国境?なにそれ知らんがや。とばかりに、カナダとアメリカの国境を、パスポートなしで毎日自由に行き来する1匹の猫がいる。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州サレーに住む猫の「ルイ・ヴィトン」は自宅の目の前を通る国境をまたぐ道路を横断し、アメリカ側で狩った獲物をカナダへ持ち帰る「密輸」を繰り返している。
厳重に監視されている国境線も、猫にとってはフリーパス。境界線に縛られない自由な振る舞いに世界中から注目を集めている。
ノーパスポートで国境を自由に行き来する猫
カナダ・ブリティッシュコロンビア州サレーには、「ゼロ・アベニュー」という道路がある。この道は、北側がカナダ、南側の側溝(そっこう)がアメリカとの境界線という、まさに国境の上に走る道だ。
この特殊な場所の近くに住む飼い猫のルイ・ヴィトン(オス)は、人間がパスポートを提示して厳しい審査を受ける国境を、毎日飛び越えていく。
ルイはパスポートなどもっていない。
「オレに超えられない壁などない」と言わんばかりの奔放さは、まさに自由の象徴的存在だ。
飼い主のデブ・テイトさんによると、ルイは非常に人懐っこい性格で、相手がどこの国の人であってもお構いなしに近づき、お腹を撫でてもらうのが大好きだという。
道路一本が国境線。日本とは異なる「陸続き」の日常
島国である日本に住む私たちにとって、国境とは海を隔てた遠い場所を想像しがちだ。しかし、このゼロ・アベニューにはフェンスも壁も存在しない。
あるのは「境界線」として機能しているアスファルトの道と、不法入国を監視する数多くのカメラ、そしてパトロール中の国境警備隊だけだ。
この地域の多くの猫がそうであるように、ルイも外と家の中を自由に行き来できる飼われ方をしている。
さらにルイは、国をまたいで自由に行き来する。最新鋭の監視システムも、彼にとっては無意味なようだ。
ルイにとって、カナダ側の自宅から道路を渡り、反対側の「ピース・アーチ歴史州立公園」というアメリカの公園へ行くのが、日常の散歩ルートだ。
国境警備隊も、この小さな「不法入国者」には手出しができないようで、ルイは余裕の表情で両国を闊歩している。
アメリカで狩った獲物をカナダへ持ち帰る「密輸」のプロ
ルイの活動は、国境越えだけではない。
アメリカ側の公園で狩りを行い、仕留めたネズミやヘビ、リスといった獲物をカナダの自宅までわざわざ持ち帰るのだ。
飼い主のテイトさんは、玄関に置かれたこれらの「お土産」を見て、彼がまた国境を越えて密輸を行ってきたことを知る。
ルイはもともと保護猫で、テイトさんが家族として迎え入れたのだが、今ではその名の通り「高級ブランド」のような気品と大胆さを備えた猫として、一躍地域の有名猫になった。
SNSでも注目を集め[https://www.instagram.com/pnwdaily360/]、世界中の人々が、人間が作り出した境界線を軽々と無視して生きる彼の姿に、自由の尊さを感じている。











