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声優アーティストの前島亜美が4月13日に神奈川県・関内ホールにて、初のワンマンライブ「前島亜美1st LIVE “Blue Moment”」を開催した。昨年11月にリリースしたデビューアルバム『Determination』を携えた本公演のチケットはソールドアウト。
TEXT BY 永堀アツオ
PHOTOGRAPHY BY 高田真希子
ソロアーティスト・前島亜美がすべてをさらけ出す
開演前の場内には、様々な“青”にまつわる楽曲がBGMとして流されていた。開演時間を迎えると、場内が“青”と“白”のライトで満たされていき、ステージ上に吊るされた様々な“青”色の布越しに前島のシルエットが浮かんだ。やがて、ゆっくりと布が上昇し、彼女の好きな色であり、ソロアーティストとしてのイメージカラーでもある“白群(ビャクグン)”=柔らかい白みを帯びた青色を想起させる白×水色のドレス姿の前島が姿を表した。
オープニングを彩ったのは、自身が作詞した「Determination」だった。歌って踊ることが大好きで、パワフルに夢を描いていた12歳の“君”=“夢”を昨年11月に27歳になった今の“私”が迎えにいくという、ソロデビューに向けた思いが込められたアグレッシブなロックナンバー。光に満ちたステージで“幼い夢 ずっと好きだったんだ この景色が「ねえ見て、君へのステージだ」”という歌詞を体現した前島が拳を強く握りしめて熱唱すると、観客の熱気は一気に上昇。「今日は一緒に楽しんでいきましょう」と笑顔で呼びかけると、ライブのタイトルにもなっている「Blue Moment」では白群色のペンライトを掲げた観客のクラップと掛け声が一段と大きくなるなかでくるりと二回転し、“青く染まった空と僕たちの夢が未来を描いている”というフレーズを共有。ソロアーティストとして、すべてをさらけ出して、明日へと歩んでいく決意と覚悟が滲む2曲によって、歌詞にある“時が過ぎても忘れられない歌”を響かせ合うデビューライブは幕を開けた。
最初のMCでは「始まる前、すごくドキドキしていました」と緊張していたことを明かし、ソロアーティストデビューと初ワンマンのチケットがソールドアウトしたことを報告。満員の観客と万歳三唱で喜びを分かち合うと、「デビューライブはこの1公演しかない。一発勝負という、この瞬間が、まさに“青い瞬間”であると思いまして、『Bule Moment』としました」とライブタイトルを解説した後、「次はかっこいい曲を」という言葉から、先ほどまでの世界観とは一転。赤が似合うラテンナンバー「SCARLET LOVE」で情熱的でパワフルな歌声を放つと、間奏ではフラメンコのようにスカートの裾を使ったダンスも披露。
「久しぶりにプリプリした気持ちを自分から思い起こした」というアイドル歌謡のようなポップス「初雪とKiss」ではチャーミングな投げキッスのフリ付きでパフォーマンスすると、観客からは“Kiss”の盛大なコールが湧き上がり、「人の命や人生を重ねて聴ける、自分が一番好きな春の曲」というヨルシカ「春泥棒」のカバーで“今日、この日”の思い出を刻むと、女性ダンサー4人によるブリッジを挟み、「MAKE IT NOW」へ。ジャジークラブやトラップのビートを導入した楽曲でキレのあるダンスで魅せると、「キャラソンで7年前にカバーした」という水樹奈々「DISCOTHEQUE」のカバーでは、イントロで大歓声が上がるなか“CHU-LU CHU-LU”のフリや「サタデー・ナイト・フィバー」のポーズを繰り出して観客を楽しませた。
ここで、新曲が7月放送のTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のOPテーマに決定し、自身もキャストとして出演することを発表。「イエーイ!」と叫びながらステージを走り回って喜びを表し、「深夜アニメに命を救われてきたタイプなので、本当に夢のようです」と語り、その新曲「Wish for you」を初披露。サビに人差し指(I)、人差し指と親指(L)、人差し指と小指(Y)を順番に上げていく“I LOVE YOU”のハンドサインが盛り込まれたラブソングで爽やかで甘酸っぱい風を運んだ彼女は、再びダンサーを従えた「ポルターガイスト」では自身の二面性や遊び心を表現。続く、前山田健一(ヒャダイン)提供の「職業:あみた」ではイントロで観客から「キター!」という声が上がり、“よっしゃいくぞ!”や“あみた”コールも実現。“傷ついても翼は また夢を見る”というフレーズから始まるヘビーなロックナンバー「Unfallen Angel」で、歌詞の通りに“光満ちる世界を 始まりの風を”抱きしめるように歌い上げた彼女は、自らのパフォーマンスで夜明けを引き連れ、ライブはいよいよクライマックスに向かっていった。
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またステージに立ちたい――それを叶えてくれたファンへの想い
本編最後の曲を前に前島は、ライブのロゴが15本の線で出来たチェック柄になっていることに触れ、今年6月で丸15年となる芸能活動を振り返りながら観客に向けてゆっくりと語りかけた。「私はずっと、正しくありたいと頑張ってきて。混沌とした中で自分だけは正しくありたいという思いにすがり、それがプライドになり、アイデンティティになっていきました。でも、その“正しさ”は自分の心からくるものではなくて。
さらに、「このソロ活動を自分の心の声を大切にしながら、皆さんと育てていく大好きな場所にしていきたいです」と未来に対する決意を口にし、「ライブの最後に皆さんと一緒に歌いたいという想いを込めた」という作詞曲「Azurite」へ。シンガロングが起こるなか、前島が“歌う準備ができた”“君の光と歌おう”“君の笑顔とこの居場所守るから”という心の声の表出である歌の言葉が交差。観客の1人1人と目を合わせ、頷き合うように歌う彼女のイメージカラーである白群=Azuriteの光と共に優しくも強い意志に満ちた雰囲気が広がる中でライブはエンディングを迎えた。
アンコールではなんと、ステージ上に設置された扉付きのボックスの上に登場して観客を驚かせ、満点の星空をバックに「星を見上げて」をしっとりと歌い上げると、「皆さんと過ごせた今日が楽しくて幸せな1日でした。本当に勇気を出して良かった」とホッとしたような表情を見せた。そして、「皆さんにとっての誇りの推しになります!」と宣言。
<セットリスト>
M0.Overture
M1.Determination
M2.Blue Moment
M3.SCARLET LOVE
M4.Mela!/緑黄色社会(※カバー曲)
M5.初雪とKiss
M6.春泥棒/ヨルシカ(※カバー曲)
-Bridge
M7.MAKE IT NOW
M8.DISCOTHEQUE/水樹奈々(※カバー曲)
M9.Wish for you(※新曲)
M10.ポルターガイスト
M11.職業:あみた
M12.Unfallen Angel
M13.Azurite
Encore
M14.星を見上げて
M15.Blue Moment
関連リンク
前島亜美 オフィシャルサイト
https://maeshima-ami.net/
前島亜美 オフィシャルX
https://x.com/_maeshima_ami