「透明な世界」は、名作アニメ『犬夜叉』の世界観を受け継ぐ『半妖の夜叉姫』の世界観を彩る、繊細で美しい楽曲。エアリーな雰囲気のボーカル/ハーモニーを含め、これまでのリトグリのイメージをさらに広げる作品と言えるだろう。C/Wには「Hurry up!!」を収録。ライブの盛り上がりを想起させるチアフルなナンバーに仕上がっている。
リスアニ!WEBでは、メンバーのMAYU、かれんにインタビュー。シングル「透明な世界」を軸にしながら、現在行われている全国ツアー“Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<”の手応えや、思い出に残っているアニソンについても語ってもらった。
楽曲の世界観に寄り添い、優しく、儚く
――ニューシングル「透明な世界」は、弐の章エンティングテーマ。まず、『半妖の夜叉姫』に対してどんな印象を持ってますか?
MAYU 私は、元々高橋留美子先生の作品が好きで、子どものときから『らんま1/2』も観ていて。『犬夜叉』も4歳くらいのときから見ていたし、(『半妖の夜叉姫』は)その続編ということで、皆さんと同じようにすごく楽しみにしていました。第1期が「これからどうなるの?」という終わり方だったので、第2期にもめちゃくちゃ期待していたし、そのエンディング曲を歌わせてもらえるのは本当に嬉しいです。お話をいただたいとき、「ホントに!?」ってテンション上がりました。
かれん 私はあまり詳しくなかったんですけど、エンディング曲を歌うことになってから『半妖の夜叉姫』の壱の章を観て、めっちゃハマりました。
――「透明な世界」もアニメのストーリーや世界観とリンクしてますね。
かれん そうですね。透明感のある曲だし、スッと入れるような感覚があって。
MAYU うん、きれいな曲だなって。儚さだったり、色っぽさとは違う艶やかさも感じるし、歌い方も今までと少し違うんですよ。リトグリはパワフルに歌い上げたり、地声をしっかり聴かせる曲が多いんですけど、「透明な世界」は息の成分が多めで、ちょっと抜いて歌う部分もあって。楽曲の世界観に寄り添って、優しく、儚く歌っているイメージというのかな。これまでとは違った印象を持ってもらえると思います。
――レコーディングでも試行錯誤があった?
MAYU はい。曲によって歌い方や声の色は微妙に違うし、色々試しながら、「これがハマるな」というものを表現しているので。
かれん 「透明な世界」も最初は、いつもの感覚でパワフルに歌っていたんですよ。
――かれんさん、MAYUさんは「透明な世界」の歌詞をどう捉えてますか?
かれん 色々思うところはあるんですけど、特に“響き合い重ねた想い 僕らは「またね」って叫んだ 変わり続けていく世界に 恐れないで 繋いで 信じて”の2行は心に残るフレーズだなって。一番最後の“透明な世界でも 照らし出す道標”も好きですね。
MAYU 私も一緒で、“響き合い重ねた想い~”のところは、歌詞を読むたびにゾワゾワしちゃいます。全体を通して、「変わることを恐れないで」というメッセージも大きいのかなと思っていて。人それぞれだとは思いますけど、人生の中で変わっていくタイミングって必ずあると思うし、それでも恐れないで進んでいこうって。応援歌でもないし、悲しい歌というわけでもなく、聴いてくれる人に寄り添える歌詞ですよね。
――間違いなく『半妖の夜叉姫』のファンの方にも響く歌ですよね。
MAYU そうなってくれたらいいですね。
――「透明な世界」のMVは、VRアーティストのせきぐちあいみさんとのコラボレーション。何もない場所に歌詞や色とりどりの映像が現れて、すごく引き込まれました。
かれん リトグリとして初めての試みで、なかなかできない体験だったと思います。撮影のときから不思議な感動がありましたね。
MAYU 曲の世界観もすごく合ってるし、VRを使った映像もすごく新鮮で。何より、撮影自体が楽しかったんですよ(笑)。
かれん うん、楽しかった(笑)。
“楽しい未来が待ってる”という希望も込められたカップリング曲
――シングルのカップリング曲「Hurry up!!」は、ハッピーで前向きなパワーを感じる楽曲。皆さんがライブで歌ってる場面が浮かんできました。
MAYU まさにその通りで、ライブでお客さんと一緒に盛り上がることを想定して制作した楽曲なんです。
かれん リズムカルでポップな曲なので、ノリやすいと思います。歌詞もすごくポジティブで。“コロナがあけたら、楽しい未来が待ってる”という希望を込めているし、みんなで声を出して盛り上がれる日が楽しみですね。
――ファンの皆さんもその日を待ち望んでいると思います。こういうアッパーな曲、やっぱりリトグリに似合いますよね。
かれん 大好きですね!歌っていて楽しいです。
MAYU 私もアッパーな曲は好きなんですけど、「Hurry up!!」はリズムの取り方がちょっと難しかったですね。
