「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」(以下、「ミリシタ」)のオンライン配信イベント「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! SEASON-@IR!!!! ~BRIGHT DIAMOND~」が2021年10月9日に開催された。

「ミリシタ」では同作に登場するアイドルを4つのチームに分けた「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER SEASON」のイベント&CDリリースを展開中。
本シリーズならではの、季節ごとの配信イベントをオンラインで行なう新しい試みが今回の番組だ。

今回の配信イベントは先陣を切って「BRIGHT DIAMOND」が担当。同チームより宮尾美也役の桐谷蝶々、桜守歌織役の香里有佐、徳川まつり役の諏訪彩花、四条貴音役の原由実、所恵美役の藤井ゆきよ、伊吹翼役のMachico、百瀬莉緒役の山口立花子、春日未来役の山崎はるか、周防桃子役の渡部恵子が出演した。

イベント冒頭には、765プロライブ劇場事務員の青羽美咲が登場。スクリーンにシルエットで登場するリアルライブでおなじみの形式とは異なり、スタジオ内で身振りを交えながら生き生きと話す姿を見せた。このライブ感は配信イベントならではだ。
今回のイベントには、モーションキャプチャ技術や大型LED装置などを活用し、次元の壁を超えたゲームの世界のような表現を可能にする常設スタジオ「MIRAIKEN studio」の技術が活用されている。

イベントは、前半の無料配信パートからスタート。まずは無料配信パートのトークで、後半のライブ有り有料配信パートへの期待を高める構成だ。トークはスタジオトークの形で行なわれ、キャスト9人が「ミリシタ」4周年を記念したドリーム・プレリュード衣装で登場した。

挨拶のトップバッターは原由実が務めたが、765PRO ALLSTARSのアイドルが自然に一緒に参加している光景はそれだけで嬉しい。トークパートには「ミリシタ」の狭間和歌子プロデューサーも参加。
原が久しぶりの「ミリオンライブ!」イベント参加、狭間Pも産休期間を挟んでいたこともあり、まずは久々の再会を喜びあった。

トーク本編は「MILLION THE@TER SEASON」の一連のイベントと楽曲の振り返りから。「DIAMOND JOKER」の振り返りトークでは、曲がめちゃくちゃかっこいい、バチバチのダンス楽曲、サイバーっぽいといった、楽曲(「DIAMOND JOKER」)を絶賛する声が飛んだ。イベントの内容についてはMachicoが「今まで翼は自分から引っ張っていくタイプではなかったのが、頑張ろうとするけど慣れてない感じが…」と語ると、諏訪が「まさかここ(翼とまつり)で青春のけんかが」と返し、まつりたちの新しい一面についても盛り上がった。

「真夏のダイヤ☆」組からは、今回は山口立花子が一人で出演。同曲のソロでの歌唱については「それは私はムリ!」ときっぱり言い切った山口からは、後半のライブでは助っ人メンバーが入ってくれることが予告された。
山口は「真夏のダイヤ☆」のゲーム内イベントで300位以内を目指した驚きのエピソードを明かしていた。

「シークレットジュエル ~魅惑の金剛石~」の振り返りトークでは、劇中劇というイベント形式に関するトークも。渡部恵子が「私たちだけバッチバチに設定があって、普段とは違う役柄を演じる形でドラマをやらせてもらいました」。同イベントでアイドルたちは怪盗・月兎隊を演じている。後半戦ではライブだけでなく、このイベントの続きとなる朗読劇も楽しめるようだ。

全員が参加した「ダイヤモンド・クラリティ」は、BRIGHT DIAMONDの集大成となる楽曲。
楽曲の印象についてはメンバーから「かわいい!」「いい歌詞!」の声が飛ぶ。渡部は「かっこよかったりアダルティだったりの曲が多かった中、ザ・アイドルという曲が来た」と表現していた。

無料パートの締めくくりのトークでは、これからライブが控えているとあってキャスト陣も気がそぞろな様子。Machicoが「いつもは必ず1曲歌ってからトークだから」と、未体験のタイミングでのトークのそわそわした気持ちを明かしていた。

今後の告知コーナーでは次回のメインコミュの主役が田中琴葉であることを告知。「UNION!!」39人ライブのMVが公開されたほか、8thライブ続報として「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 8thLIVE Twelw@ve」2022年2月12日~13日、武蔵野の森総合スポーツプラザにて開催されることが発表された。



