音楽を通じて様々な分岐を旅する者たち。fhánaがたどり着い...の画像はこちら >>

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2026年に結成15周年を迎えたfhána。そんな彼らは「Sound of Scene」と銘打ち、自主企画としてこれまで様々なステージを作り上げてきた。

そして今回はゲストにnonocや二ノ宮ゆいを迎え入れ、実質的なスリーマンとしてという意味でも、更に”Festival”という文字がタイトルに加わったという意味でもパワーアップしたSound of Sceneが帰ってきた。しかし、そこには単なる”フェス”では終わらない新たなギミックが仕込まれていた。その全貌をお届けしよう。

会場となる渋谷pleasure pleasureには開演前から、入場を今かと今かと待ちわびる列が出来上がっており、ファンが高い期待を寄せている事を覗かせていた。
それもそのはず、今回はfhánaのメンバーでもあるkevin mitsunagaが開演までの30分間をオープニングアクトとしてDJすることが事前にアナウンスされていた為だ。これまで数々の現場でDJとしても10年近く活動を続けているが、意外にもfhánaの現場でのDJは今回が初ということで、お正月らしい「春の海」からスタート(後のMCでtowanaさんからのリクエストだった事が判明)し、J-POPやアニソンを横断しつつ、かなり場が温まった所からライブが始まるのも、とても新鮮に感じる。

まずはfhánaが現れると、towanaの「明けましておめでとう!」と元気な挨拶から「Outside of Melancholy」でライブはスタートし、続く「Look of Life」はまだ2曲目なのにエモすぎて、あえてfhána的に言うならば一気に彼らの”世界線”へと引き寄せられたような気がした。

ここで改めてリーダーの佐藤から今宵の趣旨などの説明が入る。「音楽を通じて様々に分岐していく旅」をテーマに、セットリストを組んだとのこと。一体、今日はどんな航路になるのだろうか。

そしてnonocを呼び込むと、まさに旅路の始まりを予感させる「ドアの向こう」、そして鍵盤ハーモニカを片手に「たまご」を披露すると、舞台上に佐藤とサポートギターの本多氏だけを残し、二ノ宮ゆいへとバトンが渡る。

「ランティスのスタジオで会った時は、まだ制服姿でしたね」と、楽曲提供当時を振り返りながら、佐藤が初めて二ノ宮と関わりをもつキッカケとなった曲「私だけの、革命。」を歌い切ると、そんな佐藤・本多の両名も姿を消し、1人きりとなった所で「愛とか感情」と、これまた活動初期の名曲で観客を沸かせる。

ここまで3組が2曲ずつ。普通のフェスであれば、仮に90分の公演だとすれば、単純に30分ずつの3枠で進行していくものだろう。しかし、既に6曲で1周しているわけで、一体この後に何回入れ替わっていくのか、また単なるツーマンではないおかげで、次に誰が出てくるのかも予想がしづらい状況になっている。
冒頭でのリーダーの言葉通り、この先いくつ分岐点があるのか?どんなルートを辿っていくのか?全く見当もつかないが、どうやら3組で一本の物語を作り上げていくのだろうという事だけは、ぼんやりと見えてきた気がする。

しかし、起承転結で言えばまだこの物語は始まったばかり。fhánaの世界線と、nonocの世界線、そして二ノ宮ゆいの世界線、3本の世界線が並行に走り出したのは分かるけれど、これがどのように絡み合って物語へと変化していくのか。糸と糸が編み込まれて綱のように太くなるのか、それとも……。

ここからは舞台上も忙しなく変化し始める。
「ゆいちゃんもこの曲を好きだと言ってくれてた」とnonocが「Primer」で、まさに導火線に火を付けると、fhánaが「ユーレカ」を、そして続いてはそのままのフルバンド構成で「光なくても」を二ノ宮が披露する。

目の前で代わる代わる、めまぐるしく動きがある中で、実は音楽だけは、ややしっとりめの落ち着いたトーンの3曲が続くことで、着実に物語を次の”転”へと進める為の足固めではないけど、そんな”承”のフェーズを今まさに踏みしめている感触を覚える。

ここで改めてサポートメンバーが紹介される。ベースの目黒郁也、ドラムス北村望、ギター本多秀、マニピュレーター沢田悠介、そしてサウンドエンジニアの赤松裕子といつもfhána現場を支える面々に囲まれ、この物語は進んでいく。

「city dream city」でkevinの全力疾走から中盤戦が再開すると、演奏が鳴り止む前に「モノローグ」のイントロが被るように入り込んできた。そして「今世紀大革命」も同様に、まるで互いの世界線に曲同士が干渉しあうように舞台は進行していく。

そして「Fixer」とここでは二ノ宮楽曲が2曲続くも、舞台上に1人だった二ノ宮に合流するようにこの曲では佐藤も合流し、優しい伴奏で寄り添うと、幾ばくかの沈黙の後にフルメンバーでの「Ethos」へ突入。泣きのギターイントロにグッと気持ちが入った所で、今度はステージ上にkevinだけが残される形となる。

「Town is like a Melody」というタイトルの通り、彼のソロパートでは街が目覚めて、賑わっていくように、また1人、また1人とサポートメンバーたちが合流し始める。自然と客席からも手拍子が起こり、まるでこの物語の行末を待ち望んでいるかのようだ。これで最後にtowanaが現れて、次はfhánaの曲か……と思いきや、nonocが出てくると同時にkevinが交錯する。そのすれ違う様はまるで映画のワンシーンみたいで印象的だった。

