藍井エイルの今、そして未来を提示した――『Eir Aoi L...の画像はこちら >>

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2026年2月23日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて藍井エイルによる“BLUE FLAiR”がファイナルを迎えた。2025年3月、東京・EX THEATER ROPPONGI公演にてライブ活動を再開して以降、“BLUE FLAiR”冠したライブで、およそ1年間にわたって香港、広州、上海、台湾を巡ってきた藍井エイル。

並行して“Animelo Summer Live”や“ナガノアニエラフェスタ”などのフェスにも精力的に参加するなど、その復活を世界中に知らしめてきた。そんな1年間の締めくくりともいえる本ステージ。この1年の集大成としてどんな景色を見せたのか。また、その先に見えた藍井エイルの新たなチャプターとはどんなものだったのか。衝撃のアナウンスもみられた一夜をレポートしよう。

TEXT BY 澄川龍一
PHOTOGRAPHY BY “SUGI” Yuya Sugiura

“BLUE FLAiR”の1年を、そして藍井エイルの15年を見せつけるステージ

この日の会場となった恵比寿ザ・ガーデンホールの長方形のフロアには、まさにすし詰めといわんばかりの観客がぎゅうぎゅうに埋め尽くされていた。国内でのワンマンとしてはおよそ1年ぶりとなるわけだが、この1年間で藍井エイルの存在、あるいはその復活が広く知れ渡り、それを直接目にしたいという期待がこのフルハウスという光景にも現れている。およそ15年前よりシーンに数々の名曲を届けてきた彼女が、FINALという場所で何を見せるのか――。開演前のフロアはどこか緊張感をはらんだ静寂に包まれ、独特な雰囲気となっていた。そして定刻と同時に会場が暗転すると、それがわっという歓声へと転じる。次にこの日のバンドメンバーがゆっくりとステージに現れると、ステージ後方に置かれた縦型のモニターには2025年3月以降“BLUE FLAiR”の模様が映し出されていく。そこからヘビーなギターサウンドのSEが流れるなか、この日の主役である藍井エイルがステージに現れ、いよいよ“BLUE FLAiR”FINALの幕が開いた。

オープニングSEに連なるようにバンドが鳴らしたのは、2024年にリリースした彼女の最新楽曲「POLYHEDRA」だ。

最新の藍井エイルという姿で始まったそのステージは、アグレッシブなバンドサウンドと、それに呼応するような観客の熱のこもった歓声、青一色のペンライト、そしてそれを受けてステージ中央で堂々と立つエイルで構成されていた。幕を開けたセットの熱量を、そしてこれまでの道程をしっかりと踏み締めるように、激しさのなかに落ち着きも感じられる。のちにMCで「開演前まで緊張していた」と語っていたが、その表情は自信に満ちていて、会場の隅々まで見渡すようなそのまなざしには、改めてその復活を感じさせる力強さに満ちていた。

そんな独特の雰囲気でのオープニングのあと、観客の歓声と混じり合うようにエフェクトがフェードインする。次の瞬間にエイルが「AURORA」のフレーズを歌うと観客はさらなる盛り上がりを見せる。この日は、15年にわたるキャリアのなかで生まれた数々の代表曲を余すことなく披露する、いわばベスト盤的なセットとなっていた。そのため以降はイントロが鳴るたびに客席から歓喜の悲鳴が起こるという、これぞ藍井エイルのライブといった光景がみられた。その口火を切るような「AURORA」でエイル自身にも火がついたようで、ステージ上で動きを増して観客を煽っていく。そこから間を置かず「シンシアの光」でエモーショナルなメロディを歌ったあとは、ドラムのフィルインからライブアンセム「シリウス」を早くも披露。この日は出し惜しみなし、とでもいうかのような彼女からの表明に、観客もサビで拳を突き上げ“叶える”とシンガロングするというお馴染みの光景も見られた。

最初のMCでは、「シリウス」の時にタイミングが合わなかったライブのタイトルコールをやり直すという彼女らしい一幕を見せつつ、改めてこの日を迎えられた喜びを爆発させた。そこから続いては「みんなと私の繋がりの曲になります」と言って2024年の活動再開後初の楽曲となる「BEYOND GAZE」を披露。

