多彩で豊かな表現が、次々と心揺さぶる充実のステージ!岡咲美保...の画像はこちら >>

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2025年7月13日、声優・アーティストの岡咲美保が、KT Zepp Yokohamaにて“Miho Okasaki 3rd LIVE 2025 ~ハートシェイキング~ supported by animelo”を開催した。約1年ぶりのワンマンライブの場で岡咲は、さらに豊かさを増した表現力を存分に発揮。

時にみほちゃんず(※岡咲のファンネーム)とともに楽しみ時に場内を圧倒し、様々な形で場内に集った観客の心を揺さぶってみせた。

TEXT BY 須永兼次
PHOTOGRAPHY BY 斉藤 明

のっけからフルスロットル!心を掴み、震わせ続けるステージ

まずは暗転した場内に岡咲美保の楽曲がザッピングするように流れ、デビュー曲「ハピネス」から岡咲の楽曲が交互に響いて音の面からこれまでの歩みを振り返っていく。そこに鼓動のSEが乗って“ハートシェイキング”というタイトルを連想させる空気に染まっていくなか岡咲がステージに入場。客席に背を向けて立ったところでその音が止まり、扇子を掲げるとステージが明転したところでぴょんと跳ねて客席側を向き、「アンビリバボーアンセム」からライブはスタート。冒頭部分でコールを浴びると、イントロ中に「3rdライブ!いきますよー!」とシャウトしスイッチオン。以降もコールを浴びまくりながら、笑顔を振りまきつつ元気いっぱいのステージを展開。1階席・2階席それぞれに視線を配りながら、2-Aメロでは歌詞に合わせて最前へ“接近”したりと、会場中を巻き込みながらハイテンションかつハッピーに心を掴んでボルテージを上げる。

そして「ありがとー!」の言葉に続いて、そのまま畳み掛けたのは「イエロー♡ビート」。事前にSNSでコールシートを配布していたこの曲、イントロ中に「もっと揺らしてくださーい!」とさらに煽ると、フロアからは大きな大きなコールが上がり、物理的に体にビリビリ響くものに。そんなこの曲では岡咲は歌声を甘めに振り、引き続きハイテンションに、なおかつキュートに盛り上げてゆく。サビではイエローのペンライトが左右に揺れて一体感も巻き起こしながら場内をさらに熱くすると、さらに「インフィニット」をシームレスに続けてロケットスタートを決めにくる。今度は疾走感あるナンバーに乗せて、真っ直ぐ空へと突き抜けていく歌声を響かせていく。2コーラス目ではまたも観客とのコミュニケーションを取りながらパフォーマンスすれば、Dメロでは歌声にぐっと力を込めて迫力さえも感じさせると、最後に大サビでは再び突き抜けきって好発進を決めたのだった。

3曲歌ってからのこの日最初のMCで、まずはいきなり凄まじい盛り上がりをみせたみほちゃんずへの感謝を述べると、過去2度のワンマンよりもボリュームが上がっているように感じられた声量やバッチリ揃ったコールに嬉しそうな表情をのぞかせる。

そして「みんな、今楽しい?」の問いかけを前振りにして、「JOY!!」からライブ再開。ダンサブルなナンバーに合わせて軽快にステップを踏みつつ、観客も縦ノリに乗せて「楽しい!」でハートを揺らしていく。Dメロ明けの間奏では、リズムに合わせて「JOY!JOY!」とコール煽りも行っていくと、「続いての曲は、みんな少年・少女の気持ちになって聴いていただきたいと思います!」の言葉に続いて最新ミニアルバム『SHAKING』から新曲「少女のすゝめ」を披露。イントロからクラップを誘導すると、軽快なステップを踏みながら歌唱し、ボーカルワークの機微も含めてしとやかさとかわいげの両面を発揮するステージングを展開。少々サウンドが静かめになる2-Aメロでは、声量を絞りつつ甘めの歌声を乗せてみたり、かと思えば2-Bメロではファルセットも交えて優しさや麗しさも付加したりと、1曲の中で表現を次々に切り替えながら魅了していく。ラストの「センキュー!」も、実に気持ちよさそうに締め括った。

