清水寺と並んで京都屈指の人気観光スポットとなっている金閣寺。季節ごとに紹介される金閣は安定の美しさです。
鹿苑寺(金閣寺)について
金閣寺は、正式名称を鹿苑寺(ろくおんじ)といいます。京都御所の北にある臨済宗相国寺の境外塔頭です。
かつては鎌倉時代の公卿・西園寺公経(さいおんじきんつね)の別荘でしたが、室町幕府3代将軍であった足利義満が譲り受けて造営したのが「北山殿」です。via 藤花極楽浄土を表現した「北山殿」には、舎利殿・金閣を中心とした庭園や建築物があり、義満存命の間は政治・文化の中心として使用されていました。
義満の死後は遺言により寺院に改められます。
「北山殿」は夢窓礎石を開山とし、義満の法号・鹿苑院にちなんで「鹿苑寺」と命名されたのですが、いつの間にか「金閣寺」という通称のほうが有名になりました。
金閣の美しさ・インパクトを考えると当然のことかもしれません。
でもこちらの記事では、鹿苑寺という正式名称で紹介しますね。

見どころ満載!鹿苑寺
鹿苑寺は西大路通りの北のつきあたり手前を西に入ったところに位置します。もう少し北へ行くと鷹峯、東へ向かうと大徳寺や船岡山、南には北野天満宮などがあります。
鹿苑寺前から南に向かう道は「きぬかけの路」と呼ばれ、その先にあるのは龍安寺や仁和寺などの寺院です。

お正月の観光時期を過ぎて、ほんの少し海外観光客が減少していると噂されている1月後半だったせいか、想像よりは人出は少ない感じでした。
とはいえ、聞こえてくるのは中国語や英語がほとんど。
日本語はあまり聞こえません!
総門
黒門を通り、広い参道を進むとまず見えてくるのは総門です。
これは「定規筋(じょうぎすじ)」というもので、格式の高さを表しているそうです。
線の数は3~5本まであり、最も格式が高いことを意味しています。
ほかのお寺でも見られますので、参拝されたときにはぜひ探してみてください。
鐘楼と櫟樫

境内をめぐっている間、時々荘厳で深い鐘の音が聞こえていました。

この櫟樫は京都市指定天然記念物として登録されている貴重な巨木です。
櫟樫の向かい側には立派な庫裏。
その手前で拝観受付をすればいよいよ舎利殿・金閣とのご対面!
舎利殿・金閣
拝観入口を抜けて庭園に挟まれた参道を少し歩くといきなり目の前に金閣が現れます。本当に突然美しい金色が目に飛び込んでくるような感覚です。
その瞬間はただ「すごい」の一言しか出てきません。

これはだれがどう撮影してもきれいにしか写せないと思うほど。

きらびやかでまさに極楽浄土。

初層には釈迦如来座像が安置されているはず…ちょっとワクワク!


陸舟の松
参道を挟み金閣の反対側には方丈が、その前には義満遺愛の陸舟の松(りくしゅうのまつ)があります。方丈には入れないため正面から見られないのが残念でしたが、立派な松であることは十分にわかりました。

すでに1月10日から別の寺社での特別公開は始まっていたのですが、鹿苑寺方丈の公開期間は2月8日(土)から。
なので残念ながら見られませんでした。
これから鹿苑寺に訪れる方はぜひぜひ方丈もご覧ください!
https://souda-kyoto.jp/event/detail/kyoto-winter.html
安民沢と白蛇の塚
金閣を回るように参道を進むと、義満がお茶の水に使用したと伝わる銀河泉(ぎんがせん)・義満が手洗いに用いたといわれる巖下水(がんかすい)そして小さいながらも趣のある龍門の滝と続きます。
ここ安民沢(あんみんたく)は、日照りが続いても枯れなかったため雨ごいが行われる場としても使用されていたそうです。


見えるのは二層から三層だけですが、背景の山が借景となった珍しい景色が楽しめますよ。

夕佳亭
安民沢から更に石段を上った先には、江戸前期の茶人・金森宗和(かなもりそうわ)が後水尾上皇のために作った夕佳亭(せっかてい)があります。

不動堂

とても親近感のあるお堂。
うまく表現できませんが、極楽のような金閣の静かな余韻から、急にいろいろな音が聞こえてきて一気に現実に戻ってきたような、夢からさめたような感じがしました。

なお、鹿苑寺の拝観は、原則一方通行です。
こちらで休憩してから参道を逆走して再び金閣周辺まで戻ることはできませんので、注意してくださいね。
鹿苑寺(金閣寺)の基本情報
・住所 京都市北区金閣寺町1・電話 075-461-0013
・参拝時間 9:00~17:00
・参拝料 大人500円/小中学生300円
アクセス
・バス 「金閣寺道」徒歩約5分
・HP https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/