ミディアムテンポのなかでエイルの情感たっぷりな歌唱を堪能できる一曲だ。特に尻上がりに感情が高ぶらせながらの終盤のパフォーマンスは流石の一言。そこから壮大なサウンドのなか「GENESIS」へと続く。前曲で高ぶったエモーションはここで極まった感があり、エンディングのファルセットを含め、切なくもスケール感のある歌唱が実に素晴らしい。これぞ藍井エイルだ。そこからピアノの高速フレーズへとつながってロッキンな「心臓」で会場を再び沸かせたかと思えば、エンディングでステージ後方にあるお立ち台にのぼってデビュー曲「MEMORIA」を歌い始めると、一瞬息を呑むような静寂のあとに一気に歓声を放つ。やはりこの曲は、数ある藍井エイルの代表曲のなかでも特別だ。客席が一斉に白いペンライトで埋め尽くされる光景は幾度となく見たが、その光のなかで歌われるエイルの無垢な歌声は色褪せることはない。そんな神秘的な光景のあとには、躍動感あふれるビートが加わって「ラピスラズリ」へと繋がる。代表曲の連発という贅沢なセットに、加えて、エイルの歌唱もここでは情熱的に転じる。彼女の豊かな表現力が遺憾なく発揮され、前半のステージを終えた。

大成功のライブのあとに、エイルの口から語られた“未来”

大成功のライブのあとに、エイルの口から語られた“未来”

「ラピスラズリ」を歌い終わったあとにエイルがいったん退場すると、ステージに残ったバンドによるインストパートが披露される。

ロッキンなバンドインストで会場のボルテージを再び上がったと思ったところで、鋭利なギターリフが鳴らされて後半のセットがスタート。「シューゲイザー」のロックサウンドが再び会場に熱を注ぐ。そこからエイルのエモーショナルかつ変則的な歌唱力が存分に発揮される「PHOENIX PRAYER」、そしてボトムの効いたサウンドが心地よい「流星」とロッキンな楽曲を続けざまに披露し、クライマックスらしい展開をみせる。そこから「閃光前夜」では、ダンサブルなビートのなかでお馴染みのクラップが会場一体となって鳴らされ、続いての「月を追う真夜中」ではふたたび一段とアグレッシブかつスリリングなバンドサウンドを聴かせた。

緩急自在、しかし息つく間もなくここまで駆け抜け、エイルも「みんなすごく盛り上がってくれてうれしいです」と語る。そして次の曲は、「頑張っているあなたを応援する曲」だと告げる。サビでは一緒に歌ってほしいとの観客への問いかけから始まったのは「アクセンティア」だ。クライマックスに向けて会場もさらなる熱を帯び、約束通り“アクセンティア”とのフレーズでは大合唱が鳴り響く。そんなエイルと観客の結びつきは次の「ツナガルオモイ」でさらに強固になる。そんなハッピーな空間が会場を埋め尽くしたあとで、いよいよ本編最後の楽曲へ。一瞬の静寂のあとにエイルが歌い始めたのは、完全無欠のアンセム「IGNITE」だ。この日最大の歓声が起こるなか、客席のペンライトと同様に会場のボルテージもレッドゾーンを振り切る。

残されたエネルギーをすべて出し尽くすように観客も声を出してジャンプを繰り返す。ヘビー&ファストな狂乱の最中でエイルの歌唱もベストパフォーマンスを見せ、切れ味鋭いハイトーンも素晴らしい。まさに“誰もが見たかった藍井エイル”という姿と共に本編は幕を閉じた。

お馴染みの「えい、えい、るー」のコールに導かれて始まったアンコールでは、曲にいく前に「おしらせがたくさんあるんですよ」と語り始めるエイル。アパレルブランド・KANGOL REWARDとのコラボや、ヴィレッジバンガードとのコラボグッズの実店舗販売、また毎年恒例となった8月16日の“エイルの日”のイベント開催などうれしいおしらせが続いたあとに、「そして最後、2026年、藍井エイル新章が始まります!」と宣言。2026年秋のツアー開催をここで発表すると、より一層の歓声が会場に鳴り響いた。そんな“FINALの先”を示したあとにはロッキンな「青く、青く」から、観客全員が手を振るピースフルな「レイニーデイ」へと展開。さらに「楽しい時間あっという間だね! 出し切れた? でもまだ体力残っているよね? もっと声出せるよね?」と観客に何度も語りかける。そして「最高の声聴かせてください!」と言って最後に「INNOCENCE」を披露。「飛べ!」と煽りながら、自身もまたすべてを出し尽くすようなエネルギッシュなパフォーマンスを見せて、“BLUE FLAiR”は大歓声のなか終わりを迎えたのだった。