そんなドラマチックな流れから「Memento」が披露されると、これまた図らずとも様々な世界線を行き来する作品のタイアップ楽曲なだけに、いつも以上にグッと楽曲の世界観に引き込まれるし、ここまで有名タイアップ曲をほぼ使わずに進行してきた事も相まって、nonocのパフォーマンスに対して、客席からも”ここで満を持して…!”といったボルテージを感じられた。更にニューアレンジverの「KODO」では佐藤と本多の演奏が激しくぶつかり合い、クライマックスが近付いている事を暗示させた。二ノ宮も屈指の名曲「Dark Seeks Light」でその流れに続き、最後はfhánaによる「Relief」で圧巻の大団円を迎える。まさに曲名通りの”救済”ともいえる、全てを包むこむような圧倒的な演奏だった。

そんなギターが、ピアノが、ドラムが、ベースが、それぞれが無心にかき鳴らし、”音楽”だったものは調和から外れて、ただの”音”となり、最後には静寂が訪れる。

鳴り叫ぶギターが、ブツリと音を立て、エフェクターのスイッチが切られるその瞬間まで、誰もが固唾を飲んで、しじまの向こうを待っていたのも非常に印象的だった。

改めて、あえてなんの捻りもなく言おうと思う。この世界線はfhánaの物語であり、nonocの物語であり、二ノ宮ゆいの物語であり、そして我々の物語でもあった。それぞれの世界線が絡みあったり、触れられそうな距離感なのにすれ違ったり、互いに干渉しかけたり、舞台上では複雑に展開していたけれど、実はそんなステージを見守る我々だって、手拍子だったりレスポンスを起こす事で、世界線に干渉していることを改めて感じた一夜でもあった。最後の一音が鳴り止むまでの、あの瞬間で私はそんなことを考えずにはいられなかった。

そしてアンコールでは、ようやくステージ上で全員が揃い、そして今宵は”フェスティバル”ということは「お祭り騒ぎをしちゃいましょう!」と全員歌唱で「青空のラプソディ」を披露。まるでOP映像のように、客席も含め、色んな人が声出して飛び交っているのが楽しくもありエモくもある!
kevinも「新年1発目から皆んなパワフルだね!」と思わずコメントしていたが、そんな楽しい夜も残すところ僅か。改めてここでfhána結成15周年を振り返り、佐藤の母校、東京造形大のオタクOB一同から届いたフラスタなんかにも話を触れつつ、気になるのはやはりメモリアルイヤーにおけるライブ活動な訳だが、ここで15周年ツアーが発表された。

「それぞれの人生、それぞれの景色をそれぞれが少しずつ世界線をズラして、今日この世界線でみんなと合流できた。NEW WORLD LINEは音楽で繋いでいく世界線。また次の分岐点で合流しましょう。」最後に佐藤がそう言い残すと、「white light」にてこの世界線は幕を閉じた。

いや、むしろ次の世界線へと送り出す為の一曲と捉えてもいい。次のライブの”0曲目”として、今度はwhite lightを聴きながら会場へ向かおう。

音楽を通じて様々な分岐を旅する者たち。歌う者たち、演奏する者たち、演出する者たち、そして聴く者たち。そんな我々の旅の中心にいたのは間違いなくfhánaだった。決して短くはない15年という歩みの中にはいくつもの困難もあった事だろう。それでもfhánaは歩き続けた。fhánaと共に、というよりfhána”も”共に歩んだ15年なのだ。私の世界線とfhánaの世界線、次に交わる新世界線は、運良く出現する事が決まっているらしい。これはとても幸運だという事、当たり前にはやってこない15周年だという事を噛み締めて、次の分岐点で合流しよう。

レポート・文:前田勇介
写真:SUGI

<セットリスト>
OP Act. DJ kevin mitsunaga
1.Outside of Melancholy / fhána
2.Look of Life / fhána
3.ドアの向こう / nonoc
4.たまご / nonoc
5.私だけの、革命。/ 二ノ宮ゆい
6.愛とか感情 / 二ノ宮ゆい
7. Primer / nonoc
8. ユーレカ / fhána
9. 光なくても / 二ノ宮ゆい
10. city dream city / fhána
11.モノローグ / nonoc
12.今世紀大革命 / 二ノ宮ゆい
13.Fixer / 二ノ宮ゆい
Choir Caravan with fhánamily
14.Ethos / fhána
15. Town is like a Melody / DJ kevin mitsunaga
16.Memento / nonoc
17.KODO(New Ver.)/ nonoc
18.Dark Seeks Light / 二ノ宮ゆい
19.relief / fhána
EN1.青空のラプソディ/ All Artists
EN2.white light / fhána

●ライブ情報
fhána 15th Anniversary Tour 2026 “Worldlines”
2026年9月19日(土)
SPADE BOX(名古屋)
2026年9月20日(日)
KYOTO MUSE(京都)
2026年10月12日(月・祝)
ヒューリックホール東京(東京)

チケット情報
VIPチケット ¥8,500(税込)
<�特典>
・優先入場
・ツーショット撮影(お客様自身のスマホでの撮影となります)
・サイン入りヴィジュアルボード(会場名/日付入り)
・Worldlines Pass(VIP限定Passカード)(会場名/日付入り)
※ヴィジュアルボードとWorldlines Passは別アイテムです

通常チケット
指定席 ¥6,500(税込)

オフィシャルHP1次先行 ※抽選
受付期間:2026/4/9(木)18:00~2026/4/19(日)23:59
お申し込みはこちら
https://eplus.jp/sf/detail/1417510001?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=20260401_og

関連リンク

fhánaオフィシャルサイト
https://fhana.jp/

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