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ReoNaの約2年ぶり通算3枚目のニューアルバム『HEART』のリリースを記念した集中連載企画「リスアニ!’s Heart」。ReoNa本人へのインタビューを通して新作の核に迫った第2回に続いては、ニューアルバムに参加したクリエイターより堀江晶太と、リスアニ!ではお馴染みの音楽評論家・冨田明宏による特別対談をお届け!これまでにも数多くのReoNa楽曲に携わってきた堀江が今回のアルバムのために書き下ろした新曲「命という病」の話題を軸にしつつ、両者の表現者としての親和性の高さが浮き彫りになる、濃密なクロストークが展開された。

ReoNaのよき理解者である2人の視点から見た彼女の現在地を、ぜひチェックしてほしい。

■【連載】ReoNa 3rdアルバム『HEART』リリース記念「リスアニ!’s Heart」

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創

ReoNaの“絶望”と堀江晶太の“祈り”が交わる先に生まれた共鳴

――まずは、堀江さんとReoNaさんの出会いについてお伺いしたいです。最初にお仕事でご一緒したのは、神崎エルザ starring ReoNa名義の楽曲「Dancer in the Discord」(2019年)の編曲だと思うのですが。

堀江晶太 そうですね。ただ、初めて出会ったのは彼女がデビューする前のことで、僕が知人のアーティストのライブにサポートで参加した時に、ReoNa本人がスタッフと一緒に観に来ていて、レーベルの方に「もうすぐSACRA MUSICからデビューする新人」ということで紹介してもらったのが最初でした。その時は本当に「どうも」みたいな感じの形式的な挨拶だけで、あまりはっきり記憶はしてないですけど、割と光のない目をしていたことは覚えています。

その数ヵ月後、1曲アレンジのお話をいただいて、当時ReoNaチームにいたスタッフの方が、以前から音楽の現場でよく一緒に仕事をしていた人だったので、その安心感もあってお引き受けしました。スタートは神崎エルザの楽曲の編曲でしたけど、まずReoNaというアーティストについて、どんなことを歌っていきたいのか、バックボーンや生い立ちを含めてお話を聞いたうえで、どんなものがReoNaらしいのか、神崎エルザらしいのかを、主にスタッフさんとじっくり話しながら制作を進めていきました。

――それが「Dancer in the Discord」だったわけですね。そこから同じく神崎エルザ starring ReoNa名義の楽曲「葬送の儀」(2019年)や、「Untitled world」(2020年)、「テディ」「Someday」「Alive」(2022年)、「Weaker」(2023年)などの編曲を手がけてきました。

堀江 基本的に自分はReoNaチームにアレンジャーとして参加することが多くて、今まで詞や曲を書いたのは2曲だけ。それが、1stアルバム『unknown』に収録の「BIRTHDAY」(2020年)と、今回の3rdアルバム『HEART』で数年ぶりに書き下ろした「命という病」ですね。

――『HEART』では他にも「Debris」「End of Days」の編曲を担当しています。

冨田さんは、これまで堀江さんが手がけてきたReoNaさんの楽曲にどんな印象をお持ちですか?

冨田明宏 個人的に堀江晶太という音楽家は、ラウドロック、オルタナ、ポストロック、ポストハードコアやエモコアといった、日本では主流ではなかったロック・サウンドをメインストリームに押し上げた存在だと思っていて、ヒットチャートにおいてサウンドで“堀江晶太以後”みたいな楔を打った人だと思うんですね。その意味で言うと、ReoNaもこのシーンにおいては超オルタナティブな存在で、なおかつみんなが目をつぶりたくなるような“絶望”を歌う視点を持っていて、そんな彼女が日本武道館や大きなステージに立ち、大勢のお客さんの前で一人一人と向き合って歌を歌っている。生きづらさや居心地の悪さが重しになっている今のご時世、正解がない世界で正しい生き方みたいなものを求められるなかで、この2人の掛け算は、ある種必然だったのかなと思うし、二人のような超オルタナティブな存在が共鳴することで多くの共感を呼び、今ではメインストリームになり得ている。今回の対談のお話をいただいて、堀江くんが提供してきた曲を聴きながら、改めてそういうことを感じましたね。

