アメリカ・ラスベガスの空港で、犬が機内持ち込み手荷物のサイズ計測器にリードで繋がれ、置き去りにされた。
この犬は介助犬として飛行機に乗る予定だったが、飼い主女性がそのための手続きを済ませていなかったため、ルールに従い、犬の搭乗は認められなかった。
すると飼い主は犬を置き去りにして搭乗ゲートに向かったところ、警察に身柄を拘束された。
犬はいったん保護されたが、飼い主は保釈された後も引き取りに現れなかった。
なんとも悲しい出来事だが、思わぬところから犬にとっての幸運がやってきた。
まっさきに犬の元に駆け付けた警察官が、家族として迎え入れることとなったのだ。
空港のカウンターに置き去りにされた犬
2026年2月2日(月)の23時40分頃、ラスベガス・ハリー・リード国際空港のターミナル3にある、ジェットブルー航空のチェックインカウンターでそれは起きた。
航空会社のスタッフによると、犬は介助犬として飼い主女性といっしょに搭乗する予定だったという。
だが、女性が介助犬を同伴するための手続きをしていなかっため、彼女と犬は搭乗を拒否された。
すると女性は犬のリードを計測器にくくりつけ、そのまま置き去りにして搭乗ゲートに向かったという。
スタッフはすぐに警察に通報し、警察官のスキーター・ブラック巡査らが駆け付けて、Dゲート付近で女性の身柄を拘束した。
その一部始終を写したブラック巡査のボディカムと、チェックインカウンターの防犯カメラの映像が公開されている。
警官:犬を置いてきたところまで一緒に戻ってください。違反の処理を行います。あなたはチケットカウンターに犬を置き去りにしたんですよ
女性:私はフライトを取り直そうとしただけです
警官:フライトを取り直すためにゲートに来たんですか?
女性:そうです。だってカウンターでそう言われたから…
警官:犬をあそこに残したまま? 犬を置いて来たということですね?
女性は搭乗を断られた時、スタッフに対して「動物管理局に電話して!私はフライトを逃さない!」と主張したそうだ。
さらに警官に対しては「犬には追跡装置がついている」と話し、「置き去りにしても居場所はわかる」とでも言いたげだったと言う。
飼い主の女性は犬を迎えに来なかった
女性の名前はジャーミラン・ブライソン(26)で、この後身柄を拘束され、動物遺棄と公務執行妨害の疑いで起訴された。
犬は空港職員と警察官がしばらく面倒を見た後で、保護団体のレトリバー・レスキュー(Retriever Rescue of Las Vegas)[https://www.retrieverrescuelv.com/]にいったん保護されることとなった。
団体の創設者ダニエル・ロス氏によると、飼い主の女性は保護されてから10日以内なら犬を引き取る権利があったものの、結局名乗り出ることはなかったという。
そのため犬は里親に預けられ、引き取り手を探すこととなった。犬には保護された場所にちなんで、「ジェットブルー」という名前が付けられた。
ジェット・ブルーは約2歳のゴールデンドゥードルとミニ・プードルのミックスのオスだ。
SNSを通じて事情が知れ渡ると、引き取りを申し出る声が殺到したという。
ロス氏のもとには世界中から1万件を超えるメールと、2,700件を超える譲渡申請が寄せられたそうだ。
事件当時対応にあたった警察官が引き取ることに
しかし、ジェット・ブルーの譲渡先候補者リストのトップには、既に空港でこの通報に対応したブラック巡査の名前があった。
実はブラック巡査は、2025年9月からレトリバー・レスキューを通じて、ゴールデンドゥードルの譲渡を希望していたのだそうだ。
事前に行われた譲渡診査は既に通過しており、今はマッチする犬との出会いを待つばかりの状況だったという。
ロス氏はブラック巡査とジェットブルーとの運命的な出会いと、2人の間の強いきずなを見て、「彼の居場所はここしかない」と思ったそうだ。
ブラック巡査とその家族は、特別な譲渡イベントの場で、正式にジェット・ブルーを迎え入れた。
巡査は彼を家族として迎えることを心から喜んでおり、深い愛情を注ぐことを約束したという。
結果的にこれで良かった!という声も
このニュースを目にした世界中の人たちから、ジェット・ブルーへの祝福のメッセージと、女性を批判するコメントが寄せられていた。
- 道端に置き去りにされなかっただけでもよかったよ。幸せな結末で本当に安心した
- この女性がターミナルで犬を手放したことは、結果的によかったと思う。だってもっと良い飼い主に出会えたんだから
- ペットは一時的な存在じゃない。結果がどうであれ、生涯を共にする存在だ。家族ができて本当によかったよ
- ジェット・ブルーは、ただ愛されたいだけなんだって伝わってくる。本当に愛らしくて、感謝しているように見えるんだ
- 困っている存在を助けるために天使が現れる瞬間ってあるよね。運命的な出来事だと思う。この警察官は、きっと素晴らしい飼い主になるよ
- もし、すべての動物がジェット・ブルーみたいに多くの人の関心を集められたら、保護施設の多くは必要なくなるはず。彼はもう二度と、住む場所に困ることのない幸運なわんこだよ
- この犬はとても賢い犬種だ。見た目は幸せそうでも、きっと相当混乱しているはず。
置き去りにした女性の名前を公表すべきだと思う。動物を捨てたり傷つけたりする人の名前を出せば、抑止力になるかもしれない- あの顔を見て。どうしてあの戸惑っている顔の子を置いて立ち去れるの? 彼が自分の居場所を選んだんだと思うと、救われるけど
- この犬が、もうあの女性と一緒じゃないと思うと本当に安心する。人目のある場所であれができたなら、家の中ではどう扱われていたのか想像してしまう
- 物事には理由があると言うけど、あの女性が必要な書類を用意せずに犬を空港に残したからこそ、いまこの子は本当に愛してくれる人たちに迎えられた。それだけはよかった
- 新しい家族との新しい人生が始まるのは素晴らしい。でも2年間一緒にいた相手が、元の飼い主だという事実はそこにある。何をされたかは別として、彼はきっと最後までその人のことを忘れないと思う
- この人は『ペット飼育禁止リスト』に載せるべきだと思う。でも、動物を捨てる方法の中では、空港はまだ一番マシな場所だったよ。消防署に赤ちゃんを託すのと似ているかも
- 飼い主が立ち去るのを見つめる表情に、胸が張り裂けそうになった。でも今、彼はこれまでで一番幸せな犬生を送ってるはず。本当にありがとう
ほかの保護犬たちにも是非目を向けてほしい
ジェット・ブルーの物語は、リトリーバー・レスキューへの追加支援も呼び込んだ。ジェットブルー航空は同団体に6000ドル(約937,000円)を寄付。
LVMPDもこの出来事を祝福し、次のように述べている。
この状況全体を通じて、私たちの地域社会から寄せられた支援は圧倒的なものでした。
彼が受けるべきケアと思いやりを、確実に届けるために力を尽くしてくださったすべての方々に、心から感謝しています。
良い旅を、ジェット・ブルー。スキータ―・ブラック巡査とその家族に、言葉では言い尽くせないほど愛される新しい犬生へようこそ
だがレトリバー・レスキューでは、1匹の犬だけが注目を集め、ほかの保護犬たちには手が差し伸べられない状況を少し憂いてもいる。
同団体はSNSで、次のようなメッセージを送っている。
ジェット・ブルーは1匹しかいませんが、彼と同じように素晴らしく、第二のチャンスを待っている犬たちが他にもたくさんいます。
もし彼の物語に心を動かされたなら、ぜひその子たちのことも考えてみてください











