夢は始まったばかり!愛美・大塚紗英・西本りみが語る、Popp...の画像はこちら >>

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次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』の出発点にして、この10年、キラキラドキドキのバンドドリームを体現してきたPoppin’Partyが、通算21作目となるNew Single「Drive Your Heart」をリリースした。2025年は、2月に3rd Album『POPIGENIC』を届け、5月26日には自身3度目となる日本武道館ワンマン“Poppin’Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」”を開催。

さらに上海公演や「Animelo Summer Live 2025 “ThanXX!”」出演など10周年のアニバーサリーイヤーに相応しい活躍ぶりを見せてきた彼女たち。その先に広がる新たな夢と未来が詰まった本作について、ギター/ボーカルの愛美(戸山香澄役)、ギターの大塚紗英(花園たえ役)、ベースの西本りみ(牛込りみ役)にたっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

10周年、3度目の日本武道館ライブでポピパが伝えたかったこと

――2025年、皆さんにとってどんな1年になりましたか? 10周年イヤーを駆け抜けてきた感想をお聞かせください。

愛美 ひさしぶりに「ずっとPoppin’Partyしてるな」って感じる1年でした。デビューから5年くらいまでは毎日濃密にPoppin’Partyしてたんですけど、「バンドリ!」にいろんなバンドが増えたこともあって、自然とライブ以外の活動が少し減っていた感じがしていたんですよね。なのでここ数年は、毎日メンバーと顔を合わせるというよりも、ライブの時に集まって「ヤッホー」みたいな感じで。でも、この10周年イヤーは「ぽぴばん!~ぽぴぱのばんぐみ~」(Poppin’PartyのYouTube冠番組)が再始動したり、ライブ以外の活動もたくさんあったので、ずっとポピパを感じることができて嬉しかったです。

大塚紗英 確かに「ぽぴばん!~ぽぴぱのばんぐみ~」もそうですし、トークイベント(3月20日に行われた「ポピパの新学期!」)とかも含めて、みんなでいつもの話をメディアの前でする機会が増えましたよね。ここ数年はバンド活動中心で、ライブのためにみんなで集まって話し合いやリハーサルすることは多かったですけど、ゆるっとした活動は昔よりも少なくなって。

愛美 「ポピラジ」(「バンドリ!ポッピンラジオ!」/2022年6月で放送終了したPoppin’Partyの冠ラジオ番組)大好きだったなぁ。私は結構「ポピラジ」で仲を深めあった自覚があるので。

大塚 わかります。なので今年はみんなでいろいろなことができて大塚にとっても嬉しかったし、やっぱりポピパは安心する場所というのを個人的にすごく感じました。

このお仕事していると、いろんな現場に行くので「いつも通り」なことってあまりないなかで、「そのいつも通り」があるっていうのがすごく貴重でありがたいなと思いましたね。

愛美 おおー。さえチ(大塚)がそう言ってくれるのは嬉しいな。りみりん(西本)は、よく言ってくれているもんね。安心するって。

西本りみ そうなんです。私は人見知りで、人の輪の中に溶け込んでいくのが苦手だからこそ、帰ってきたときにどんな素の自分でも受け入れてくれる仲間がいるのがすごく心強くて。だから、ポピパの現場とか毎週のスタジオ練はいつも安心するんですよね。メディアを通してポピパの素のトークを聞いてもらえる機会は減りましたけど、会えばいつものポピパなんです。今年はそれを実感できる機会がすごく多かったです。

愛美 ポピパのトークや活動が増えることで、すごく喜んでくれる人もたくさんいた印象だったので、その意味では、ファンの皆さんに恩返しができているのかなっていうのを実感した1年でもありました。ショートアニメの『つれづれポピパ』も、ポピパメンバーの素みたいな日常部分の受けが良くて。

なので私たちはそういうバンドなのかもしれないですね。キャラもキャストも!

――日常や素の温度感も含めて愛せるバンド、ということですね。10周年イヤーの中で、特に思い出に残っていることを挙げるとすれば?