堀江 嬉しい。ありがとうございます。

――堀江さんはReoNaさんのアーティスト性との相性について、どのように感じていますか?例えば、ReoNaさんの“絶望”と向き合う特性に共鳴を感じるのか、あるいはそこにチューニングを合わせていくようなところがあるのか。

堀江 自分の中にないものや感覚を持ってReoNaの音楽に付き合ったことはないですね。自分のうちから生み出す音楽家としての一面と、作編曲家としての職人的な一面は、自分の中では同じくらいのプライオリティがあって、両方にプライドを持っているんです。だから、仮に自分のパーソナルには全然ない案件だったとしても、それに対して尽くす喜びはちゃんと持っている。でも、ReoNaに関して言うと、今まで自分らしからぬことで喜んでもらおうと思ったことはなくて。それは、ReoNaというアーティストであり人間が、“絶望”というモチーフを最初からずっと掲げているからだと思います。

僕自身も、自分の中にずっと内在しているテーマみたいなものがあって、それをReoNaが掲げる“絶望”に変換して表現することが全然苦ではなかった。テーマは別々だけど、向いていた方向は最初から結構一緒だったのかなと感じます。

――その堀江さんがご自身の中に宿しているテーマについて、詳しくお話を聞いてもいいでしょうか。

堀江 もちろん。これは僕の周りの後輩や弟子には話していることなので、別に内緒にしていることでも何でもないのですが、自分は二十歳くらいの頃から今に至るまで、“祈り”というモチーフを大切にしているんです。自分は無宗教なのですが、感覚としては、音楽や音楽業界、そこに関わる人たちという“宗教”に従う人間、という感覚をずっと持っていて。僕のような人間に「また音楽をやっていいよ」「あなたの音楽を必要としているよ」と、居場所を与えてくれたのが音楽に関わる人たちだったし、観念としての“音楽”というものだった。自分がまだ生きていていい理由をもたらしてくれたのが音楽だったんです。それは20代の頃からずっと思っていて、自分にとっては“音楽”が神様という思いがある。

おこがましいので、別にその神様と仲良くなろうとは思っていないですし、叶わないもの・届かないものというのはわかりつつ、自分にとってあらゆる音楽をやる場所は祭壇のような感覚で、そこにお祈りをして、捧げ物をして、感謝だったり身を捧げ続けることが、自分という生き物の喜びであり、命題である。そうやって生かされてきた感覚がずっとあるんです。向き合ったとしても本質的にはどうしようもないものを、それでもずっと見つめ続けるとか、その近くにいることを認めてあげるというか。

そういうスタンスがReoNaの音楽にもあるとずっと感じていたので、ある種、この虚しさと美しさみたいなところに惹かれているのかなと思います。

冨田 遠藤周作の「沈黙」じゃないけど、神は答えてくれないんですよね、きっと。でも、自分の中で音楽を作り続ける哲学を見出さなくてはならない。音楽制作は、セールスなりトレンドなり、色んなノイズがまとわりつくじゃないですか。そのなかで「じゃあ自分は何のために音楽を作るんだ?」という、向かう先を純粋化させるための考え方として、音楽自体を神として位置付ける。それは音楽家にとってすごく必要な精神性だと思うんですよね。ゼロからモノを生み出す作業をしているとき、クリエイターは孤独だと思うんです。誰も答えを与えてくれない。その中で、もがいて苦しんで、だけど喜びと楽しみを見つけながら作り続けていかなくてはいけない。そのために見出した哲学なんだろうなと、今お話を聞いていて、すごく感じました。

堀江 そうですね。整合性のある考えではないと自分でも思うけど、でもみんなそういうものなのかなとも思うし、そうしておかないと自分を見失ってしまいそうになる。

音楽家だけに限らず、アーティストやクリエイターのように表現をする人は、「何してんだろ俺」みたいな瞬間が、少なからずあると思うんですよ、衣食住みたいに、生きていくのに必要なものではないから、言ってしまえば自己満足と自己陶酔の世界でもある。そういう虚しさも隣接するなかで、「いやいや、これは自分が生き続けるのに必要な祈りだから」とか「巡礼だから」っていう風に、自分だけがわかっていればいいルーツを見出すことは、この生業をやっていくには必要なことだと思うし、自分が身につけたのはこういうスタンスだった、という話ですね。

