修学院エリアにある曼殊院門跡は、雅なたたずまいと深い歴史で知られる寺院です。今回は、紅葉のスポットとしても有名な曼殊院門跡へ訪れてみました。
曼殊院門跡について
曼殊院は、延暦年間(782~806)に伝教大師最澄によって比叡山に創建された坊が始まりです。その後、北山(右京区金閣寺付近)、洛中(上京区相国寺付近)へと移りました。
そして明暦2年(1656)に現在の地に移転、桂離宮を造営した良尚法親王によって新たに造営されました。via 藤花曼殊院は、良尚法親王が桂離宮を造営した兄・智忠親王に助言を受けて造営したため、書院の装飾や意匠は桂離宮と共通する部分があります。
それが、曼殊院が「小さな桂離宮」と呼ばれる理由です。
曼殊院では一般的な寺院の庭園や武家風の庭園とは異なった公家風の雅やかな風情を味わうことができます。

曼殊院の紅葉
少し急な曼殊院道を上り、参道に到着。
勅使門の紅葉が気になるところですが、先に弁天島へ。


お堂の後ろや弁天池にかかる橋の辺りがきれいに紅葉しています。

勅使門の両側にある大きなもみじが美しく紅葉。
まだ青い葉もあるので、グラデーションも楽しめます。

この日は9時の拝観開始時間に合わせて訪れたのですが、まだ人もまばらで景色をゆっくりと楽しむことが出来ました。


入り口前の紅葉もきれいでした。

まずは庫裏・大玄関・書院などを拝観します。
屋内は拝観禁止なので、中の様子を簡単に説明をしておきますね。

大きな釜やいろいろな料理の道具などがありました。
正面には大黒様。
大玄関から書院へ行くと、門跡寺院だけあってたくさんの宝物が展示されていました。
襖絵は、狩野探幽や狩野永徳が手掛けたものがいっぱい!
菊模様の欄間や富士山の釘隠しなど、隅から隅までじっくりと観賞したくなる雅やかなしつらえでした。

丸く刈り込まれているのは霧島ツツジです。
5月の初旬が見ごろで、真っ赤な小ぶりの花が咲きます。
紅葉はもちろんきれい!


そして大書院前の鶴島。

中央の松がそれですね。

大海に住む目の見えない亀が、100年に一度海中から頭を出すと、そこに流されてきた節穴のある流木が亀に当たり、亀の頭が節穴にはまってしまうというものすごい偶然性を表すたとえ話がもととなっているそうです。
難しいことはわかりませんが、書院前の庭園とはうって変わってスッキリとした枯山水庭園で、肩の力がすっと抜けるようなホッとした気分になりました。

拝観される方も、市街に比べるとそれほど多くなく、ゆっくりとめぐれる点もおすすめです。
紅葉はもちろん、他のシーズンにもぜひ訪れてみてください。

基本情報
・スポット名 曼殊院門跡・住所 京都市左京区一乗寺竹之内町42
・電話 075-781-5010
・拝観時間 9:30~17:00(最終受付17:30)開門時間は変更される場合もあります
・拝観料 800円
アクセス
・最寄り駅 叡山電鉄「修学院」徒歩約20分
・バス 「一乗寺清水町」徒歩約20分
・HP https://manshuinmonzeki.jp/