愛美 いやー、やっぱり日本武道館ライブ(5月26日に開催された“Poppin’Party 10th Anniversary LIVE「ホシノコドウ」”)になりますね、私は。語り始めると日本武道館インタビューになっちゃうかも(笑)。

――その日本武道館公演の映像を収めたBlu-rayが、今回、New Singleと同時にリリースされますので、ぜひそのお話もお聞かせください。

愛美 2025年の上半期はこの日本武道館に向けていろんな調整をしました。ひさしぶりにライブ前に自分がヒリついているのを感じて。初めての日本武道館(2017年8月21日に行われた“BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館”)の時を思い出すくらい、自分の中で意識が研ぎ澄まされていたので、「ライブ前は絶対に心の余裕がないので、ちょっとスケジュール調整をお願いできませんか」って事務所に頼み込みました。心が耐えられる仕事だけ入れてもらうようにしました。

西本 そうだったんだ。

愛美 ソロアーティスト活動の方でも楽曲制作が続いていたので、その時期はレコーディングや作詞作業を入れないようにするとか、細かい調整を多方面でして。個人的にはそれが効果的に出たと感じていて、これまでのバンドリ!のライブ活動を踏まえて、ある程度の予測を立てられたのが良かったです。

なので日本武道館は満足のいくライブができて本当に良かったです。

――ポピパの日本武道館ライブは、2017年、2019年に続いて3度目だったわけですが、やはり今回の公演に懸ける思いは強かったんですね。

愛美 10周年を背負ったライブでしたし、ファンの方も日本武道館に特別な思いを抱いてくださっているのはわかっていたので、相当なプレッシャーでした。10周年って、やっぱり特別なんだなって思いましたね。

西本 私もあいちゃん(愛美)と一緒で、日本武道館公演には並々ならぬ思いがありました。元々日本武道館という場所自体、私にとってはすごく特別な夢の場所でしたし、ポピパの単独としては約6年ぶり。もう立つ機会はないのかな?と思ったりもしていたので、決まった時はものすごい感情になってしまって。だからこそ絶対に後悔を1ミリも残さないライブにしたいと思って張り切って挑みました。だから、当時おへそくらいの長さまであったロングの髪の毛を、日本武道館のタイミングで牛込ちゃん(西本が演じる牛込りみ)の髪の長さまで切って、この10年を経て牛込ちゃんと一心同体になった状態で日本武道館に臨もうと決めて。

大塚 すごい覚悟ですよね。髪は女の命ですから。

西本 なかなか切るタイミングがなくて伸ばし続けてたら、いつの間にかバンドリ!声優で一番髪が長いんじゃないか、くらいになってしまって(笑)。

牛込ちゃんへの愛と皆さんへの感謝も込めて、今だと思って切りました。自分の好み的に私服はロックに寄ることが多いので、牛込ちゃんのキャラとは乖離してしまうことが多いからこそ、この日本武道館は絶対に一心同体になろうと思って。

大塚 私は正直、最初は10周年を迎えられる想像がついていなかったんですよ。自分の場合はオーディションから参加させていただいて、ギターも演技も未経験の状態からのスタートだったので、10年後も同じ活動を続けている想像がつかなかったし、だからこそ、この10周年のライブのお話をいただいた時、自分の中でこれが最後になるかもしれないっていう怖さがあったんです。多分ファンの方にも感じていた人はいると思うんですけど、10周年は大きい節目である反面、そこで燃え尽きちゃうんじゃないかっていう怖さというか、ある種フィナーレみたいな感覚があって。

――なるほど。

大塚 なのでこの10周年ライブは、もしも最後になったとしても後悔したくない気持ちがすごく強くて、この2年くらいはずっと強い気持ちで活動に臨んでいました。実際に10周年ライブを終えた今、変わらないペースで活動を続けられているのは本当にありがたいことで、ファンの皆様のおかげではあるんですけど、今の未来があるかないかということが日本武道館にかかっていると思っていたので、応援してくださる皆さんにとっても満足いく日本武道館ライブにしたい思いが強かったです。

愛美 ファンの方だけじゃなくて、関わってくださるスタッフさんやコンテンツチームの方々にもいいライブだったと思っていただきたかったし、ポピパの未来を見せられるような、これからポピパとこんなことをしていきたいというビジョンを、10年経った今でも想像できるようなライブにしたくて。それはできたんじゃないかと思います!