冨田 無理やり繋げるようですけど、そういうある種の、自分の中でずっと去来する想いを抱えながら生きていかなくてはいけないことに対する“気付き”を、「BIRTHDAY」と名付けたのが、あの曲なのかなと思うんですよ。この歌詞でタイトルが「BIRTHDAY」というのは、やっぱりすごいなと。

堀江 「BIRTHDAY」を書いたのはかなり前ですけど、当時、ReoNaとたくさん話をしたんですよね。それで「まだ生き続けている理由をメモしてきて」と宿題を出したら、思っていた以上に書いてきてくれて。それを一度分解して、自分の頭の中に並べて、もう1回構築し直す形で作っていった曲でした。“孤独”というワードは、僕の中では冷たさと温かさの両方を持っている感覚があって。仏教の経典に「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉がありますけど、人は多くのものを得たとしても、本質としてはひとりぼっちだと思うんですね。でも、だからこそ、1人ということを認識さえしていれば人と居られるし、人と分かり合おうと思える。その感覚を「BIRTHDAY」には結構込めたんです。

“誕生日”というのも、生まれてしまった苦しさを知ることで、ようやく生まれた美しさを知ることができると思うんですね。

“恐怖”“辛さ”“憎しみ”といった暗い感覚と向き合って、やっと見えてくる美しいもの・眩しいものが自分自身は好きですし、それを描き出したくて音楽をやっている側面もある。そんなな中で、ReoNaが持ってきたものは、“生きている理由”というよりも“死なない理由”が多かった。「ああ、これは自分が表現したい陰影、光と影にすごく相性が良さそうだな」と感じて、「死ななかった日を生まれた日としよう」と思ったのを覚えています。

冨田 その逆説的なものが結果、世界を肯定する部分があるなと。絶望から生まれた音楽がこんなに美しいなら、逆説的に世界や命は素晴らしいじゃん、っていう。

堀江 僕も、愛や美しさを歌う音楽も好きで聴きますし、そういう真っ直ぐな想いや言葉で歌う人に励まされたこともたくさんありました。でも、そういうことは、しっかり目を見て「お前のことが好きだ」「この世界は美しい」と言える強さ、エネルギーを持った人にやってもらいたい。自分は、人の目を見て話せない人間だからこそ言えるエネルギーがあるだろう、ということをしたいんですね。自分もReoNaも、あるいは一緒に音楽を作ってるスタッフもきっとそうで、自分自身に嘘をつかずに音楽をやれる方法は、今のところこういう視点だったっていう感じですね。それこそ僕のみならず、いつもReoNaの楽曲を作っている皆さん、ハヤシケイさんにせよ、毛蟹くんや傘村(トータ)さんにせよ、話していても全然目が合わないですからね(笑)。

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0点のオファーから生まれたReoNa×堀江晶太の新曲「命という病」

――ここからはニューアルバム『HEART』に収録の新曲「命という病」についてお話を聞いていきます。そもそもどんなオファーをいただいたのでしょうか。

堀江 ReoNaチームから「久しぶりに1曲まるっと楽曲提供をお願いできないか」というお話をいただいたので、「ぜひやりたいです」と返事をして、どんな楽曲がいいのかを聞いたところ、「こちらからは特にないので自由にお願いします」と言われまして。

これ、職業作家として受けるオファーとしては0点なんですよ(笑)。「堀江さんらしければなんでもいいです」と言われても、それなら自分のバンドやライフワークの音楽で作ればいい話なので、本来であれば一番困るオファーなんです。

でも、ReoNaチームからそう言われると意味合いが全く反対になる。これまで一緒に長くやらせてもらってきたなかで、何が美しいかの価値観も一緒に共有してきたチームでありアーティストなので、そういう人たちから「なんでもOK」と言われるのは、すごく嬉しかったし、ワクワクしました。絶対に向こうも僕がワクワクするのをわかっていて、信じてくれてのオファーだということがわかった。「別にReoNaらしくなくてもいいです」とまで言われた記憶があって、本当に全部を預けてくれた感覚、優しく丸投げしてくれたので、じゃあ自分はそれを優しく台無しにして戻したいな、と思いながら家に帰ったことを覚えています。

