アメリカ・フロリダ州で夜明け前の空に、虹色に輝く巨大な「宇宙クラゲ」が出現し、住民たちを驚かせた。
2026年3月4日に目撃された、この幻想的だが、少し恐ろしくもある光景の正体は、スペースX社が打ち上げたファルコン9ロケットの排気煙だ。
この現象は、地上は暗いが高度の高い位置にある煙にだけ太陽光が反射することで発生するという。
スペースXのロケットが作り出した空に浮かぶ宇宙クラゲ
2026年3月4日の午前6時前、フロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍基地からスペースX社のファルコン9ロケットが打ち上げられた。
このロケットは衛星インターネットサービス用のスターリン衛星を軌道へ運ぶためのもので、打ち上げ直後に空に巨大なクラゲのような形をした光る雲が現れた。
この現象は一般的に宇宙クラゲやクラゲ雲というニックネームで呼ばれているが、気象学や天文学における正式な用語ではない。
ウェザー・チャンネルの解説[https://weather.com/science/weather-explainers/news/jellyfish-clouds-cumulus-altocumulus-cirrostratus]によると、観測者がいる地上付近はまだ暗い夜明け前や夕暮れ時に、高度の高い場所にある排気煙にだけ太陽光が当たることで、暗い空に虹色の光が浮かび上がるという。
幻想的だが不気味な光景に住民から驚きの声
今回の現象はフロリダ州全域だけでなく、隣接するジョージア州南部からも目撃された。
突然空に現れた幻想的だが少し恐ろしくもある光景に対し、目撃者から驚きの声が上がった。
地元放送局のWTXL[https://www.wtxl.com/northwest-tallahassee/is-that-real-tallahassee-residents-react-to-wednesday-morning-jellyfish-cloud]がタラハシーの住民に取材したところ、ニャグア・トゥト氏は、何かが動いた後に筋のような跡が残る様子を見て、地球に未知の生命体がやってきたのでは?と疑うほど衝撃を受けたと語っている。
フロリダではロケットの打ち上げ自体は珍しくないが、今回のような鮮やかな発光を伴うケースは稀である。
そのため、住民の中には、「いったい何がおきているんだ?」、「終わりの始まりか?」と困惑する声も上がった。
一方、スペースX社がSNSでこの現象を撮影した写真を共有すると、「映画のワンシーンのようだ」、「空に描かれた芸術だ」といった反応があがった。
なぜクラゲのように見えるのか?科学的なメカニズム
この現象がクラゲのような形に見えるのは、ロケットが高度を上げるにつれて周囲の気圧が下がり、エンジンから噴射された排気煙が急速に膨張するためだ。
広がった排気煙の柱が光を捉えて反射することで、無脊椎動物のクラゲに似た姿に見える。
人間には、意味を持たない視覚刺激の中に、見知った形を見出す「パレイドリア(Pareidolia)」現象が脳の特性として備わっているが、これがよく知っているクラゲに見えるのだろう。
同様の現象は2022年5月にもフロリダ州のケネディ宇宙センターからの打ち上げ時に観測されている。
写真家のカイル・モーガン氏は当時の様子を撮影し、瞬時に素晴らしい写真になると確信したと振り返っている。
天体写真家のジョン・クラウス氏によると、排気煙が光を反射するためには太陽との角度や打ち上げのタイミングが完璧に一致する必要があり、いつでも見られる現象ではないそうだ。
今後も予定されているロケット打ち上げと稀少な目撃機会
フロリダ州の東海岸はスペースコーストと呼ばれ、2025年には年間109回のロケット打ち上げが行われるなど、世界で最も活発な打ち上げ拠点となっている。
2026年3月4日のミッションは今年16回目の打ち上げであり、29基のスターリンク衛星が地球に近い低軌道へ届けられた。
スペースX社は2026年3月9日にも、エコースター25(Echostar XXV)という放送衛星を静止軌道へ運ぶための打ち上げを予定している。
宇宙クラゲは夜明け前や日没直後の打ち上げでしか見ることができないため、次回の打ち上げでも同様の条件が揃えば、再びフロリダの空にクラゲが浮かび上がる可能性があるかもしれない。
References: Tallahassee[https://www.tallahassee.com/story/news/local/2026/03/04/tallahassee-florida-residents-marvel-at-spacex-jellyfish-rocket-launch-photos-cloud/88978775007/]