大塚 めっちゃ話し合いをしたんですよ。日本武道館会議。何時間、何日にもわたって。

愛美 練習している時間よりも長かったかもね(笑)。演奏は個人で詰めるとこは詰められるので、どう見せるかっていうところをみんなで話し合って。

大塚 難しかったのが、ポピパの場合は、まずキャラクターがいて、アニメーションやゲームの世界観もあって、そのうえでリアルな活動もたっぷりしてきていること、多軸にわたってこの10年があるので、それをどう集約するのかっていう。それと楽曲も、かっこいい系からかわいい系、面白い感じとか、いろいろなタイプがあるなかで、ライブのカラーをどう作り上げていくのか、というのが会議の白熱ポイントでした。

――実際、どういう風に見せていこう、という結論になったんですか?

愛美 もちろん「感謝を伝える」というのは大前提なんですけど、自分たちにとってもご褒美ライブにしたい、というのがあって。それで1人1曲ずつ特別な思い出がある曲を選んだ“スターソング”というパートを作りました。本当は会議の時に、1人2曲ずつやりたい曲を挙げたんですけど……。

西本 そうそう、キャラとしてとキャストとして1曲ずつ。

愛美 でも、それでセットリストを組んだら収拾がつかなくなってしまって(笑)。なので「これだ!」っていう1曲に決めました。結果、ファンの方の嬉しい曲とリンクしたりもしたので、良かったなと思います。

――せっかくなのでBlu-rayの見どころポイントをお1人ずつ聞いてもいいですか?

愛美 「二重の虹(ダブル レインボウ)」で香澄(愛美が演じるキャラクター)が花道からメインステージに帰っていく時に、床に虹が現れてその虹を渡る演出があったんですけど、ぜひ観てほしいです。

あの演出は、どのタイミングで虹を渡るかすごく協議を重ねたんです。香澄に注目が集まって大丈夫なベストタイミングとか、歌詞的に意味合いのあるポイントとか、すごくこだわったので。

西本 私はステージ上からあいちゃんが渡ってくるのを見ていた側なんですけど、めっちゃ綺麗だったんですよ。だから私もそこはぜひ観てほしいですし、あとはみんながサプライズで掲げてくれた10周年のおめでとうの紙。みんなは掲げてくれていた側だから、そんなにわからなかったかもしれないですけど、本当に一面ピンクで、ステージ上から見たら、愛しか溢れてないような景色ですごく綺麗だったんです。あの瞬間は、すごく嬉しかった場面の1つですね。

大塚 私はメンバーみんなの表情ですね。日本武道館ライブを3回もできることは本当にありがたいことですけど、回を経て、みんなの10年間やってきたことや考えてきたことが、本当に表情に出ているなって思いました。

西本 え、なんか私、めっちゃ恥ずかしいかも。確か日本武道館の日、どうしたん?っていうぐらいめっちゃテンション高かったから。メイク中もずっと1人でしゃべっていて。

愛美 そうそう。ずっとニコニコだったよね、りみりんは(笑)。元気で嬉しいなと思いながら聞いてた。

大塚 寝ないできたんだよね?

西本 そう、楽しみすぎて寝れなくて(笑)。遠足の前みたいな気分で、すごく嬉しくて、多分ライブ中もずっとテンション高かった。

大塚 それとやっぱり“スターソング”は見どころのひとつだと思います。5人で楽曲の世界観を表現しているなかで、メンバーそれぞれに明確にスポットが当たること自体が貴重で特別な演出だと思うので。

――大塚さんがセレクトした「Returns」では、ソロでの弾き語り演出もありました。

大塚 あの曲はTVアニメの2期(アニメ「BanG Dream! 2nd Season」)でおたえ(大塚が演じるキャラクター・花園たえ)がポピパに帰ってくるための曲として使われたもので、今までタイミングが合わずリアルライブでの再現が叶っていなかったんです。それを日本武道館という特別なライブで実現できたのも嬉しかったし、自分的にはおたえのセリフを言うのがめっちゃこだわりポイントで。絶対にアニメを再現したくて、劇中のセリフをそのまま言わせていただきました。

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バンドの新しい未来を提示する新曲「Drive Your Heart」

――先ほど、日本武道館公演は「ポピパの未来を見せられる」ものにしたかったとの発言もありましたが、今回のNew Singleの表題曲「Drive Your Heart」は、まさに未来を見せてくれるような楽曲に感じました。

愛美 今までのポピパにはなかった激しさがありますよね。この曲はTVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez デラックス決勝編』の週替わりEDテーマなんですけど、私たちポピパメンバーはずっと「ライブ映えする曲がほしい!」と口を揃えて言い続けていたので、その想いも反映して作ってくださったのかなと思いました。