歓喜のなかで終幕を迎えたステージ上では、バンドメンバーも交えた写真撮影、そして恒例の「えい、えい、るー」のコール(今回は“BLUE FLAiR”の公演数にちなんで6回)といういつものエンディングが見られ、あとは帰るのみ……というところでエイルが「私Xで、『最後の最後まで』と書きましたよね? 『まだなんかあるのかな?』って思うよね?」って思わせぶりな口調で語り始める。焦らしに焦らしたのちに、「見ていただきたいものがあります!」と言ったあとに後方のモニターに映し出されたのは、2026年4月に新曲「MONSTER」をLantisよりリリースするというアナウンスだった。

しかも続いてモニターには、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』のPVが流れる。「MONSTER」が同作のオープニングテーマに起用されることがわかると、客席は蜂の巣を突ついたような驚きと歓喜の歓声が起こる。2022年以来となるアニメ主題歌。ついに、藍井エイルがいるべき場所へと戻ってきたのだ。最後の最後に、このうえないプレゼントを観客に届け、今度こそ本当の終演を迎えた。

この1年の間で藍井エイルの復活が世界中に知れ渡ってきたが、それが真に確信を持って迎えられたのがこの日であり、そのなかでFINALの先の未来も提示された。しかもその未来は誰もが期待するもの、あるいはそれ以上に大きなものだった。終演後、モニターには「UNBOUD. SELFISH. EIR MODE ROCK. 2026-2027 NEW ERA BEGINS.」と映し出されており、来る未来へのヒントがそこには散りばめられているのだろう。いずれにせよ世界が藍井エイルを望んでいたし、それに彼女は真正面から応えてみせた。それが何より喜ばしいことであり、あとは“エイルがいる”というこれからを存分に楽しむだけでしかない。

Eir Aoi LIVE“BLUE FLAiR”FINAL
2026.02.23@東京・恵比寿ザ・ガーデンホール

<セットリスト>
M01.POLYHEDRA
M02.AURORA
M03.シンシアの光
M04.シリウス
M05.BEYOND GAZE
M06.GENESIS
M07.心臓
M08.MEMORIA
M09.ラピスラズリ
M10.シューゲイザー
M11.PHOENIX PRAYER
M12.流星
M13.閃光前夜
M14.月を追う真夜中
M15.アクセンティア
M16.ツナガルオモイ
M17.IGNITE

EN01.青く、青く
EN02.レイニーデイ
EN03.INNOCENCE

●リリース情報

藍井エイル NEW SINGLE「MONSTER」

2026年4月22日(水)発売
【Type-A盤】LACM-24832 2,750円(税込)
【Type-B盤】LACM-24833 1,980円(税込)
【Type-C盤】LACM-24834 1,980円(税込)
※「MONSTER」は全形態に収録

●放送情報

TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』

2026年4月から放送開始
■STAFF:
原作:衣笠彰梧(MF 文庫 J「ようこそ実力至上主義の教室へ」/KADOKAWA 刊)
キャラクター原案:トモセシュンサク
監督:野亦則行
シリーズ構成:重信康
脚本:重信康/勝冶京子
キャラクターデザイン:河野真貴
美術設定:平柳悟
美術監督:羽根広舟
色彩設計:竹川美緒
CG監督:平山知広
撮影監督:関谷美里
編集:及川雪江(森田編集室)
音楽:横山克/橋口佳奈
音楽制作:ランティス
音響監督:飯田里樹
音響効果:奥田維城
アニメーション制作:Lerche

オープニングテーマ:藍井エイル「MONSTER」

(C)衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ4製作委員会

関連リンク

藍井エイル公式サイト
https://aoieir.jp/

TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』公式サイト
https://you-zitsu.com/

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