この日2回目のMCでは、ライブバンド“美保のこと支え隊”の紹介を行うと、次の曲に向けて事前に持参を呼びかけていた“ときめくもの”を取り出すよう促して、「ときめきこれくしょん!」がスタート。みほちゃんずが掲げる“ときめくもの”に視線を落としながら、岡咲自身もときめきとハッピーいっぱいな曲を楽しんでいく。サビに頻出する「いっぱい」のフレーズではコールを呼びかけたり、Dメロ部分でもカッコ部分のコールを委ねたりと、まさに“みほちゃんずと一緒に”1曲を作ると、さらに甘々なナンバー「キボウノレシピ」へ。イントロからコールを浴びながら、ダンスを交えてキュートさで魅了し、「ドキドキさせる」というアングルから“ハートシェイキング”させていく。楽曲自体の持ち味である甘さを引き出す、岡咲ならではのラブリーさがぎゅっと詰め込まれたボーカルとパフォーマンスを堪能できる1曲となっていた。

そんなときめき・かわいいブロックを経て、そろそろライブは中盤戦。「次はちょっと、違った私を見せちゃおうかな?」と予告すると、『SHAKING』収録のボカロ楽曲カバー「ブリキノダンス」がスタート。冒頭のセリフひと言でガラリと空気を塗り替えると、ハイテンポなナンバーをキリッとした表情で、トゲや攻撃性を持たせたボーカルを繰り出し心に突き刺してくる。サビラストの歌い上げもわずかにがなりの成分の入った荒々しくざらついたもので、まさに言葉どおりに“違った私”をズバリ提示。その一方で2サビ明けの間奏では笑顔で跳ねながらくるりと回るなど、表現を楽しんでいるさまもにじませていた。そこから、さらにダークなダンスチューン「マボロシマジック」へ。特にサビではさらにボーカルに力をぐっと込め、心を揺さぶってくる。その力強さと、Bメロでのファルセットの不意の美しさが良好なコントラストを生み、2サビ明けの間奏では不敵な笑みを浮かべているようでもある。そういった佇まいも含めて、すごみを色濃く感じさせる1曲となった。そのままスタートした「ミラー」は、歌声に怒気がこもったようながなりを混ぜたり、かと思えばサビには少し悲しさも織り込んだりと、多彩かつ幅の広い表現が詰め込まれたものに。尻下がりになったサビ最後のロングトーンも、心情を絞り出して吐露しているさまの出た効果的な表現。それらによって心を震わされ引き出されたファンのコールも、再び場内を盛り上げていった。

そうしてまた違った姿を見せた岡咲は一旦ステージを降り、少々ジャジーでメロウな雰囲気のバンドブリッジへ。

それに続いて流れてきたのは、岡咲美保がDJを務める架空のラジオ番組。そのなかでお悩み相談に答える形でトークを展開すると、再登場した岡咲がそれを導入に、トークの中にタイトルの登場した「絆創膏」をスポットライトに照らされながら歌い始める。冒頭のフレーズ後、胸の前で両手で握ったマイクをさらに大事に握りしめ、目もギュッとつぶって楽曲の世界に没入。切なさとそれを表すための美しさ、加えて感情があらわになる際の地声の強さ――そのいずれもが良好なバランスを保ったボーカルワークでまたも心を捉える。わかりやすく盛り上がる曲以外での、歌声を通じた感情表現の巧みさもまた、岡咲のたまらない魅力だと再認識させてくれた。歌唱後、雨音流れるなか岡咲は傘を手にし、「Rainy Smiley」をスタート。絆創膏を貼った心を癒やす光のように優しく歌い始め、会場の一人ひとりの心にも寄り添って、そこに染み入っていくかのような温かさもみせていく。ウィスパー調に歌った落ちサビ以降でも、下を向いた顔を上げさせてくれるようなメッセージを込めて、最後まで心に寄り添いながらもそのメッセージに説得力を与える芯の強さも伴わせ、微笑みとともに美しく歌い上げていった。続く「ココロトラベル」では、優しさはそのままに、スケール大きく広がりゆく歌声を響かせていく。引き続き客席の一人ひとりへと歌いかけるようにしながら、サビでは優しく拳を振り上げてフロアを先導。一方でDメロでの歌声には力強さを持たせて世界が開けていく感覚を想起させるなど、この曲でも岡咲の歌唱表現のバリエーションの多さを存分に感じることができた。

