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2026年1月17日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて、アニソンシンガー・鈴木このみによるワンマンライブ”鈴木このみ Live 2026 ~Anison Collection~”が開催された。これまで13年というキャリアを重ねてきたなかで、意外にも自身初となるアニソンオンリーのセットリストで構成されたこの日。
鈴木このみ初となるアニソンオンリーライブとなったこの日の会場・LINE CUBE SHIBUYAのフロアは、1階席から3階席までびっしりと埋め尽くすフルハウス状態。多くのオーディエンスの期待感ではち切れんばかりの熱気がすでに会場を充満するなか、影ナレーションが流れ始める。声の主はなんと鈴木このみ本人によるもので、彼女によってまずはこの日のライブの協賛企業が読みあげられるなか、協賛企業の札を持ったスタッフがステージ上を練り歩く。大相撲で見るような光景が展開されるなか、多くの観客が笑いと拍手とともにお祭り感を楽しむ様子が見られる一方で、さながら結びの一番に向けての緊張感がゆるやかに高まっていく。
そしてそこから定刻を過ぎた頃、場内が暗転するとともにこの日のプレミアムな一日が幕を開ける。シンフォニックなSEに合わせて観客が手拍子をしたり、鈴木のアーティストカラーである赤いペンライトを灯すなかこの日のバンドメンバーが入場、そしてSEが鳴り止んだあとのわずかな静寂のなかで耳馴染みのあるギターリフがフェードインする。この時点で観客は何が歌われるのかを瞬時に察知し、大きな歓声を上げた。そしてそこからステージ後方より鈴木このみが登場し、”全力で ぶっ飛ばしていけ Blow Out”と「Blow Out」の最初のフレーズを力強く歌い放つ。続けざまにバンドサウンドが加わって鈴木が「いくぞ渋谷ーっ!」とシャウトすると、観客もパワフルなレスポンスを返す。
「Blow Out」で爆走した鈴木は、直後にテンポをキープしたまま「蒼の彼方」のフレーズを歌い始める。間を置かずに始まったこのピアノロックでは、先ほどのアグレッションとは異なる瑞々しい歌唱を聞かせながら、一転して青く染まった客席の上のほうに向かって手を振る。そこから爽やかなエンディングを迎えたと思えば、今度は「Redo」のヒリヒリとしたギターリフが鳴らされる。赤から青、そしてまた赤へと会場の色も目まぐるしく入れ替わるとともにふたたびフロアは激化。暴力的ですらあるヘヴィなバンドサウンドに観客もヘッドバンギングとシンガロングを返す。対して鈴木のボーカルはその轟音に埋もれることない美声を聴かせる。
先ほどまでの圧巻のパフォーマンス、その残響がまだ耳に留まるなかでの鈴木のMCは、「みなさん! アニソンは好きですかー!」というストレートな第一声。そこに大きな歓声が返ってくると、今度は「鈴木このみのアニソンは好きですか~……?」とつつましくはにかんでみせる。「初めてのアニソンオンリーライブということで楽しみにしていました」と喜びをみせながら、彼女の38曲あるアニソンのディスコグラフィーから選びに選び抜いた楽曲を届けると言う。また一方でOPテーマが多いことから「……めっちゃしんどい」と本音を漏らしつつも、観客に対しても「躊躇なく……ぶちかますぞー!」とうれしくも容赦のない宣言をした。そして次の曲のタイトルコールに移るのだが、「TVアニメ、さくら荘の……」とタイアップを告げる途中からまたしても大歓声が包み込む。とにかくこの日はタイトルコールやイントロのちょっとしたフレーズでの観客の反応が敏感だ。その後に披露された「夢の続き」は、2013年にリリースで鈴木も当時16歳という初期の楽曲。初々しさも感じるメロディにタイアップ先となった『さくら荘のペットな彼女』の作品性も相まって甘酸っぱいものが込み上げる。
こうした13年あまりのキャリアを横断できるエモーショナルな体験もアニソンオンリーライブならではだ。続いてはピアノのフレーズにどよめきも起きた「THERE IS A REASON」へ。ピアノとのしっとりした序盤からそのほかのパートも加わって、徐々に熱を帯びていくさまがまたいい。
スペシャルなコラボが終わると、鈴木と伊東、バンドがステージ上を後にする。そこで流れたのは『Summer Pockets』の印象的なBGM。どうやら羽依里としろはのふたりもLINE CUBE SHIBUYAに来てライブを楽しんでいるようだ。原作ゲームのシナリオを担当した魁による書きおろしドラマが流れたあとにセットは再開、直後聴き慣れたピアノのイントロに観客が一斉に息を呑む。夏空色の衣装に着替えたステージに戻ってきた鈴木が歌うのは、この作品に欠かすことのできない名曲「アルカテイル」だ。
その後のインストコーナーではバンド勢とダンサーによるパフォーマンスでふたたび会場の熱を上気させたあとは、そのまま「カオスシンドローム」でセット後半へ傾れ込む。ここでの歌唱もさることながら、ダンサーとの息のあったステージングも素晴らしい。そしてその勢いのままもうひとりのゲストである小林竜之が登場、ふたりのコラボ楽曲「NEVER-END TALE」へ。小林の力強くもしなやかなボーカルが鈴木の歌唱と真正面からぶつかり合うような熱気あふれるパフォーマンス。倍加した圧力がストレートに客席に叩き込まれていく強烈なコラボレーションを見せたあとのMCでは、一転して仲の良さがうかがえるほっこりとした空気が流れた。
小林を送ったあとは小林ら仲間、そしてファンとの出会いに感謝しながら彼らに向けて「これからもたくさん歴史を一緒に刻んでほしいと思います」と気持ちを新たにした。そしてその想いを胸に、畑 亜貴と共に初めて歌詞を綴った「歌えばそこに君がいるから」を披露。ステージの両サイドと中央に置かれたLEDモニターにはこの曲の歌詞、まさに鈴木のピュアな想いが映し出される。自身が主演を飾った『LOST SONG』OPテーマという”アニソン”である一方で、あのときから今まで変わらずにある強い信念というものが彼女にあるということがわかる感動的なシーンとなった。
