これで疑惑が晴れた?ナチュラルな足運びで注目の女性型ヒューマノイドがまさかの失態。その顛末に寄せられた意外な反応がSNSで話題だ。
先日中国XPeng社のロボット「IRON」がステージ上で転倒。デモ中に急停止して倒れたのだ。
直立中に突然のけぞり倒れ、運び出されることに。直前までしなやかなウォーキングで数百人もの観客を魅了していたにもかかわらず、だ。
ところがその反応は予想外のものだった。皮肉にも「中の人疑惑が晴れた」「ロボットである動かぬ証拠」と拡散中の動画の中身を見ていこう。
観衆の前に歩行してきた女性型ヒューマノイドロボット
鳴り響くBGMと光の演出で盛り上がる深圳市のショッピングモールの会場にて。端のほうからゆっくりした足取りで現れたIRON。
今回は黒系の衣装だ。手だけが白く目立つ。スマホをかまえる観客へのサービスか、一度立ち止まり、また歩き出す。
中央のステージに来たIRONは、直立のまま手を動かし、自然な動作を披露。その間にMCらしき2人が来てスタンバイ。
背中をそらせて停まって転倒!退場に運ばれる
異変が起きたのはその直後。まさにこれから!というときだ。
急にIRONが背中をそり出し、MCや関係者らがとっさに支えようと駆け寄るも間に合わず、床にうつぶせに倒れてしまった。
不自然にのけぞった瞬間に凍りついたかのよう。
両足はゆっくり降りたが、直前まで動かしていた右手はひじも手首も曲がったまま。さっきまでの人っぽさが消えてしまった。
IRONはその後、直立のまま運び出された。2人が両脇、1人が足を持ち上げ、3人がかりで運ぶ。
人々が見つめる中、カメラを遠ざけるように奥へと進み、そこでようやくIRONを降ろすと、何やら話し合っているもよう。さてどうなることやら。
ナチュラルな歩行で「中の人疑惑」が浮上
従来の二足歩行ロボットの限界をあっさり飛び越えたかのように、ナチュラルな歩行をものにした「IRON」。
その完成度の高さから、2025年11月の発表以来、SNS界隈では「中の人」疑惑がくり返し浮上してきた。
たとえば女性型などは、足の運びがやや内股、手の振りもほぼ前方に出ず控えめなところとか。
前にどこかで聞いた”女性らしい歩き方”のノウハウをそのまま実践してるみたい。
姿勢は良いのに全体に柔らかく、余韻を持たせたしっとり感漂う動き。ぎこちなさがみじんもなくて、なめらかでリラックスしてるというか堂々としているというか。
その歩行の秘密はざっくりいえば柔軟な人工骨格や筋肉にあるとのことだが、目を引くのは歩行だけではないだろう。
何しろ体形・性別まで自由にチョイスできるとあって、メディアによく出るこの女性型も”理想的とされる”体形だそう。ちなみに身長5フィート8インチ(173センチ)、体重154ポンド(体重70キロ)ほどなんだとか。
発表直後は、そのふくよかボディがパルモ氏を刺激したりもしていたが、XPeng社はこのたびの派手な転倒騒ぎに頭を抱えたようだ。
「中の人いない」「疑惑が晴れた」の声
IRONの失態動画はSNSですぐ拡散。Xでも”デビューの様子”としてポストされ、4万回近くも再生されている。
ただし海外ユーザーの大半が注目したのは失態そのものではなく、「かねてからの疑惑」の真偽だ。
- これで人間イン着ぐるみ説は否定された
- てか3人がかりの重さじゃないだろ?
- すごく人間ぽかったが、やっぱ中の人などいなかったのか…
- 究極の証拠じゃん!疑惑が晴れたな
つまりIRONの異常な動作や転倒より、停止後の様子を熱心に観察したのだろう。動かなくなってようやくロボットであることに納得いったようだ。
「幼児のようでした」創業者兼CEOがコメント
とはいえ、今回の騒動をめぐっては、創業者兼CEOの何小鵬氏もコメントせざるを得なくなり、地元メディアにこう語った。
(IRONは)歩行を教わってるよちよち歩きの幼児のようでした
2026年1月31日に行われたこのデモは中止にならず、その後も続いた。倒れたIRONは、その後調整され、ステージに戻ってきたそう。
ただし歩行は抜きで、AI搭載のアピールか、子どもたちに雑学を披露したりクイズを出す姿が目撃された。
2日間の予定どおり、翌2月1日も開催されたが、その日もIRONは歩かず、フレームに固定されたまま。やはり会話のみのイベントになったもよう。
何小鵬氏は同日こうコメント。
(前に転んだIRONは)今はしっかり立ってます。次のステップは走ることと走り続けることです
二足歩行ロボットの直立保持の困難さ
バランスを崩して転倒したとされるIRONだが、二足歩行ロボットの直立保持(両足でブレずに立ち続けること)の難しさは今に始まったことではない。
各メーカーが苦労しており、米テック系メディアでは2025年12月にテスラの二足歩行ロボット、オプティマスが転倒した件なども引き合いに出されている。
そこで先手を取っているのが、中国メーカーUnitreeのG1だ。
このロボットの耐久性は研究者により高められ、ドロップキックなどの大きな衝撃にもよく耐え、直立を保つことができる。
一方で中国の大手証券会社GFセキュリティーズは、ロボット犬のような4つ足ロボットが、人間型のロボットより早く商業化されたことにふれ、このように述べている。
四足歩行のロボット犬は積載量も多く、バランス能力に優れている。そのうえ制御、設計・メンテナンスも容易です
サービス中心の商用が見込まれる次世代IRON
にしても、二足歩行ロボットがしばし直立のままいられないのはまずいのではなかろうか。まあ屋内で作業メインならいいかもだけど、万一倒れられても危ないし。
屋外用なら信号待ちの時間ぐらいは普通に立っていられるぐらいになってほしい。
ちなみにXPeng社公式によると、次世代IRONに期待できるのは、ガイドツアー、ショッピングガイド、交通誘導などのサービス中心の商用シナリオだそう。
今後このロボットがどうなるか。やたらに人間っぽい歩行とビジュアルが進化するのかも気になるし続報を楽しみに待つとしよう。
References: Futurism[https://futurism.com/robots-and-machines/xpeng-iron-robot-falls] / SCMP[https://www.scmp.com/tech/article/3342102/when-robot-topples-chinas-xpeng-deals-fallout-humanoids-public-plunge]