――「台無し」という言葉のチョイスがいいですね。

堀江 ReoNaは“絶望”というワードを掲げながらも、別にその絶望から救い出すとか希望があることをまったく歌わないところがいいなと、自分はずっと思っていて。それって、見方を変えれば、「ここにReoNaの歌声と音楽と言葉を置いておきますね」しかやらない人だと思うんですね。なので、今回は逆にそれをReoNaにやってやろうと思って。ReoNaはもらっても別に嬉しくないけど、僕にしか贈れない謎のオブジェクトみたいな曲を作ってみたかった。それで、さっきお話しした僕なりの“祈り”という音楽の概念や、ReoNaが持っている“絶望”というモチーフを組み合わせて導き出されたのが、命について歌う、というテーマでした。ただ、そこからが大変で、うかつに扱うものではないなと思ったんですけど(苦笑)。

とにかく、僕のスタンスとReoNaのスタンスについて、嘘になるワードは使いたくない。そこで、「BIRTHDAY」はReoNaの内側から生み出したものを自分が1本に繋いだ曲だったので、今度は似たようなことをReoNaの力は一切借りず、もう一度自分でなぞっていって作ったのが「命という病」になります。だから本質としては同じで、「死ななかった日を生まれた日としよう」っていう曲ですね。“生きる”というのは、ひとまず今は死ななかったというのが、ただ漠然と続いているだけ。そういう歌が私にもReoNaにもそろそろあっていいかな、と思って書きました。歌詞に使ったワードやモチーフも、あえてReoNaらしさは考えず、「別に誰の歌でもなくていいや」という感覚で書いたので、その意味では職業音楽家の感覚は捨て去って、遠慮なく書かせてもらいました。

冨田 確かにこの曲のテーマ性は非常に重いし、自分の心が逡巡し続けている感じをそのまま歌詞にしているような印象がありますけど、でも実はある種明快だなと思ったのが、タイトルですよね。「命という病」。命があること自体が、すでにもう病である、と。だけど、曲はすごく美しくて、物悲しい雰囲気もある。「“生きる”って素晴らしい」という言葉が簡単に言えてしまうなかで、このアンビバレントな感じが僕はすごく良いなと思ったんですよね。で、なおかつ、まるで独白のように内面が歌われているかと思いきや、急に“お前に聞いてんだ”って突きつけられたりする。そこにすごく堀江晶太の毒を感じましたね。

堀江 ここはすごく面白くて。今おっしゃっていただいた2か所は自分にとってもこの曲の中核なのですが、元々歌詞の中に「命という病」という言葉はあったけど、それを楽曲名にしようと提案したのはReoNaなんですよね。僕の中にもその選択肢が浮かんでいたなかで、元々付けていた仮タイトルは「罰」だったんですけど、レコーディングの休憩中にReoNaから、「この曲、なんで『命という病』というタイトルじゃないんですか?」と言われて、「そうだよな」と。ReoNaがそう言ってくれたことが嬉しかったし、その曲名にすることがReoNaと一緒にこの曲を生み出した証明になるなと思いました。

“お前に聞いてんだ”に関しても、最初にReoNaチームに提出した時は“お前に聞いたんだ”に変えていたんです。でも、レコーディングの時にReoNaチームのプロデューサーから「ここはもっとありのままの言葉で言ってもいいのでは?」と言われて、元に戻した経緯があって。この曲を象徴的にしてくれたその2つの要素は、僕1人で納品していたら今の形になっていなかったので、ReoNaとReoNaのチームと一緒に作った曲にさせてもらえたのが嬉しかったですね。

――サウンド面では、先ほど冨田さんがおっしゃっていたようなジャンルの系譜、エモコアなどの要素が反映されている印象ですが、音楽的に意識したことはありますか?

堀江 メロディはReoNaらしさを考えないところから始まったので、〇〇風とか今どきか昔っぽいかという色は一切排除して、自分自身が未来永劫美しいと思える、普遍的でタイムレスなメロディを目指しました。アレンジも同じで、自分の中にいくつかある“祈り”にふさわしい音色を、この楽曲を制作しているなかで新しく見出したものを含め、入れられるだけ入れています。それはピアノのフレーズや、盛り上がるパートでほんの少し入れているパイプオルガンの音もそうですし、ギターはあえて汚し尽くすことで美しさが見えてくるような音にしたかった。

