71歳のマナティー、世界最高齢のギネス記録に認定(フロリダ州)
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 アメリカ・フロリダ州で暮らすマナティー「ロミオ」が、これまで記録された中で最高齢であることが、2026年1月27日付でギネス世界記録によって確認された。

 ロミオは最低でも71歳以上と推測され、これまで飼育下のマナティーの世界最高齢記録であった69歳を2歳上回ることになった。

 パートナーのジュリエットとの間に、9頭の子供をもうけたお父さんでもあるロミオ。シェイクスピアのあのロミオとは違い、穏やかな余生を過ごしているという。

「世界最高齢」のマナティーがギネス世界記録に認定

 ロミオが現在暮らしているのは、フロリダ州オカルーサ島にあるガルファリウム・マリーン・アドベンチャー・パーク[https://gulfarium.com/]である。

 ロミオは野生下で生まれたため、正確な生年月日はわかっていない。だが、1957年にマイアミ近郊で発見された際、すでにほぼ成体だったと記録されている。

 つまりこの時点でおそらく2~5歳だったと考えられており、2026年現在では少なくとも71歳、おそらくは70代半ばに達している可能性もあるとみられている。

ロミオは、これまでに知られている中で最も高齢のマナティーです。とても長いあいだ生きているマナティーがいるかもしれないという話があり、私たちはこの個体が実際に71歳を超えていることを示す資料を提出しました

 ガルファリウム・マリン・アドベンチャー・パークの社長兼CEOであるパトリック・ベリー氏は、今回のギネス世界記録についてこのように語っている。

今朝も来園者が写真を撮っていて、お母さんが「ああ、この子はギネス世界記録に載っているのよ」と話すと、子供が「すごいね」と驚いていました。

来園者にとって、ここでのこうした体験を通じてマナティーのことを知り、学べるのは素晴らしいことです

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ジュリエットと一緒にマイアミからタンパへ

 ロミオは1957年以来、マイアミ・シークアリウムという水族館で暮らしていた。ロミオはここで、他の個体とは離れたコンクリート槽で単独飼育されていたという。

 この状況が広く知られるようになると、海洋哺乳類の虐待に反対する保護団体UrgentSeasが、「フリー・ロミオ(ロミオを自由に!)」を謳った活動を展開。

 ロミオの移送と環境改善を求める声が広がって、水族館や海の生き物によるショーのあり方をめぐる議論の中で、注目を集める存在となっていた。

 これを受けて、2023年12月5日、アメリカ魚類野生生物局の管理のもと、ロミオ、ジュリエット、クラリティの3頭のマナティーが、別の施設に移されることになった。

 ロミオとジュリエットはロウリーパーク動物園に、クラリティはシーワールド・オーランドにお引越し。どちらもマナティーの保護とリハビリを担う施設である。

 下はロウリーパーク動物園に移送された直後のロミオとジュリエットの様子。

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9頭の子供に恵まれるもジュリエットに先立たれる

 この時点でロミオとジュリエットはいずれも65歳を超えており、1950年代後半からいっしょに暮らしてきた「伴侶」だった。2頭の間には、9頭の子が生まれている。

 そのうち最初の子供であるローレライは、人間の管理下で受胎し、誕生した初のマナティーだと考えられている。

 つまりロミオは、単なる長寿個体ではなく、飼育下でのマナティー繁殖の歴史においても重要な位置を占める存在なのだ。

 長く同じ場所で過ごしてきた2頭だったが、翌年の2024年4月21日、ジュリエットはタンパ動物園で死亡している。

 長年の伴侶に先立たれたロミオは、2025年6月、最終的に今の住まいであるガルファリウム・マリーン・アドベンチャー・パークに移送された。

 現在は同施設のマナティー専用区画である「マナティー・コーヴ」で、リル・ジョーとイニーゴという2頭のマナティーとともに暮らしている。

ロミオは本当に唯一無二の存在です。このように特別な動物の世話をし、その物語を来園者と共有できることを、私たちはとても誇りに思います

 ベリー氏は、ロミオは穏やかでおっとりした性格の持ち主だと説明する。ロメインレタスが大好物で、毎日何十玉も食べているんだそうだ。

とても温和で、動きもゆっくりしていて、何事にも落ち着いて対応します。現在一緒に暮らしているイニーゴやリル・ジョーとも、うまくやっています

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意外と長生き?以前の記録保持者は69歳だった

 マナティーには少なくとも3つの種が存在する。アマゾンマナティー(Trichechus inunguis)、アフリカマナティー(Trichechus senegalensis)、そしてアメリカマナティー(Trichechus manatus)である。