西本 この曲はドラムがものすごいことになっておりまして(笑)。ライブで演奏するとしたら、はっしー(ドラム担当の大橋彩香)が大変なことになりそうですけど……ぜひはっしーのドラムで聴きたいですね。

――ベースやギターを含め、全パートがかなり攻めていますよね。

西本 ポピパの曲はドラムとベースが高めあって、どんどんとんでもないことになりがちなので(笑)。めっちゃかっこいいです。

愛美 この曲、歌うのも大変なんですよね。(ギターを)弾きながら歌えるんだろうか……?(笑)。

大塚 私は歌詞がすごく好きで。作詞を担当している中村(航)先生はずーっとポピパの曲を書いて、誰よりもポピパに向き合っているなかで、今のタイミングにこの熱いメッセージを書いてくださったのがすごく嬉しかったです。「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」や「キズナミュージック♪」に直結しているわけではないですけど、そこから地続きで成長しているポピパだから書ける歌詞、という印象があって。深さを感じました。

愛美 10周年を経て最初にリリースするSingleが、“始まり”に着目した歌詞になっているのがすごくエモいですよね。ここに来て“始まり”を歌えるんだっていう。

――そう、“夢は始まったばかり”と歌っているんですよね。まだまだ終わらないっていう。

大塚 私は“一生”という言葉を使ってくれているのがすごく嬉しくて。これは勝手な妄想なんですけど、この“輝くあの光を一生”は、私たちキャストにも向けたメッセージとして入れてくれたんじゃないかなと思うんですよね。応援歌でもあり、「頑張れよ」っていう喝を入れる曲でもあるというか。この業界で長く続けていくことの大変さや難しさを理解してくださっている中村先生が、そのうえで“一生”って歌詞に書くのはすごいなと思って。だからこそ「よっしゃ!一生やれるところまでやるぞ!」というのを姿勢で示していきたいなと思いました。

愛美 私はDメロの“キミは誰より自由で 誰よりも熱かった”が、これは自分だなと思いました。この曲の歌詞は“始まり”だけでなく“過去”にも想いを馳せていて。このDメロの歌詞には「あの時の始まりはどうだった?」みたいなメッセージだと思いました。自分のことを振り返ると、そういえば10代の頃の私って、なんか無敵だったなあと思って。謎の自信に溢れていた当時自分が見ていた夢に想いを馳せるパートというか、「そんなもんじゃないだろう?」みたいな。さっきさえチが言っていたように、喝というか檄を感じました。

西本 私は一番の“一人じゃ何にも出来なかった”がすごく共感できました。ポピパと一緒だからできたこと、たくさんの人に支えていただいたからこそ叶った夢がたくさんあって。特にこの10周年のタイミングで、いろんな人がポピパを大事に思ってくれていることをすごく感じたなかで、この歌詞からもそういう思いを受け取りました。中村先生がずっと温かい目でポピパを見守ってきてくれてきたことを、歌詞の節々から感じます。

――ちなみに、10周年ライブを経た今、ポピパの中で新しく始まった夢なり、見せたい未来のビジョンというのはありますか?

愛美 それはまだ探している途中かも。これからどうなっていくのかは私たちにも全くわからないんですよね。10周年ライブがひとつの目標だったから……。

大塚 確かに。私たちがおばあちゃんになって、お客さんがおじいちゃんおばあちゃんになっても、ライブハウスでライブをする、ということだけは決まっているんですけど。

愛美 私、本当にここ数年、ずっとポピパの将来について考えていて。もちろんみんな長く続けていきたい気持ちはあると思うけど、そのためにはどう活動していくのがいいのか。でも、答えが出ないんです。

――ポピパが安心できる場所になっているという話もありましたし、形に捉われなくてもいいのかもしれませんね。

愛美 ライブをたくさんやってほしいという声に応えるためには、もしかして毎回みんなが揃っている必要はないんじゃないか?とかも考えたりしました。

大塚 あー、なるほど。実際そういうことをやっていた時期もありましたもんね。Zeppツアーを3人ずつで回ったりとか。活動の自由度を高める意味では賛成かもしれないです。私たちは5人とも特徴がバラバラで、なおかつ一人一人のタレント力が高いと思うので、何をやっても結構面白いんじゃないかと思うんですよね。だからそれぞれが各分野でいろんな活動を行って、5人揃った時に「やっぱポピパだよね」と思わせられる存在になれればと思って。今度は1人1番組持ったらいいんじゃないですか?で、ひとつは動物をかわいがるチャンネルにするとか……。

――自由すぎです(笑)。西本さんはいかがですか?

