祇園祭といえば、京の目抜き通りを巡る「山鉾巡行」が最も有名ですが、実は祭りで最重要神事とされているのは「神輿渡御」。今回は、その「神輿渡御」の中でも神輿が境内から御旅所へ向かう「神幸祭」をご紹介します。
神様を載せた神輿が市内を回る「神輿渡御」
祇園祭で最も有名な行事「山鉾巡行」。そもそも、これは何のために行われているのでしょうか?八坂神社公式HPによると、『疫病等の災厄をもたらす疫神を鎮めるため、依り代(よりしろ)として鉾や山を作り、町中を回ったと考えられます。(中略)神輿の渡御(17日夜神幸祭)に先立って、都大路の清祓をしたとも考えられています。』のだそう。
つまり、本番である「神幸祭」の露払い的な行事だったようです。では、神幸祭とは?祇園祭の最重要行事は、実は神様が乗った神輿が市中を清めて回る「神輿渡御」。神輿は三基あり、氏子区域内をそれぞれ所定のコースに従って渡御(とぎょ)します。
八坂神社に安置されていた神輿が、境内から御旅所へ向かうのが「神幸祭」です。
毎年、7月17日に行われます。








東御座神輿には櫛稲田姫命 (くしいなだひめのみこと)の御霊がのっています。四角形の屋根に、擬宝珠をいただいているのが特徴。

西御座神輿は三基の中でも最も重く、重さはなんと約2トン!300人ほどの氏子が交代で担ぎます。八角形の屋根に鳳凰をいただいています。



出発前に八坂神社の西門前に集まった三つの神輿が、「ほいっと!ほいっと!」という掛け声でそれぞれの神輿が高々と担ぎ上げられる「差し上げ」や、時計回りに回転させる「差し回し」など、見物人から歓声が上がります。

八坂神社の方、市長、府庁のあいさつが終わると、いよいよ出発!




それぞれの神輿のルートは八坂神社公式HPに掲載されているので、事前に確認を。


御旅所に到着すると、7月24日の「還幸祭」までの間、神輿は御旅所設けられた祭壇に祀られます。
八坂神社の舞殿は神様が御旅所に祭られている間、夜間に明かりが灯るので、こちらも見所です。
7月いっぱいかけて多くの神事が行われる祇園祭、その最重要行事をぜひ一度体感してください。
祇園祭 神幸祭 基本情報
■開催日:2018年7月17日 16時~■公式HP:八坂神社 http://www.yasaka-jinja.or.jp/