【エッセイ連載】「伊藤美来のmoi!」第18回:推しは推せる...の画像はこちら >>

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声優アーティスト・伊藤美来が日常で感じたことを切り取り、私らしく文章にしていくエッセイ連載「伊藤美来のmoi!」。

「初めましての方や応援してくれている方にも、表面的な私だけではなく自分の頭の中を見てもらう気持ちで書いていきたい。

“伊藤美来”がどんな人間か知ってほしい」。
そんなオモイを込めて言葉を綴っていきます。

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好きなドラマが終わってしまった。私の人生観が変わるような大好きなドラマ。そのドラマは、アラフォーと呼ばれる年齢の独身女性が1人の時間に1人でい色んな経験をする、ソロ活を楽しむという内容のドラマだった。この作品を知ったきっかけはネイルサロン。ネイリストさんが最近ハマっている作品なんだと教えてくれた。当時、なかなかドラマを観るモチベーションがなかった私だが、この作品はいい意味で何も考えず、ただただソロ活を一緒に楽しんでる感覚になれて、当時の私にぴったりだった。家に帰ってからすぐに続きを観始め、あっという間にハマってしまった。全話観ただけでは飽き足らず、何度も何度も観た。たぶん5周くらい。こんなことは大人になってから初めて。
もちろん好きな作品を観返したり、好きな回を繰り返し観ることはあったが、こんなに生活の一部になるとは。毎朝、起きたらドラマを流しながら仕事の準備をして、帰って来てからも流しながら作業をする。「今度休みができたら女優さんが行ってたこのお店に行ってみよう」とか「作品に出てたこれに挑戦してみたい」とか、私の休日に希望をくれた。いや、人生に勇気と彩りをもらっていたと言っても過言ではない。

毎回新しい話が更新されるたびにワクワクした。このドラマは1クールのドラマだったが、毎年春になるとシーズン2、3のようにシリーズが続いていた。なのでこのままずーっと続き、最終的に海外編の劇場版をやるんだろうな、なんて思っていた。思っていたのに……。毎回最終回には、次のシーズンに繋がるような演出がなされるのがお決まりだった。しかし最新シーズンの最終回は、完全に続きはない雰囲気で終わった。いい感じに今までのシーンが出てきて、まとめられてしまった。きっと完結したのだ。

あーこれから何を楽しみに生きていったらいいんだ。ずっと続くと思っていたのは私の勝手な勘違いだ、わかってる。それでも……寂しい。いや、完全に終わりですとも言われたわけじゃないけど……。

仕事柄、作品が最終回を迎えたり、サービスを終了したりすることには慣れてきたはずだった。でも自分が関わっている作品の終了とは、また違う感情に襲われている。終わってしまったことは自分ではどうしようもできないし、受け入れるしかない。でも何も知らないからこそ、いつかまたあの女優さんがソロ活してる姿を観られるんじゃないかという希望も生まれる。感情のジェットコースターだ。こんなとき、どうやって自分の気持ちに向き合っていけばいいのだろう。今はいい時代だ。会いたいと思えば動画配信サイトを開けば、いつでもその作品の世界に戻ることができる。

しかし、もしサイトが開けなくなったら?配信の継続をやめちゃったら?私調べによるとこの作品は、DVDが発売されていないのだ。二度と観られなくなっちゃうのかもしれないと考えるだけで涙が出てくる。こんなにハマるなら全話録画しておくんだった!終わってしまってからいろんな後悔に苛まれるファン心。

でも悲しむ前にまずは感謝をしなければ。このドラマを作ってくれた方々、そして原作者様、役者の皆さん。このドラマをきっかけに主演の女優さんの虜になってしまった私は、心の穴を埋めるため、その女優さんの出ている作品や動画を片っ端から漁っているところだ。名作は不滅だというし、完全に観られなくなることはきっとない。続きがまた制作される日だって来るかもしれない。ただ待っていられても制作側からしたらプレッシャーだと思うが、心の中で期待し続けさせてほしい。そして私にできることは、今までどおり何度も配信を観ること。愛し続けること。忘れないこと。

最後が一番大事。作品も人と同じく、忘れ去られると消滅してしまう気がする。

世の中のすべてには終わりがあって、永遠に続くものはない。だからこそ今やりたいことや、好きなものに全力を注ぎなさいというんだな。推しは推せるときに推せとはよく言ったものだ。全力すぎても、ふと我に帰ったときとの落差に風邪を引いてしまうこともあるけど。それでも、全力で好きだったことは変わらないし、たとえ過去になったってその時間が消えることはない。何かを好きになれる生き物として生まれてよかったな。人間に生まれた私は、前世相当いいことをしたんだ。人間でよかった。おっと、好きなドラマが終わってしまったことからここまで考えが飛躍してしまうとは。そんなことをぼんやり考えながら、ドラマに出てきた喫茶店で1人、この原稿を書いている私。

推し活は抜かりなく。ソロ活も抜かりなく。

▼私の最新ソロ活はソロ夢の国ホテル朝ごはん。
ホテルに泊まらず園内にも入らず1人ピクニック。

関連リンク

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