かれん 声に合う、合わないとか、得意・不得意もありますからね。楽曲のたびにチャレンジというか、“頑張って自分たちのものにする”というのはずっと変わらないので。
MAYU そうだね。
――リトグリの活動自体、“チャレンジの連続”という印象もあります。特に去年から今年にかけては、超えなくてはいけない壁がたくさんあったと思いますが……。
MAYU 思うようにライブができない状況が2年くらい続いてますからね。“お客さんの前で歌う”“みんなで声を出して盛り上がる”という当たり前のことができなくなって、最初は「どうしたらいいんだろう?」という戸惑いもありました。「方法はないんじゃないか?」と思うこともあったけど、例えばリモートで合唱したり、配信ライブだったり、少しずつやれることを見つけて。ライブに関しても、(収容人数)を半分にさせてもらったり、状況に合わせてお届けすることができたのかなって。色んなアイデアも生まれたし、「これだったらやれるね」ということも増えたので、決してネガティブなことだけではなかったと思います。
――ボーカルグループとして表現の幅も広がった?
かれん そうですね。私は意外と戸惑うことがなくて、そのときの状況に合わせて適応していこうと思っていたんですよ。MAYUが言ったように、去年の自粛期間中も、みんなで「今できることってなんだろう?」と考えていました。カバー動画をアップしたり、配信ライブだったり、「できる範囲で最高を目指そう」という気持ちでやっていましたね。
――「どんな状況でも、ベストを尽くす」という姿勢は変わらなかった、と。
かれん はい。今やっているホールツアー(“Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<”)でも音が出るグッズを作ったり、声を出せない状況の中でも楽しめる工夫をしていて。そうやって今後も進んでいけたらいいなと思ってます。
――現在行われている全国ホールツアーには“ラフ”というテーマを掲げているそうですね。
MAYU そうなんです。ステージにソファやバーカウンターのセットがあったり、良い意味で自然体でやらせてもらっていて。今もライブは慣れないし、まだまだ緊張するんですけど、今回のツアーではできるだけリラックスした雰囲気で歌を届けたいなって。ファンの皆さんも一緒に楽しんでもらえていると思います。
――素の状態に近い?
かれん そうかもしれないですね。今年の初めのアリーナツアー(“Little Glee Monster Arena Tour 2021 “Dearest””)のときは会場も広かったし、ショー的なところもしっかり取り入れていたんですが、今回は客席との距離も近くて、アットホームな雰囲気なんですよ。ほっこりというか、私達を近い距離で感じてもらえたらなって。何よりも、この時期にツアーを回れることが嬉しいんですよね。
――芹奈さんが復帰して、5人でツアーを回れているのも素晴らしいですよね。
MAYU 本当にそうですね。私達は立ち位置がずっと同じなので、5人揃うと安心感があるんですよ。アリーナツアーは4人で回ったんですけど、気持ちが潰れそうなこともあったし、「このままホールツアーが始まって大丈夫なのかな」と思っていたんです、正直。でも、芹奈が戻ってきてくれて、5人で歌えて……個人的にはそれ自体がモチベーションになってるんですよね。状況もどんどん変わっていったし、本当に色んなことがあったけれど、こうやって歌い続けられているのはすごく嬉しいです。
かれん うん。ピンチはチャンスというか、芹奈がお休みすることになったとき、「今が頑張りどころだな」と思ったんです。年明けから4人でアリーナツアーを回って、スタッフの皆さんからも「成長したね」って言ってもらえることが増えて。自分たちでも「少しは強くなれたのかな」という手応えがあったし、そこに芹奈が戻ってきてくれて、5人揃った状態でホールツアーを開催することができたのはすごく良かったなって。良い雰囲気だし、楽しくライブをやれてますね。
――2020年1月5日、6日には東京・中野サンプラザホールで“Little Glee Monster“BRIGHT NEW WORLD PARTY 2020””を開催。来年はさらにパワーアップできる年になりそうですね。
かれん この状況がもう少し良くなって、制限が緩和されたらいいなと思っています。“ファンの皆さんの前で歌えることは当たり前じゃない”ってすごく感じたし、来年も感謝を伝えられる機会を増やしていきたいですね。
MAYU ありがたいことに、来年以降も色々な活動が決まっていて。どんどん突っ走っていきたいです。
――めちゃくちゃ期待しています!では最後に。前回のリスアニ!WEBでのインタビューでは“思い出に残っているアニメ作品”について聞いたんですが、今回は“思い出に残ってるアニソン”を教えてもらえますか?