 ロミオはアメリカマナティーで、この種はフロリダからメキシコ、キューバ、ジャマイカ、そしてブラジルまでの淡水・海水域に生息している。

 マナティーは人魚伝説の元となったとも言われる生き物で、体長は最大で4m近くにもなる。その穏やかな性格から、「優しい巨人」と呼ばれることも。

 60歳以上まで生きる個体も珍しくないというが、野生での寿命は通常30~40年程度とされている。

 彼らの寿命を野生下で縮めている要因として、人間による生息地の破壊や汚染といった環境問題が挙げられる。

 さらにアメリカ南東部の河川や海岸沿いでは、海藻・海草が繁茂する彼らの餌場で、航行する船舶とぶつかってしまう脅威にも直面しているのだそうだ。

 ロミオ以前に、GWRによって認定された最高齢のマナティーは、1948年7月21日生まれの「スヌーティー」と呼ばれるオスだった。

 スヌーティーはフロリダ州ブラデントンのサウスフロリダ博物館(現・ビショップ科学自然博物館)で暮らしていたが、2017年7月23日、69歳と2日で亡くなった。

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マナティーの保護・保全に取り組むきっかけに

 ガルファリウム・マリーン・アドベンチャー・パークは、フロリダ州の野生マナティーの保護と個体数増加に取り組む「マナティー救助・リハビリテーションパートナーシップ(MRP)」のメンバーである。

 ベリー氏はマナティーの保護活動が、ここ数十年でどのように改善されてきたかについてこう語っている。

動物を保護するための州や地方の条例、あるいはマナティーの救助とリハビリテーションを支援するMRPなどのさまざまな団体による優れた保護活動など、大きな進歩が遂げられてきました

 一度保護されたマナティーは、野生に戻された後1年間はタグで追跡調査される。何事もなければ成功だが、中には何度も保護される個体もいるという。

 そういった個体は野生に帰すことができなくなり、ロミオのように、人間が彼らについて学ぶための、親善大使の役割を果たすこともあるという。

 また、米国魚類野生生物局(USFWS)で、フロリダマナティー回復プログラムの責任者を務めるテリー・カレソン氏は、次のように話している。

マナティーの保護活動に携わってきた私たちの多くは、ロミオに常に感銘を受けてきました。

飼育下での生活を通じて、彼は私たちにマナティーについて多くのことを教えてくれました。

繁殖や寿命、そして飼育方法に関する私たちの知識の多くは、彼のおかげ得られたものです

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 ガルファリウム側は、この記録がロミオの長寿だけでなく、マナティーが直面している課題にも光を当てるものだとしている。

 そしてフロリダに生息しているマナティーへの人々の意識を高め、資金援助を募り、彼らの保護を促進するために、ロミオの物語を共有していきたいという。

私たちは彼の世話ができることを誇りに思い、また光栄に感じています。世界最高齢の個体だからというだけでなく、マナティーという動物そのものの世話を任されていることを、私たちは非常に重く受け止めています。

ロミオは長年にわたり多くの人々に感動を与え、海洋保護活動の大きなインスピレーションとなってきました。

ガルファリウムで彼と共に、彼の種のためにその遺産を受け継いでいけることは、私たちにとって大きな喜びなのです

References: Senior sea cow Romeo crowned the oldest manatee ever at Florida marine park[https://www.guinnessworldrecords.com/news/2026/2/senior-sea-cow-romeo-crowned-the-oldest-manatee-ever-at-florida-marine-park]

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