西本 私はまだまだ現役でしっかりPoppin’Partyしたいなっていう気持ちが強くて。それこそ“アニサマ(Animelo Summer Live)”とか“ロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)”にもまた出演したいですし、できることならまだまだいっぱいライブなりイベントなり、やりたいことがたくさんあります。

愛美 でも、思うんですけど本来これって私たちが考える事象じゃないんですよね(笑)。「バンドリ!」はキャストが演奏を行うという事項が大変すぎるがあまり、キャストの気持ちを慮ってくださる機会が多いんです。

大塚 それこそこの10年でいろんな変遷をたどっているので、逆にスタッフさんを含め創設から10年ずっと変わらずにいるのは、私たちポピパメンバーだけだったりするんですよ。その部分で尊重してもらえているのが大きいんだと思います。

愛美 10周年のタイミングでファンのみなさんもポピパの今後について考えたこともあるかと思います。でも、メンバーみんなに共通しているのは、まだまだやりたい事がたくさんあるというところです。だから今後もバンドを長く続けていくためにはどんな可能性があるのかを、ポピパは探っていきたいです。うちらで可能性を体現していこう!

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将来に思い悩むポピパメンバーたちの心情が投影された「ガルパ」曲

――カップリング曲についても聞かせてください。「とっておきAnswer」はアプリゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」のイベント「ともに歩む未来の道標」に合わせて発表された楽曲。伊藤彩沙さん演じる市ヶ谷有咲がバイトを通じて将来について考える内容でした。

愛美 最近のPoppin’Partyは、将来について悩んでいることが多いです。今回は有咲が悩んで、おたえがたくさんアドバイスをして……将来に対して想いを馳せるという意味では、ちょうどさっきのお話ともリンクしますよね。

大塚 もう1曲のカップリング曲「世界中の青空をあつめて」も含めて、今回のストーリーを通じて一貫して自分が思ったのは、おたえが“相談する側”ではなくて“される側”になっていることで、彼女が作中でその立場になることって結構新しいんですよ。おたえってキャラクター紹介にも「マイペースかつかなりの天然」と書かれているし、どちらかと言うと口下手な方だと思うんです。そんな彼女が、有咲のことを思って自分の考えをちゃんと言語化して説明できたことは大きな成長だと思いますし、そういう部分を描いていただけたのは嬉しかったですね。

愛美 確かに、おたえは真理を端的に話すから、みんなが一瞬理解できないことがよくあるけど、その行間をすごく丁寧に説明していたよね、今回のストーリーは。

――将来は何かひとつの道に進まなくてはいけないと悩む有咲に対して、楽器店とスタジオミュージシャンの仕事をどちらも続けていくと断言するたえが、答えはひとつじゃなくてもいいと気付かせてくれるっていう。

大塚 「ひとつじゃなくてもいい」というか「全部盛り」を選ぶ感じですよね、おたえは。別に大人になっても好きなことは全部やってもいいし、欲張ってもいいんじゃない?っていう。

――そうやって自分なりの答えを探していく気持ちが「とっておきAnswer」の歌詞には描かれていますが、楽曲的にはどんな印象を抱きましたか?

愛美 この曲はポピパの中でも“かわいい系”の曲ですね。“Do, Do, Do What You Love or Love”みたいに、ライブでみんなと楽しく歌えそうなフレーズもたくさん入っていて。なので私もキュートなアプローチで歌いました。香澄の心境で言うと、最近は「香澄ではない誰か」が他のメンバーの相談に乗って問題が解決していく流れが多いので、結構ラフな気持ちです。

――というのは?