それと、僕を音楽業界に拾い上げてくれた恩師みたいな人が、以前に「お前の音楽は、賛美歌ではないけど、ゴスペルのようだ」と言ってくれたことがあるんですね。その言葉の真意はわからないですけど、でも、持たざる者がそれでも祈りたいという気持ち、何とかなりたいという思いを、自分が音楽を作るうえでのヒントにしていて。もちろん本物のゴスペルをマネするわけではないのですが、最近は自分なりのゴスペルを新たに作り出すことを意識しているので、そういう音楽作りの最新版として、ちゃんと納得いくものができたと思っています。

冨田 そのゴスペルという例えはすごくわかる話で、音の積み重ね方を含めた強烈な歓喜と感動というか、内側から湧き上がる感じがすごくゴスペルらしいですよね。本物のゴスペルを歌っている人たちは、みんな号泣しながら歌ったりするじゃないですか。堀江晶太はそれを1人で、歌詞、作曲、編曲、楽器の積み重ねで作り出して、ReoNaという依り代を通して表現した。それがこの「命という病」という楽曲なんだなと、すごく納得しました。

――この楽曲のもうひとつのトピックとして、堀江さんがバッキングボーカルで参加しています。

堀江 あれは、僕が歌いたいと言い出したわけではなくて、ReoNaチームのプロデューサーが「歌いなよ」と言ってくれたので、流れでそうなったんですよね。

冨田 だからこの曲は(ReoNaと堀江晶太の)2人の歌なんですよね、やっぱり。

堀江 まあ、職業作家としてはちょっと恥ずかしい気持ちもありつつ(笑)、こういう曲だし、ReoNaチームならいいかということで、今回は甘えさせてもらいました。でも、自分の歌声を後ろに添えさせてもらえたのはすごく嬉しかったです。節々で下ハモを歌っていますし、ラスサビの歌だけになるところでは、ReoNaが歌う主線以外のところ、コーラス部分は上から下まで僕が自分のスタジオで録音した歌を使っていて。そこも僕なりの祈りを込められた場所だったなと思います。そういう制作を許してくれたReoNaチームとReoNa自身に感謝ですし、そうやって作ったものが何か意味のあるものになってくれたらいいなと思いますね。

冨田 めちゃくちゃいい曲ですよ、本当に。

――最後に、今回の3rdアルバム『HEART』を経たReoNaさんの今後の活動に期待することを、お聞かせください。

堀江 出会った頃と比べると、めちゃくちゃ逞しくなったなと思います。傍から見ていても、なかなかに過酷なスケジュールや稼働量なので、昔は多分いっぱいいっぱいだったと思うんです。でも、最近、話した時に、周りから与えてもらったもの、託してもらったものを、ちゃんと花開くところまで持っていかないと納得できないし、贈ってもらったものがちゃんと報われる自分でありたい、ということを話してくれたんですよね。そんなこと、デビューした頃のReoNaは絶対に言わなかっただろうなと思って(笑)。

でも、もっともっと逞しくなっていくでしょうし、逆にやりすぎて苦しくなって、また弱くなったReoNaも見たい気持ちが個人的にはあって。なので、光をどんどん宿し続ける目をしたReoNaになってくれてもいいし、いきなりその光がなくなって、「ああ、元通りだ」みたいな目になったReoNaになってもいい。どっちにしても、書きたい曲というのはまた自分の中で生まれてくるだろうなと思うので、つまり、どっちでもいいです(笑)。どっちにしてもまた呼んでください。自分は本当にいち音楽家として、なんであれそばにいます。

冨田 自分も、今まさに堀江くんが言ってくれた、そのままの気持ちですね。アーティストには、その時代の社会的背景も含め色々なバイオリズムがあると思うのですが、今回の『HEART』は、明らかに希望を歌っている曲もあれば、命が続いていくことの病と向き合っていく歌もあって、不器用でもいいから絶望を全肯定したその先みたいなものが歌われたアルバムだと思うんですね。これが今のReoNaの境地である、と。

ReoNaという表現者の役割は今後もずっと生まれ続けるだろうし、最早、ReoNaのアーティストとしての表現のバイオリズムみたいなものが、誰かにとっての人生になっているんじゃないかと僕は思っていて。聴き手のファンの皆さんにとっても、1つの人生というか、命になってる。それが垣間見えたアルバムだったので、もう本当に、今後どうなっていっても構わないから、いつまでも素晴らしい表現者で居続けてください。

