【報道関係各位】
2026年6月10日
一般財団法人 日本気象協会
学校法人早稲田大学
気象現象の時間変化や移動傾向を一枚の静止画上で表現する 情報処理技術の実証実験を開始 ~台風の予報円や線状降水帯予測を対象に、視認性・理解度を検証~
一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:渡邊 一洋、以下「日本気象協会」)と
学校法人早稲田大学(所在:東京都新宿区、理事長:田中 愛治、以下「早稲田大学」)は、早稲田大学 理工学術院の手塚 亜聖(てづか あせい)准教授が開発した「気象現象の時間変化や移動傾向を一枚の静止画上で表現する情報処理技術」(以下「本情報処理技術」)を活用し、気象情報をより分かりやすく伝えることを目的とした実証実験を2026年6月15日(月)より開始します。
本実証実験では、台風の予報円および線状降水帯の予測を主な対象として、時刻ごとの位置や範囲の違い、停滞・移動・発達などの傾向を、一枚の静止画上で直感的に把握できる表示方法の有効性を検証します。
■背景
気象情報を伝達するうえでは、時刻ごとの変化と、現象の空間的な移動・停滞の傾向を、限られた紙面や画面上でいかに分かりやすく表現できるかが重要な課題となっています。例えば、台風が停滞するような局面では、複数時刻の予報円が重なり合い、それぞれがどの時刻を示すのか判別しにくくなる場合があります。また、線状降水帯の予測情報は、時刻ごとに複数枚の図で表現されることが多く、一枚の静止画で発生・移動・停滞の傾向を伝えることが難しいという課題もあります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606090597-O1-o8RW9OcW】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606090597-O2-6Ma42ngx】
図1:台風の予報円の事例(左)、線状降水帯の予測の事例(右)
■実証実験の概要
本情報処理技術は、気象現象の履歴や移動傾向を、静止画上に重ねて一括で可視化する技術です。時間の経過に伴う変化を色で、現象の強度を線の太さで示す表現などを用いることで、危険な気象現象の移動・停滞・発達の傾向を、利用者が短時間で直感的に把握しやすい表示を目指します。
本実証実験では、台風の予報円および線状降水帯の予測情報を題材に、以下の観点から、気象情報の見やすさと分かりやすさを検証します。
・時刻ごとの位置や範囲の違いを、直感的に把握できるか
・停滞・移動・発達などの傾向を、分かりやすく伝えられるか
・「tenki.jp」※1利用者や、報道・解説用途に適した表現となっているか
・SNSや記事上で視認性や理解度の向上が見込めるか
※1日本気象協会が発表する気象情報を、Webサイト/スマートフォンアプリで提供している天気予報専門メディア
■雷雲の移動履歴表示への応用可能性
本情報処理技術は、台風の予報円や線状降水帯予測にとどまらず、雷雲の移動履歴を新たに表示する技術にも適用できる可能性があります。時間の経過に伴う雷雲の発生位置、移動方向、強弱の変化を、一枚の静止画上に重ねて示すことで、雷雲の移動履歴や今後の移動傾向を、より直感的に把握しやすくする表現への応用が期待されます。
【表】
■今後の展開
今後、日本気象協会と早稲田大学は、本情報処理技術を用いた表示方法について、配色、凡例、時刻表現、視認性などの観点から検討を進めていきます。2026年の出水期(6月~9月)には、tenki.jpにおける気象予報士の解説記事などで、台風情報や線状降水帯の予測を取り上げる際に、本情報処理技術を用いた画像を試験的に活用する予定です。
試験公開後は、SNS上の反応、記事閲覧者や利用者へのアンケート、気象予報士へのヒアリング、従来表現との比較などを通じて、視認性や理解度の向上効果を評価します。これらの検証結果を踏まえ、台風の予報円や線状降水帯の予測における時間変化を、一枚の静止画上で分かりやすく伝える表現の有効性を検証するとともに、利用者の防災行動や、報道・解説における情報理解の向上につなげていきます。
また、本情報処理技術については、雷雲の移動履歴の新たな表示技術をはじめ、他の気象現象への応用可能性も、引き続き検討していきます。
以上