愛美 一時期、香澄は“聖母”みたいな時期があって、香澄自体が色んな悩みを受け止めていくようなイメージで歌っていたんですけど、頼る場所が増えた安心感からのラフな香澄というのが存在していて。その気持ちで歌いました。また新たなフェーズに入った気がします。

西本 確かにすごくポピパらしい曲だなあって思います。かわいくてキャッチーで。そういえば最近ポピパのコーラスのレコーディング時間がどんどん短くなっていて、この曲はすごく早く終わったんですよね。5分か10分くらいでOKをいただいて。昔は牛込ちゃんの声で歌うのが難しく感じることもあったんですけど、今となっては、いつ声を出してもちゃんと牛込ちゃんの声で歌えるようになって。特にこういうかわいい曲は歌いやすいんですけど、そういうのをレコーディング時間の速さで実感しました。

大塚 でも、この曲、ハモラインが難しくない?私は5分では終わらなかった(笑)。

西本 私、それこそこの10年で主旋律よりもハモを歌う方が得意になったかも。最近は個人の活動で主旋律を歌う機会が増えているけど、なんか「私ハモリの方が好きかも?」って思うことがよくあって(笑)。

大塚 もしかしたらポピパでゴスペルやるのもあり?

西本 アハハ(笑)。

――もうひとつのカップリング曲「世界中の青空をあつめて」は、りみとたえにフォーカスした「ガルパ」のイベント「あの飛行機雲より高く、きみは」に合わせて追加されたナンバー。留学について思い悩んで落ち込むりみを見て、たえがりみに気持ちを届けたくて作詞した楽曲という設定です。

西本 牛込ちゃんは留学をすると言い出してから、その話が一体どこに落ち着くのかは私もまだ知らなくて。でも、牛込ちゃんの先の見えない不安な気持ちは私もわかるなと思って。牛込ちゃんが海外に留学したいと思ったきっかけが、「今よりももっと大きな自分に出会いたい」という漠然とした理由だったなかで、今回のストーリーでは、留学を目指す人の交流会でもっと明確な夢や目標を持っている人たちを目の当たりにして、「自分はこんな漠然とした理由でいいのかな?」って不安になるんですよね。そういう心の変化に、いつも真っ先に気付いてくれるのがおたえだと思うんです。それこそ、牛込ちゃんが留学のパンフレットを持っていたのをチラッと見ただけで「留学したいの?」って、何気なく道を示してくれたのもおたえだったので。今回の曲では、そんないつも影から見守ってくれていたおたえちゃんがソロパートを歌っているのが、個人的にすごくエモかったです。

大塚 そのソロパートの歌詞に“夢のカタチを見失っても 生まれた場所はここにあるよ”とあるんですけど、おたえとしても「Returns」で“生まれた場所”という言葉でポピパのことを書いていたうえで、この曲でプレゼントを送り返せたことが、むしろ嬉しかったんじゃないかなって思います。それにこの曲、メロディがすごくいいんですよね。シンプルな構成なんですけど、コードワーク的には複雑に聴こえるニュアンス感が意外と多いので、聴感上、感情が複雑に聴こえるような作りになっていて。そういうギミック的にも好きな曲です。

西本 今の話を聞いてふと思ったけど、確かにこの曲、おたえが作った曲っていう感じがするよね。曲の流れとか構成とかも含めて。それこそ「とっておきAnswer」は牛込ちゃんとかが書きそうな雰囲気の曲だけど、この曲は「Returns」味が強くて。

大塚 “sky”がモチーフになっているところも一緒だからね。やっぱり「バンドリ!」は制作陣がすごいんですよ。もちろん私たちも個々人でスキルアップしていきたい気持ちはありますけど、現場で一番大切にしているのは「キャラクターがどう生きているのか」というところなので、それがキャラクターコンテンツのあり方として素敵だなと思います。

――愛美さんはレコーディングでどんなことを意識しましたか?

愛美 この曲はBメロの“Contrail Ways”の最後の“s”をつけて歌うか歌わないか、結構協議しました。デモの仮歌は“s”が反映されていなくて、“Way”と歌っていたんですけど、結果「ここは“s”をつけましょう」ということになって。それで私も「あっ!飛行機雲ってひとつじゃなくていいし、いろんな道があっていいんだ!」と思って、ハッとしましたね。牛込ちゃんだけじゃなく他メンバーの進路も表現しているんだなって。誰がどの道に進んでも同じ空でつながっているんだなって。

大塚 確かに。それでいて“留学”とか決定的なワードが歌詞に入っているわけじゃなくて、誰にでも刺さる形でまとまっているのが素敵ですよね。誰でもハッと共感できるような曲になっていて。

愛美 「ガルパ」のストーリー的には、おたえからりみりんへの歌だけど、Poppin’Partyのメンバーに向けての曲でもあるし、飛行機雲は色んな方向に伸びていて、色んな空でみんなに輝いてほしい。そういう応援ソングにも受け取れると思います!