――お二人とも、この先どんなことがあっても、ReoNaさんを追い続けるということですね。

冨田 もちろん。本当に面白い人なので。

堀江 そうそう、他にいないですからね。

●リリース情報
『HEART』
10月8日リリース

【完全生産限定盤(CD+BD)】

品番:VVCL-2756~2757
価格:¥8,800(税込)

【初回生産限定盤(CD+BD)】

品番:VVCL-2756~2757
価格:¥4,400(税込)

【通常盤(CD)】

品番:VVCL-2760
価格:¥3,300(税込)

<CD>
1. HEART
作詞・作曲:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 編曲:Ryo’LEFTY’Miyata
2. 命という病
作詞・作曲・編曲:堀江晶太 Backing Vocal: 堀江晶太
3. オルタナティブ
作詞:Ryo’LEFTY’Miyata 作曲・編曲:Ryo’LEFTY’Miyata、TETSUYUKI、Haruka Kikuchi
4. 芥
作詞・作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:島田昌典
5. GG (アニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインII』オープニングテーマ)
作詞:rui(fade)、ハヤシケイ(LIVE LAB.)、ReoNa 作曲:rui(fade) 編曲:rui(fade)、⽑蟹(LIVE LAB.)、Sugi from coldrain
6. Debris (ゲーム『SYNDUALITY Echo of Ada』テーマソング)
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:堀江晶太 弦編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
7. ガジュマル ~Heaven in the Rain~ (TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』エンディングテーマ)
作詞:ReoNa、ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:Pan(LIVE LAB.)、 宮野幸子(SHANGRI-LA INC.) 弦編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
8. R.I.P. (TVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』エンディングテーマ)
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲・編曲:毛蟹(LIVE LAB.) ブラスアレンジ:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
9. かたっぽの靴下
作詞・作曲:映秀。 編曲:kajiya
10. オムライス
作詞・作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:荒幡亮平
11. End of Days (TVアニメ『アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】』オープニングテーマ)
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.), ReoNa, rui(fade) 作曲:rui(fade)編曲:堀江晶太 弦編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
12. 生命換装 (TVアニメ『アークナイツ【焔燼曙明/RISE FROM EMBER】』最終話エンディングテーマ)
作詞・作曲:傘村トータ(LIVE LAB.) 編曲:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.)
13. コ・コ・ロ
作詞:宮嶋淳子 作曲・編曲:荒幡亮平
Bonus Track. SWEET HURT -Naked-
作詞・作曲:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 編曲:山口隆志

<Blu-ray>
『ReoNa ONE-MAN Live Tour 2025 “SQUAD JAM”』-Live at KT Zepp Yokohama 2025.3.29- ※完全数量生産限定盤に収録
1. GG
2. JAMMER
3. ANIMA
4. VITA
5. R.I.P.
6. 生命線
7. Runaway
8. By myself
9. Game of Love
10. Girls Don’t Cry
11. Oh UnHappy Day
12. Toxic
13. Disorder
14. Independence
15. 革命
16. Dancer in the Discord
17. ハレルヤ
18. YOU
19. Debris

『Music Video』 ※完全数量生産限定盤、初回生産限定盤に収録
1. HEART -Music Video-
2. R.I.P. -Music Video-
3. ガジュマル ~Heaven in the Rain~ -Music Video-
4. オムライス -Music Video-
5. GG -Music Video-
6. Debris -Music Video-
7. End of Days -Music Video-
8. HEART -Lyric Video(London’s Heart)-

●ライブ情報
ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2025 “HEART(ハート)”
11/21(金) 戸田市文化会館(埼玉) OPEN 17:30 / START 18:30
11/24(月・祝) フェニーチェ堺 大ホール(大阪) OPEN 17:00 / START 18:00
12/5(金) 福岡国際会議場(福岡) OPEN 18:00 / START 19:00
12/20(土) サッポロファクトリーホール(北海道) OPEN 17:00 / START 18:00
12/22(月) 昭和女子大学人見記念講堂(東京) OPEN 17:30 / START 18:30
12/27(土) 愛知県芸術劇場 大ホール(愛知) OPEN 17:00 / START 18:00

関連リンク

ReoNa オフィシャルサイト
https://www.reona-reona.com/

ReoNaオフィシャルX
https://x.com/xoxleoxox

ReoNaオフィシャルX(スタッフ)
https://x.com/ReoNaStaff

ReoNaオフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCyUhtF50BuUjr2jOhxF3IjQ

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