歌唱後にはまずラジオ番組の演出について「心を別の形でシェイキングしたかった」と語る岡咲。そこから続いた「絆創膏」「Rainy Smily」の2曲について「みんなの日々のやるせない想いを昇華・浄化できていたら」という狙いを明かすと、「ここからはみんなにゆっくり楽しんでほしい」と告げて観客を着席させ、「カナタボシ」を歌唱。その歌声は「ココロトラベル」に引き続き美しく、悲しさを越えた先の希望や晴れやかさをより強く感じるもの。落ちサビでも微笑みとともに温かさもプラスして、リリースから1年以上を経た今ならではの「カナタボシ」を表現してくれたように思う。そして「次の曲は今夜だけのスペシャルアレンジで……」と予告し、椅子に腰掛け歌い始めたのは「夜ふかしダンス」。ボサノヴァチックなアコースティックアレンジに乗せて、岡咲も肩の力を抜いて、ナチュラルな歌声で音にたゆたうように歌唱。客席からペンライトの光が消え、ステージ上もやや暗めのライティングがまさに真夜中のような空気を形作るなか、アレンジにマッチさせつつも情感は豊かな歌声で、この日ならではの表現を味あわせてくれた。

揺らした心を繋いで、一緒に踏み出した新たな希望の一歩

こうして2曲をじっくり聴かせたところで岡咲は、「夜ふかしした後は、盛り上がりますよー!」と観客を立たせると、マフラータオルを手にして「ALRIGHT!」からラストスパートをスタート。イントロからタオルをぶんぶん回して楽しみながら、そのタオルを使って観客をジャンプさせたりもしてフロアの熱気を高める。1サビの「見逃さないでね」のフレーズは若干セリフ調にキュートさも込めて歌うことで、ファンへと今後の意気込みの表明に変えていたようでもあった。こうして疾走感のあるナンバーでエネルギーあふれるステージを見せると、ライブは続く「Starting Bell」でさらに加速。未来へと向かい続ける想いを力一杯に歌い、場内のボルテージを高めてゆく。終盤、落ちサビから大サビにかけての力強い歌声が、ここでもさらに駆け抜け続ける姿を確信させてもくれた。

これに続けたのが、同じく“鐘”がキーになる最新曲「月の季節」。序盤から力強く凛とした姿を見せると、高まる観客を前にサビではパワフルかつシャープな歌声を響かせ、ラストのハイトーンでは美しく楽曲を彩っていく。大サビではその力強さは一段と増し、最後まで抜かりのないボーカルワークで“パワフルであり美しい”という1曲を完成させてみせた。

「ジェットコースターみたいでしたね」とこの3曲を振り返ったところで、次がラストナンバーであることを告げる岡咲。さらに「最後の1曲でみんなの体も心も揺らしたい!」と意気込み、「今ここが、世界の中心!一緒にもっともっときらめかせていきましょう!」と呼びかけて「ペタルズ」がスタート。イントロからキラッキラの笑顔を輝かせながらダンスを見せれば、またも会場中とコミュニケーションを取りながら歌唱。サビでは晴れやかな表情とともにきらめかせた歌声を披露。キュートさと愛嬌を持たせながら、曲に乗せてぱあっと世界を明るくしてみせる。こういった巻き込み方と、締める部分での魅せる力の匙加減は最後まで非常に巧みで、またもハッピーにみほちゃんずの心を揺らしてジャンプエンドとともに本編を締め括った。

「最高に楽しかったです!」の言葉を残しステージを降りると、場内からはすかさず「おーみーほ!」のアンコールを求める声が。その声がしばし響き渡ると、「魔法の言葉」のイントロとともにキュートな衣装に着替えた岡咲が再登場。カントリー調のナンバーを清らかに歌いながら、サビでは腕振りも巻き起こして一体感も持たせていく。

