~若者たちの手作りロボットが伝えるサステナブル~

2025年8月13日
EXPO2025 News Vol.11
大阪・関西万博メディアセンター

島国「セントクリストファー・ネービス」が描く未来とは?

~若者たちの手作りロボットが伝えるサステナブル~

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508133531-O5-7h0g583c

展示ブースのロボット製作チームの一人ヤニール・スタージさん

 

 カリブ海東部に位置するセントクリストファー・ネービス(The Federation of St. Christopher and Nevis)は、セントクリストファー島とネービス島の二つの島からなる国です。1983年にイギリスから独立。
人口は約5万3,000人で、その多くをアフリカ系住民が占めており、植民地時代に培われた歴史や文化は、今もなお人々の暮らしに色濃く根付いています。また、小さな島国であるがゆえのさまざまな課題に対し、「持続可能な島国(Sustainable Island State)」の実現を国家ビジョンに掲げ、持続可能性を軸にした発展を進めているといいます。

 パビリオンでは、こうした取り組みが具体的な形で示されています。例えば、地元大学生たちが制作したバーチャルリアリティー(VR)体験や、植物由来素材を活用したロボット技術の展示です。これらは、持続可能性と先端技術の融合を象徴するもので、万博が掲げる「SDGsのゴールへの貢献」に呼応する、小さな島国ならではの実践と挑戦として紹介されています。

 

■パビリオン紹介

 「コモンズA」館にあるセントクリストファー・ネービスパビリオンでは、「持続可能な島国の構想」をテーマに環境への配慮や次世代の育成に根ざした展示が展開されています。

 注目は、現地の大学生たちが手がけた技術展示。3Dプリンターで作った「ヒューマノイド」や、自動で押印できるスタンプマシン、さらに撮影や編集、操作画面の設計・開発まで学生らが携わった「VR体験」などが並びます。

 「ヒューマノイド」に使用されている素材は、サトウキビやトウモロコシなどを原料とした植物由来の生分解性プラスチック素材「PLA(Polylactic Acid)樹脂」。身近な工学技術と持続可能性をつなぐ試みです。     

 

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 VR体験では、世界遺産「ブリムストーン・ヒル要塞国立公園」や人気ビーチ「ティモシービーチ」、ネービス島の温泉などといったスポットを360度映像で紹介。観光業が主要産業として発展する中、島国の自然や文化の魅力を国内外に発信し、観光振興の一翼を担っています。


 これらの展示を開発したのは、セントクリストファー・ネービス・ロボティクス協会(※2)に所属する大学生たち。その一人、18歳のヤニール・スタージ(Yhaneal Sturge)さんは、パビリオンスタッフとして来場者に自国の魅力を伝えています。「多くの人がこの国を知らない中で、自分たちに何ができるかを考えた」と話すヤニールさんは、万博を通じて各国の文化や技術に触れ、自らも日本語を学びながら来場客と交流を深めています。

 

■8月20日(水)「セントクリストファー・ネービス」 ナショナルデー

 ナショナルデーでは、セントクリストファー・ネービスの自由と誇りを象徴する文化イベントが繰り広げられます。パフォーマーは総勢10人。ドラム缶から生まれた「スティールパン」の奏者、アフリカの打楽器「ジャンベ」の奏者、そして、カリブ海の魂を歌い上げる2人のボーカリストらが登場します。この2人のボーカリストたちは、社会を風刺するカリプソ、活気に満ちたリズムとメロディーのソカ、そして日本でもおなじみのレゲエまで、カリブ海の多様な音楽ジャンルを歌いこなします。彼らの歌声に乗り、スティールパンとジャンベが織りなすリズムが会場を一体感で包み込みます。

 今回の出演者は、近年同国が新設した“クリエイティブ産業振興”を担う政府機関に登録された数百人の中から選ばれた精鋭たち。歌手、ドラマー、ダンサー、作曲家など、多彩な表現者によるパフォーマンスは、先祖から受け継いだ精神や美意識を世界に伝える大切な手段でもあります。