ライブあり、朗読劇ありの有料パート!
休憩を挟んで青羽美咲の前煽りから、いよいよ有料パートがスタート。引き続き「MIRAIKEN studio」から生放送での配信だ。

オープニングライブは9人揃っての「ダイヤモンド・クラリティ」から。手元でダイヤマークを形作るポーズが印象的だ。イントロの動きを揃えるメンバーからは緊張が伝わってきて、生放送ならではのライブ感がある。スタジオ然としたライブセットだが、演出が切り替わるとAR演出によってゲーム世界のライブ会場に9人が本当にいるかのように錯覚する。
キラキラしたアイドル感にあふれた楽曲で、輝かしい日々を振り返るようなどこか切ない美しさが印象的。サビはスタイリッシュかつキャッチーにまとめて畳み掛ける感じがBRIGHT DIAMONDならではだ。

挨拶を挟んで、ここで朗読劇が入るのが新しい試みだ。「シアターシーズン朗読劇 シークレットバカンス」と題して、全員参加の朗読を行なった。この朗読劇では「シークレットジュエル ~魅惑の金剛石~」のイベントで描かれた怪盗“月兎隊”と、以前リリースされたカード「秘められた正義 篠宮可憐」で描かれた“バニーポリス”の世界観がつながるストーリーが描かれた。「秘められた正義 篠宮可憐」のイラストに写り込んでいた所恵美もバニーポリスとして出演する趣向だ。

配信画面の上段にはウサ耳姿も可憐なディフォルメイラストのアイドルたちが。下段には朗読中のキャスト陣の真剣な表情が同時に映し出される。南の島のリゾート地で黒いダイヤを狙う月兎隊+1だったが、島にはバニーポリスの面々も居合わせて……という物語が描かれる。翼が記念撮影を提案する場面では画面にシャッターエフェクトが表示され、演者たちが記念撮影風にポーズを決める演出が面白かった。月兎隊とバニーポリス、謎の三人を巡る物語の詳細は、アーカイブ配信などで確認してほしい。劇中では設定やストーリーが広がりを見せており、今後の展開にも期待ができるかもしれない。

青羽美咲がトークで転換の間をつなぎ、ここからはミニライブパート。まずは香里有佐、渡部恵子、桐谷蝶々、山崎はるかが登場して「シークレットジュエル ~魅惑の金剛石~」を披露。大人の雰囲気でどこかミステリアスなイントロに合わせて、次々とポーズをキメる4人。舞うようなダンスを見せる香里の笑顔がとてもつややかだ。躍動感のあるボーカルで劇中劇の世界観をスタイリッシュに表現する中で、桐谷の甘い歌声がとろりと際立って響く。桃子や未来の少し背伸びした役の表現と、香里演じる歌織の自然な大人感の対比とバランスが魅力的なパフォーマンスだった。

楽曲の歌唱後にすぐに振り返れるのが今回の構成の嬉しいところ。トークでは香里が「なんだかクールで、ちょっぴりセクシーな楽曲で、それぞれの新しい魅力を見てもらえたんじゃないかと思います」と表現。渡部は子供がイメージする怪盗を元気目に演じたことを語ると、今後の披露では現場の空気によってまた違う顔になるかも? と予告していた。桐谷はゲームの踊りを再現したダンスを注目ポイントに挙げると、「この曲のダンスすごく好きで、リズムの取り方もいつもと違って楽しかったです」。山崎はラストの決めポーズの低い姿勢のポーズをキープする大変さにふれ、アーカイブで注目してほしいと語っていた。

ここでカメラが切り替わり、原由実、Machico、諏訪彩花、藤井ゆきよが登場して「DIAMOND JOKER」を披露。暗転したスタジオで、キメキメのポーズと歌いだしのタイミングを探る4人の姿が垣間見える。明転すると、腰の表現で見せる大人のダンスが印象的だ。4人が並ぶと、揃いの衣装でも原のスカートが少しロングに見えるのはアレンジか着こなしか。Machicoが牽引するクールでスタイリッシュな歌声の世界の中に、深みのある原の低音が加わると圧巻の分厚さがある。ファニーめな声質のメンバーによる大人の表現が印象的で、無料パートでMachicoが「せっかくクールな楽曲が来たので、ハッとさせるような(翼の)表情を見せたい」、諏訪が「普段見られない姿」と話していた通りのパフォーマンスだ。