さらに2サビ明けにはサイン入りのハート形のボールを、ラケットで打ち入れていく岡咲。最後はビーチボール大の大きさのハートを客席へ投げ入れて喜びでもまたハートを揺らしてみせ、そのまま「Dream In Wonderland」へ。またも先へと駆け出していくような疾走感を持った曲を披露し、美しさも伴わせ進化した歌唱をもって、未来へのわくわくを感じさせてくれた。

歌唱後にはファンをバックに記念撮影を行い、そのうち1枚はこの日ロビーでファンが書いたメッセージの貼られた幕とともに撮影。思い出も刻んだところで、岡咲から様々な告知が。その中で特に注目すべきなのは、ファンクラブの開設だろう。自身の出身地・岡山になぞらえ「桃」を用い、さらに「私との時間はハッピーで終わってほしい」との願いから「みほちゃんず桃源郷」と名付けられたことも明かすと、ラストの1曲の歌唱を前に3rdワンマンを迎えた心境を語る。約1年ぶりのワンマンを「“楽しい”だけじゃなくて、色んな曲でみんなと鼓動を合わせて盛り上がれて、すごく幸せな3rdライブになったと思えています」と振り返ると、「これからもライブ当日だけじゃなくて、みんなの日常に寄り添えるように、そして私の日常にもみんながいてくれると嬉しいです」と続けた岡咲。最後に改めて「武道館、行こうね!」と呼びかけ、意気を上げていた。

そして「みんなの幸せを重ねて、未来繋ぐ花を私たちで咲かせましょう!」と呼びかけ、歌い始めたのは「スターフラワー」。イントロからクラップと白のペンライトが場内を彩るなか、サウンドに乗りつつも柔らかさも持った歌い出しは、まるで希望の芽吹きのよう。そうしてこの場の先頭に立った岡咲の歌声は、そうして芽吹いた希望が光となって突き抜けていくかのような印象を与える。中盤からはコールの掛け合いが始まり、大サビではみほちゃんずとの大合唱に発展。これは互いが心を震わせ合っているからこそ、生まれた光景だ。最後までそのコールは響き渡り、エモーショナルな空気が場内を包むなかジャンプエンド。“支え隊”とともに「ありがとうございました!」と肉声で感謝を伝え、ひとり残った岡咲はステージを練り歩いた後「最後みんなぎゅーしとこ!」とこの場全員のハートを抱くようにエアハグし、ライブを締め括ったのだった。

この日ステージでみせた豊かな表現力と懐の深さ、美しさは非常に魅力的なものであり、それはMCで口にした「日常に寄り添える存在でいたい」との言葉に沿うように日常の様々なシーンにフィットしうるものとなっている。それでいてステージ上の岡咲は、心の底から楽しそう。ファンと一緒に楽しむ姿は、「これからも一緒に歩きたい」と自然と思わせてくれるものだった。そうして歩む道の先は、きっと目指す武道館の舞台に繋がっていることだろう――そんな期待をさらに強くさせてくれる、大充実のライブだった。

岡咲美保“Miho Okasaki 3rd LIVE 2025 ~ハートシェイキング~ supported by animelo”2025年7月13日(日)KT Zepp Yokohama
<セットリスト>
M01. アンビリバボーアンセム
M02. イエロー♡ビート
M03. インフィニット
M04. JOY!!
M05. 少女のすゝめ
M06. ときめきこれくしょん!
M07. キボウノレシピ
M08. ブリキノダンス
M09. マボロシマジック
M10. ミラー
M11. 絆創膏
M12. Rainy Smiley
M13. ココロトラベル
M14. カナタボシ
M15. 夜ふかしダンス
M16. ALRIGHT!
M17. Starting Bell
M18. 月の季節
M19. ペタルズ
EN1. 魔法の言葉
EN2. Dream In Wonderland
EN3. スターフラワー

関連リンク

岡咲美保 オフィシャルサイト
https://okasakimiho.com/

岡咲美保 オフィシャルX
https://x.com/okasakimiho_PR

岡咲美保 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/c/okasakimiho

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