――ちなみにこの曲のタイトル、作詞した中村さんの小説の題名と同じなんですよね。

西本 えー、そうなんだ!

愛美 そういえば、ファンの人がそんな反応をしていた気がする!

大塚 何か繋がりがあるのかな?その小説も読まなくちゃ。

西本 本屋さんに寄って帰ろう。気になる。

「10周年を超えたポピパはすごいぞ!」

――2026年の予定としては、1月3日に単独公演“Poppin’Party New Year LIVE「Happy BanG Year!!」”を開催。2月28日には「バンドリ!」のバンドが集結する“BanG Dream! 10th Anniversary LIVE「In the name of BanG Dream!」”、さらに5月3日にはRoseliaとの合同ライブの開催も決定しています。最後に2026年に向けての抱負と意気込みをいただけますでしょうか。

西本 ポピパは『ぽぴどり(劇場版『BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!』)』の時に元日から舞台挨拶でみんなと会えた年もあって、何気に新年が似合うイメージもあるので、10周年を経て、年明け早々からまたみんなに会えるのがまず嬉しくて。BanG Dream! 10th Anniversary LIVE「In the name of BanG Dream!」はバンドリ!キャストが勢揃いして盛りだくさんなライブになると思いますし、Roseliaさんとの合同ライブも、お互いに刺激し合っていいライブになったらいいなと思っています。ポピパはまだ「とっておきAnswer」を探している段階ではありますけど、それを見つけるために、2026年も、足を止めずがむしゃらに突っ走っていく1年にできればと思います。

大塚 とにかく「10周年を超えたポピパはすごいぞ!」というのをカギ括弧に入れて見出しにしていただければと(笑)。リスアニ!の読者の方には、もちろんポピパの名前を知ってくださっている方はたくさんいると思うんですけど、今のポピパの魅力をもっと伝えていきたくて。客観的に見てもポピパはすごく魅力の溢れるグループだと思うので、ぜひライブで演奏やパフォーマンス、演出を含めて体感していただけたら嬉しいですし、私もこれからずっと続けていくために頑張っていきたいです!

愛美 「バンドリ!」は2月28日のBanG Dream! 10th Anniversary LIVE「In the name of BanG Dream!」までが10周年イヤーなので、10周年をお祝いするムードの中で自分はどんな気持ちになるのかなと思っていて。きっとすごい景色が待っていると思うんです。ポピパとしての10周年は日本武道館で特別なライブができたので、「バンドリ!」としての10周年も特別な瞬間にしたいですし、まずはそこを終えてからが2026年だと思いたいです。

西本 どういうこと?(笑)。

大塚 逆にそれが終わるまで明けないんだ(笑)。1月3日のライブは「プレあけおめ」で、2月28日に「今年も大変お世話になりました」で締めるっていう。

愛美 バンドリーマーの皆さんは2回あけおめができますね!2026年もよろしくお願いします!

●リリース情報
Poppin’Party 21st Single
「Drive Your Heart」
2025年12月24日(水)発売

【Blu-ray付生産限定盤】

品番:BRMM-10994
価格:¥8,800(税込)

【通常盤】

品番:BRMM-10995
価格:1,760円(税込)

<CD>
1.Drive Your Heart
2.とっておきAnswer
3.世界中の青空をあつめて
4.Drive Your Heart -instrumental-
5.とっておきAnswer -instrumental-
6.世界中の青空をあつめて -instrumental-

<Blu-ray>※Blu-ray付生産限定盤のみ
Poppin’Partyトークイベント「ポピパの新学期!」
1部公演
2部公演

【初回生産分限定封入特典】
・Poppin’Party×Roselia 合同ライブ 最速先行抽選申込券
・オリジナルキャラクターカード1枚(全5種)
・カードファイト!! ヴァンガード PRカード1枚(全1種)

関連リンク

「BanG Dream!」公式サイト
https://bang-dream.com

「BanG Dream!」公式X
https://x.com/bang_dream_info

YouTube「バンドリちゃんねる☆」

公式Instagram
https://www.instagram.com/bang_dream_official_/

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