 

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セントクリストファー・ネービス

テーマ:持続可能な島国の構想

首都:バセテール

面積:260k㎡

人口:5万3,000人

言語:英語

※「2025年日本国際博覧会 大阪・関西万博公式 ガイドブック(第二刷)」より

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(※1) 在トリニダード・トバゴ日本国大使館「セントクリストファー・ネービス概況」

  https://www.tt.emb-japan.go.jp/files/100419394.pdf

(※2) 若者にロボティクスとSTEM(科学、技術、工学、数学)教育を推進することに特化した組織。

  https://www.sknra.org

 

 

8月27日(水)以降開催 主な催事会場でのイベント情報(一部)

開催日時、内容は告知なく変更する場合がございます。
最新情報はこちらから、イベント名を入力してご確認ください。

https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events

 

■ナショナルデー・スペシャルデー

 

「大阪・関西万博」の会期中、ほぼ毎日繰り広げられる「ナショナルデー・スペシャルデー」。

国ごとにテーマを定め、公式式典や多彩な文化プログラム、パレードなどが開催されています。

8月27日(水) 国際科学技術センター(ISTC)

8月28日(木) 東ティモール民主共和国

8月29日(金) ベナン共和国

8月30日(土) セントルシア

 

■パフォーマンス

 

「≪石川の日≫いしかわの祭り~未来へつなぐ伝統と能登復興の響き~」

 

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日時:8月27日(水)10時30分~17時30分(10時開場)

場所:フューチャーライフゾーン EXPO アリーナ「Matsuri」

内容:

石川県を代表する祭りが一堂に集結し、“祭り”のステージを展開します。「飯田燈籠山(とろやま)祭り」「あばれ祭」など、加賀・能登を象徴する祭りが集結し、迫真の演舞を披露するほか、県内全19市町ブースや出張輪島朝市、災害復興展示ブースほか、令和6年能登半島地震からの復興に向けた取り組みについても広く紹介し、多くの支援に感謝の想いを伝えます。

URL https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/aa2f17b0-03d8-4018-a565-9330cd322ef3

https://expo2025-ishikawa.jp/

 

■展示

 

「デジタルライフラインによるSociety5.0の実現」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508133531-O11-7W7o38Hq

 

日時:8月27日(水)~8月30日(土)終日開催

場所:西ゲートゾーン EXPO メッセ「WASSE」

内容:

経済産業省は人手不足や災害激甚化、脱炭素への対応といった社会課題を解決しながら、イノベーションを起こして経済成長を実現するため、企業や業界、国境を跨ぐ横断的なデータ共有やシステム連携の仕組みの構築を推進。サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合したSociety5.0の社会を体感できるよう、ドローン、自動運転、インフラ管理のデジタル化、スマートビルに関する取り組みなどの体験型展示を実施します。

URL https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/e7042f5b-484d-4562-bb2b-95ec377b2651

 

 

「サーキュラーエコノミーの実現へ:東海道新幹線再生アルミの挑戦」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508133531-O12-xT7yDpqe

 

日時:8月29日(金)~8月31日(日)10時~21時

場所:フューチャーライフヴィレッジ・「TEAM EXPOパビリオン」

内容:

「TEAM EXPO『共創チャレンジ』」から生まれた取り組み。東海旅客鉄道株式会社のほか、関係各社が、東海道新幹線の廃車車両から生まれた再生アルミに、新たな使命を吹き込む活動の展示紹介を通じて、環境優位性や将来性などを体感いただきます。新幹線再生アルミの活用事例やアルミ素材の特性を体験できるブースではVR(バーチャルリアリティ)を用いたアルミ工場見学体験なども予定されています。その他、新幹線再生アルミの活用事例やアルミ素材の特性を体験できるブース、サーキュラーエコノミーやSDGsについて実例を交えて学べるブースなどが予定されています。

URL https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/C10364

 

 
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