アメリカ、テキサス中部の浸水した洞窟で、約13万年前の巨大生物の化石が大量に発見された。
テキサス大学の研究チームがシュノーケリングによる潜水調査を行った結果、体重200kgを超える巨大なアルマジロの親戚やマストドン、巨大リクガメの骨が次々と見つかったのだ。
これらは寒冷な草原だと思われていた当時のテキサスが、実は温暖な森に包まれていた事実を証明する客観的な証拠となった。
この研究成果は『Quaternary Research[https://www.cambridge.org/core/journals/quaternary-research/article/novel-occurrences-of-late-pleistocene-megafauna-from-benders-cave-on-the-edwards-plateau-of-texas-may-include-evidence-of-the-last-interglacial/106A1C31913E20766E70828440C464A9]』(2026年3月19日付)に掲載された。
浸水した洞窟から先史時代の化石を次々と回収
テキサス大学オースティン校の古生物学者、ジョン・モレッティ博士ら研究チームは、テキサス州コマル郡の私有地にある「ベンダーズ洞窟」を調査した。
この洞窟は底に地下水が流れる通路になっており、数千年前の洪水によって地上の動物の骨が陥没穴から次々と吸い込まれた場所である。
研究チームが発表したこの成果は、これまで空白だった最終間氷期の生態系を明らかにしている。
モレッティ博士は、水深わずか1mほどの浸水した地下水路をシュノーケルとゴーグルをつけて這い進み、川底から骨を拾い集めた。
岩を掘り起こす必要がないほど露出した状態で、床一面が骨で埋め尽くされているエリアもあった。
2023年から2024年にかけて計6回の調査が行われ、洞窟内の21の区域から数十個の化石が回収された。
巨大アルマジロやマストドンなど、次々と生物を特定
発 見された化石には、体重180kgから270kgに達するアルマジロの親戚「パンパテリウム(Pampathere)」や、甲羅の長さが1mを超え、現生のゾウガメに匹敵する巨体を持つリクガメ「ヘスペロテストゥド(Hesperotestudo)」が含まれていた。
さらに、巨大な爪が特徴的な地上性のナマケモノ、メガロニクス(Megalonyx)の一種や、サーベルタイガー、古代のラクダ、マストドンの骨も確認された。
これらの動物は、温暖な気温や森林地帯を好む性質がある。特に巨大リクガメやパンパテリウムは寒さに弱いため、これらが同じ場所で見つかったことは、当時の環境が生存に適した暖かさであったことを示している。
約13万年前のテキサス中部は温暖な森林だった
モレッティ博士が化石の構成を統計的に分析したところ、ベンダーズ洞窟の動物群は、ダラス近郊や湾岸地域で見つかっている「最終間氷期」の化石と一致した。
最終間氷期とは、約13万年前から11万5000年前まで続いた、氷河時代の中で一時的に温暖になった時期のことである。
洞窟の底を流れる地下水路に堆積していた骨は、当時の気候や動植物の分布がこれまでの定説とは大きく異なっていたことを論理的に裏付けている。
これまでの定説では、当時のテキサス中部は寒く乾燥した草原だったと考えられていた。
しかし、森林を好むナマケモノと温暖な地に住むリクガメが共存していた事実は、当時のこの地域が現在よりも暖かく、豊かな森に覆われていたことを証明している。
土地所有者と科学者の協力がテキサスの自然科学を支える
今回の発見は、科学者と地元の洞窟探検家であるジョン・ヤング氏、そして洞窟がある土地の所有者の協力によって実現した。
テキサス州にある洞窟の多くは私有地の中にあり、所有者の理解なしには学術調査を行うことはできない。
モレッティ博士は、大学の研究者だけでなく、土地所有者とのパートナーシップがテキサスで行われる多くの自然科学を可能にしていると述べている。
References: New Ice Age Animals and Slice of Earth History Found in Central Texas Water Cave[https://www.jsg.utexas.edu/news/2026/03/new-ice-age-animals-and-slice-of-earth-history-found-in-central-texas-water-cave/] / New ice age animals and slice of earth history found in central Texas water cav[https://www.eurekalert.org/news-releases/1121415] / Novel occurrences of Late Pleistocene megafauna from Bender’s Cave on the Edwards Plateau of Texas may include evidence of the last interglacial[https://www.cambridge.org/core/journals/quaternary-research/article/novel-occurrences-of-late-pleistocene-megafauna-from-benders-cave-on-the-edwards-plateau-of-texas-may-include-evidence-of-the-last-interglacial/106A1C31913E20766E70828440C464A9]