「DIAMOND JOKER」の振り返りトークでは、原が振付ビデオやMVを最初に見た時に感じた動きのハードさを語ると、諏訪も「踊れるか心配だった」。藤井はジョーカーのカードをイメージした、両手を上げて囚われたような動きを注目ポイントとして紹介。Machicoはステージをよりよくするために努力した「DIAMOND JOKER」のシナリオと、今回のライブの準備とステージの時間を重ねて話していた。練習ではなかなか集まれなかったことから、一緒に動きを合わせた時にMachicoと目があった原が嬉しくて笑ってしまったという微笑ましいエピソードも。藤井は目があって表情がゆるまないように目線をそらしていたことを明かしたりと、この時期にスタイリッシュなナンバーを歌うステージならではの苦労もあったようだ。

そして続くナンバーは「真夏のダイヤ☆」。オリジナルメンバーとして山口立花子と、お助けチームとして山崎はるか、香里有佐が登場した。ステージ映像は南国の海辺のリゾート地。「真夏のダイヤ☆」のMV映像を再現したものだが、どこか「シークレットバカンス」の朗読劇にも通じるイメージだ。カラッとした夏をリズミカルに歌う楽曲で、コミカルなラップパートに全身の動きもりだくさんな未来(山崎)の表現が入るとかなり印象が変わる。原曲で雪歩のシャウトが印象的な「はーじーけーろーーーー!!!!!」のフレーズで、香里がマックス弾けてみせるのが最高に楽しい。アウトロのダンスも軽快で、「THE@TER SEASON」の夏をもっとも象徴するようなパフォーマンスだった、

歌い終えた三人が「暑いね!」と手で扇ぐ様子からも、熱く激しいパフォーマンスの余韻が感じられる。山口は、山崎がリハで見せたダンスの楽しさに自分たちもやろうと提案して直前に合わせたことを明かす。山崎はそのお返しとして、間奏に入れる3人それぞれの台詞は山口が考えてくれたことを明かした。香里は「いつかライブで披露できたら、みんなで盛り上がれる楽曲ですよね」。ラップパートについては山崎が、「真美ちゃんの歌い方を未来がリスペクトして歌っている」とらしい表現をしていた。山口からはいつか野外でやりたいという夢も語られていた。

再び青羽美咲にカメラが移る。今日のステージを振り返ったあとの彼女の「まだ難しいこともある今日この頃ですけど、それでも顔を上げて、前を向いて、今できることで新しい輝きを届けようって頑張ってくれたアイドルたちに、画面越しの拍手をお願いします!」という言葉がとても印象に残った。

美咲のトークの間に、ステージでは9人が揃ってスタンバイ。締めの挨拶としてそれぞれに感想と、生放送のワクワクドキドキや「MIRAIKEN studio」での新しいライブ体験について語った。これからも「THE@TER SEASON」の季節は巡っていくようだ。

トークを終え、ライブを締めくくるラストナンバーは「EVERYDAY STARS!!」。呼びかけられたアイドルが順番にらしい台詞を披露していく自己紹介ソングで、新世代の「団結」とも言える楽曲だ。その日のメンバーによって構成を組み替えられるこの曲は、この人数のイベントに最高にフィットする。2番では前列と後列をチェンジして9人全員のアピールタイムがあるのが嬉しい。それぞれの個性を紹介する前向きソングでありながら、楽しいライブの時間が終わってしまう寂しさを一粒落としたようなこの曲はイベントを締めくくる大団円にふさわしかった。次は一体どんなシーズンが待っているのか、楽しみになるエンディングだった。

Text by 中里キリ

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! SEASON-@IR!!!! ~BRIGHT DIAMOND~
2021年10月9日(土)

<セットリスト>
M01:ダイヤモンド・クラリティ(BRIGHT DIAMOND)
M02:シークレットジュエル ~魅惑の金剛石~(桐谷蝶々、香里有佐、山崎はるか、渡部恵子)
M03:DIAMOND JOKER(諏訪彩花、原 由実、藤井ゆきよ、Machico)
M04:真夏のダイヤ☆(香里有佐、山口立花子、山崎はるか)
M05:EVERYDAY STARS!!(BRIGHT DIAMOND)

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

関連リンク
「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」公式サイト
https://millionlive.idolmaster.jp/theaterdays/