そこからセットは終盤戦へ。TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』第2期OPテーマにしてライブアンセム「Realize」が披露されると会場はふたたび激しさを増す。それに応じてステージ上の鈴木のステージングもよりアグレッシブになり、ステージ後方で炎の柱が立ち昇るなか「歌えー!」と観客を煽る。すると轟音のようなシンガロングが返ってくるという、これまで観たこの曲のパフォーマンスのなかでも屈指の熱量でもって会場を支配する。
続くMCでは、「みんなにこっそり話したいことがあって……」と語り始め、今年4月放送予定のTVアニメ『Re;ゼロから始める異世界生活』4th seasonのOPテーマが決定したことを報告。しかも今回はワールドワイドに活躍する海外のフィメールラッパー・Ashnikkoをフィーチャー、さらに楽曲制作にはGiga & TeddyLoydという、これまでとはまた異なる豪華な布陣という。後方のモニターに『Re:ゼロ』のロゴが鎮座し、歓喜の大歓声のなか「Reweave」がドロップされる。
そこから本編中にも負けないボリュームのこのみコールによってスタートしたアンコールでは、バンドメンバーひとりひとりと交流を深めつつ、そろそろ次の曲へ……というところで鈴木が「ちょっとデカめの目標いっていい?」と切り出した。最近angelaのatsukoやオーイシマサヨシ、そして昨年の”Animelo Summer Live”のバックステージでLiSAからうれしい言葉をもらったことを受けて、「今年はこの肩書きを守っていきたいと思います」と言ったのち、「今年は、アニソン界の”エース”になります!」とたからかに告げた。そんな、大歓声のなかエース宣言と共に「Bursty Greedy Spider」を披露。エースたる堂々としたパフォーマンスを見せた。
そしてふたたびMCに入ると、「大口を叩いたついでに、もうちょっと大きなことを言いたくなって」と観客に着席を促す。この日初めて”Anison Collection”を開催するにあたり、13年のキャリアで自身がアニソンオンリーでライブができることに最近気づいたという。それまで15歳でデビューして必死走り続けてきた自分が、最近になって「私は思った以上に、大きなアニソン界のど真ん中を走っていたんだっていうことにようやく、本当にようやく気づいたんです」と語る。それが先ほどのエース宣言に繋がったのだが、自分がアニソン界を背負うと自覚したうえで、もう一度”Anison Collection”を開催すると宣言した。11月7日、場所はこの日よりも2倍のキャパシティとなる東京・SGC HALL ARIAKEだ。そして、「これはね、ゴールじゃないの。このSGC HALL ARIAKEをしっかりみんなで大成功して、いよいよ、いきましょう……日本武道館へ!」と力強く口にした。この日集まった観客たち誰もが夢見る場所。それは夢ではなく手の届く距離にある、そう鈴木は告げたのだ。
そんなエース宣言、そして武道館宣言と開演直後からまたひと回り大きくなった存在感で続いていくアンコールは引き続き楽しい雰囲気のまま続き、ライブもいよいよフィナーレへ。「Love is MY RAIL」で爽やかに駆け抜けたあとは、「もうしっかり心に決めちゃったから、思いのままにみんなと走っていきたいと思います」とこの日最後の楽曲となる「This game」へ。最後の最後で、観客と一緒に歌い、熱くなって”Anison Collection”の幕をおろした。
自身としても初めての試みとなるアニソンオンリーでのライブという、まさにパーフェクトゲームと呼ぶに相応しいエースの快投を見せたこの日。そこにはみんなを楽しませるという彼女の変わらぬ想いがある一方で、これまで以上にアニソンを背負い、そしてその中心に立つという並々ならぬ覚悟が示された一夜だった。同業者やファンといった周囲の彼女への大きな期待がより色濃い輪郭を見せ始めた昨今だったが、ついに彼女自身の口からそれに応えたという場としても、この日は鈴木このみのバイオグラフィーのなかでも極めて重要なハイライトとなるに違いない。15歳でデビューを果たし、その未来に誰もが夢見たアニソンシンガー・鈴木このみが、いよいよその夢というものを形にする瞬間が間もなく訪れようとしている。あとはその来るべき瞬間を目撃し、心から楽しむだけだ。
ライター:澄川龍一
撮影:小林弘輔
「鈴木このみ Live 2026 ~Anison Collection~」
2026年1月17日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
<セットリスト>
01. Blow out
02. 蒼の彼方
03. Redo
04. 夢の続き
05. THERE IS A REASON
06. 君色、僕色(w/ 伊東歌詞太郎)
07. メロディックロードムービー(w/ 伊東歌詞太郎)
08. アルカテイル
09. Lasting Moment
10. フィニステラー
11. カオスシンドローム
12. NEVER-END TALE(w/ 小林竜之)
13. 歌えばそこに君がいるから
14. Realize
15. Reweave
16. DAYS of DASH
17. Absolute Soul
18. Theater of Life
<アンコール>
19. Bursty Greedy Spider
20. Love is MY RAIL
21. This game
関連リンク
鈴木このみオフィシャルサイト
https://www.konomi-suzuki.net/
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