どうしよう!?冷たい水から抜け出せない!アメリカ・コロラド州の小さな町で、極寒の最中に起きた、野生の羊の大ピンチからの救出劇がSNSで話題だ。
1月の寒い日のこと、凍った川で氷を踏み抜き、水に落ちた1頭の羊が見つかり、まもなく救助が始まった。
駆けつけた救助隊の目に飛び込んだのは、冷たい水に胸までつかり、震えながら体を支えるビッグホーンシープの姿だ。
後ろ脚は寒さでしびれ、前脚だけで滑る氷につかまってるのが精一杯。もはやギリギリで一刻の猶予もない。試行錯誤で行われた羊の救出作戦をお伝えしよう。
凍った川で水に落ちたビッグホーンシープを発見
2026年1月26日、川が凍ってしまうほど、厳しい寒さに見舞われたコロラド州ガニソン郡でのことだ。
郊外を流れるテイラーの氷上に、なにやら2本の角のようなものが突き出していた。通りかかった人々が目を凝らすと、なんと氷の穴から顔を出す雌のビッグホーンの姿があった。
冷たい水からなんとか出よう、と懸命にもがく様子に、動物好きな発見者たちはいても立ってもいられなくなり、付近のリゾートに連絡。
そこからコロラド州立公園野生生物局が通報を受け、野生生物管理者のコディ・プライアーさんとクレイトン・ボンデュラントさんの2人がトラックに飛び乗り、現場に急行した。
絶体絶命の雌羊を2人がかりで引き上げ
到着した2人は、ビッグホーンのもとに駆け付け、すぐに救助にかかった。
川を渡ろうとして氷を踏み抜き、水に落ちてしまったのだろう。ブルブルと震えながらも、溺れまいと前脚だけで必死に体を支えている。
いつからこうしていたのだろう。
初めのうちは、前脚をつかみ引っ張り上げようとしたが、とても無理だと判断。そこで長い救助用ストラップを前脚の間から胴体に巻き付けてゆき、2人がかりで全力で引き上げた。
それは、いつ割れるかもしれない氷上で、急に暴れる恐れもある野生動物を引き上げる作業。しかも相手はそれなりに重く、頑丈な角も持っている。
さぞかし肝が冷えたに違いないが作戦は成功!凍った川からどうにか彼女を引き上げた。
元気になって翌日はもとの群れへ
ようやく陸に上がったビッグホーンは、ストレスを和らげるフェイスカバーをつけられ、干し草をいっぱい敷いたトレーラーで暖かい場所へ運ばれた。
到着後もひどく冷え切った体が心配だったため、生物学者と野生生物管理者らが体温が戻るまで見守り続けた。
彼女は運がよかったようだ。幸いなことにケガはなく、体が温まるとすぐに元気を取り戻し、再び群れに戻る体力も十分にあることが分かった。
翌朝、彼女は群れがいる山のふもとまでトレーラーで送られ、扉が開くと、一瞬の迷いもなく、まっすぐに野生へと駆け出していった。
彼女はつららのように冷たかった
「引き上げたばかりの彼女は、つららのように冷たかった」とコロラド州立公園野生生物局の広報担当者ジョン・リビングストン氏は語る。
でも(その後は)とても健康そうになり、すぐにも群れに戻れるぐらいになりました。
こちらもホッとしましたよ。希望が見えた感じでした。
他のメンバーもとても喜んでいる。それは野生動物の救助は必ずしも良い終わりを迎えるとは限らないからだ。
救い出された動物たちが、再び自然で暮らせるところを見届けるのも、この仕事の醍醐味の一つです。彼女がたくさんの子羊に恵まれ、ロッキー山脈の名にちなんだビッグホーンの伝統に貢献することを願っています
発見者にも感謝!「救ってくれてありがとう」の声
救い出された野生動物の健康に心を配り、幸せを願うコロラド州立公園野生生物局は、この出来事をFacebookで報告。
最初に発見して教えてくれた親切な人々にも感謝を述べていた。
氷に閉じ込められたこのビッグホーンを報告してくださった皆様に深く感謝いたします。自然は残酷ですが、チームの素晴らしい救助のおかげで、このビッグホーンには人生の二度目のチャンスが与えられました
この顛末を知ったユーザーも大喜び。ビッグホーンのファンからも感謝の言葉が届いたりと、みんな心温まるニュースになった。
- 今どきのドローンやAI抜きで人が体を張って助けたことに感動した!素晴らしい仕事だ
- 彼女に二度目のチャンスを与えてくれてありがとう!
- 救ってくれてありがとう
- 関わったすべての人に心から感謝。動物への思いやりと気遣いがうかがえる救助でした。みんなありがとう
- 物語だけでなく写真も動画を共有してくれるなんて!彼女もこの人たちならきっと助けてくれる、って信頼したんだと思う
- ビッグホーンシープ大好きなんだ。
気を配ってくれてありがとう!代わりにお礼をいうよ- 羊が元気になったと聞いてとてもうれしいよ
北米最大の野生の羊 ロッキービッグホーン
ビッグホーン(Bighorn sheep:Ovis canadensis)はウシ科 ヤギ亜科 ヒツジ属 の偶蹄類。ビッグホーンの名の通り、立派な角が特徴。オオツノヒツジとも呼ばれる。
角は雌雄でやや異なり、雌のほうは細めで短め。雄の間では大きな角ほど優位とされる。
大型の雄羊は体重が約113km超、角だけでも約13kgに達する。蹄はバランスをとりやすく二つに別れており、蹄の底は粗く、起伏が多い地形でも移動しやすくなっている。
一般に夏は標高1,800から2,600メートルほどの高所で過ごし、冬は標高750から1,500メートルまで降りて過ごす。
中でも今回救い出されたロッキービッグホーン(学名: Ovis canadensis canadensis)は、主にロッキー山脈周辺に生息し、その特徴からロッキーマウンテンビッグホーンシープ(Rocky Mountain bighorn sheep)とも呼ばれる。
北米最大の野生の羊ともいわれ、雄の中には、体重300 ポンド(約136キロ)以上、体高45インチ(1メートル)を超える個体もみられる。雌は小柄で体重は130ポンド(約60キロ)前後。体色は濃茶色から灰褐色で、臀部、鼻先、後ろ足は白色。
ロッキービッグホーンの場合、雌の角はやはり細めで短く弧を描くように湾曲する。雄羊の角は太く大きく、顔付近でくっきりカールするのが特徴だ。
何はともあれ助かって本当に良かった。戻った雌のロッキービッグホーンの群れの間で「凍った川を渡るときは慎重に!」って教訓になってることを祈りたい。
References: Bighorn[https://bighorn.org/about-bighorns/#rockyz] / Wdfw.wa.gov[https://wdfw.wa.gov/species-habitats/species/ovis-canadensis#conservation]











