層が激しく折りたたまれた。
パンゲア大陸はその後分裂して現在の五大陸になったが、当時の地殻変動の記憶が、現在の美しい山の連なりとして残っているのである。
100種の樹木が作るパッチワーク
バージニア州には、その土地に元から自生している落葉樹だけで約100種類もの多様な樹木が存在する。
秋になると、木々はセネッセンスと呼ばれる越冬のための準備プロセスに入る。
日が短くなり気温が下がると、葉を緑色に見せていたクロロフィルが分解され、それまで隠れていたカロテノイドという黄色やオレンジの色素が表に現れる。
木の種類によって色づく時期が異なるため、山々は一色に染まるのではなく、まるで精巧なパッチワークのような色彩の変化を見せる。
バージニア・コモンウェルス大学のペイジ・ウィリアムズ助教授によれば、落葉樹が密集するプライス山では、11月初旬に鮮やかなオレンジ色を放ち、中旬には落ち着いた茶色へと変わる様子がはっきりと確認できる。
異例の早雪がもたらした白銀の結末
映像のクライマックスは、12月初旬に訪れた。この年、バージニア州を異例の早い雪が襲い、秋の色に染まっていた景色を一瞬で白銀の世界へと変えてしまった。
雪は急斜面からは滑り落ち、谷間や平地に厚く降り積もった。
アメリカ国立気象局の報告では、同州ブラックスバーグでの12月の総降雪量は約22cmに達し、例年の平均を約10cmも上回る記録的なものとなった。
一方で、エレット・バレーのような農地やゴルフ場があるエリアは、灌漑の影響で周囲が枯れた後も12月まで緑を保ち、自然のサイクルとは異なる表情を見せている。
宇宙からの視点は、地球が生きている証拠をまざまざと見せつけてくれる。
References: Science.nasa.gov[https://science.nasa.gov/uncategorized/seasons-change-in-southwest-virginia/]