MAYU 前回は「『ぴちぴちピッチ』が好きです」って答えたんですけど、その主題歌でもいいですか?(笑)『ぴちぴちピッチ』は“マーメイドプリンセスが歌う”というシーンがあって、楽曲もすごく良いんです。特に好きなのが「Before the Moment」(アニメ『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ ピュア』OPテーマ)。今も全部覚えてるし、カラオケでもよく歌ってましたね。
かれん 思い出に残ってるアニソンは……デビュー前なんですけど、事務所の先輩の中川翔子さんのコンサートのバックコーラスに付かせてもらったことがあるんですよ。しょこたんさんはアニソンのカバーを歌われるんですけど、そのときは「檄!帝国華撃団」(TVアニメ『サクラ大作戦TV』主題歌)や『聖闘士星矢』の楽曲を歌って。
MAYU 歌ったね!今もばっちり歌える(笑)。
かれん アニメソングは口ずさみやすい曲が多いし、私たちの楽屋ソングになることもありますね。
MAYU 確かに!よく歌ってるもんね、アニソン。
――楽屋で歌ってるんですか?
かれん そうなんですよ。コンサートや音楽番組などで歌わせてもらった曲はずっと頭に残ってて、楽屋で口ずさむことがあって。誰かが歌ってると、みんなも歌い始めちゃうんです(笑)。
MAYU そうそう、もはや無意識で歌ってることもあるよね。スタッフの皆さんは多分、「何でその歌を歌ってるの?」と思ってるかもしれないけど(笑)。
TEXT & INTERVIEW BY 森 朋之
●リリース情報
Little Glee Monster シングル
「透明な世界」
2021年12月8日(水)発売
【初回生産限定盤(CD+BD)】
品番:SRCL-11950~51
価格:¥1,700(税込)
【通常盤(CD)】
品番:SRCL-11952
価格:¥1,320(税込)
【期間生産限定盤(CD+BD)】
品番:SRCL-11953~54
価格:¥1,700(税込)
●初回生産限定盤 CD収録曲
M-1:透明な世界
M-2:Hurry up!!
M-3:move on -SPACE SHOWER TV×J:COM Little Glee Monster Precious Live-
●通常盤 CD収録曲
M-1:透明な世界
M-2:Hurry up!!
M-3:SPIN -SPACE SHOWER TV×J:COM Little Glee Monster Precious Live-
M-4:透明な世界 -Lead Off ver.-
●期間生産限定盤 CD収録曲
M-1:透明な世界
M-2:Hurry up!!
M-3:Waves -SPACE SHOWER TV×J:COM Little Glee Monster Precious Live-
M-4:透明な世界-TV Size-
■初回限定盤 Blu-ray 部分
・透明な世界 Music Video
・透明な世界 Music Video -Lip ver.-
・透明な世界 Music Video Maiking
■期間生産限定盤 Blu-ray 部分
・「半妖の夜叉姫」ノンクレジットエンディングムービー
関連リンク
Little Glee Monster 公式HP
https://www.littlegleemonster.com/
Little Glee Monster 公式Twitter
https://twitter.com/LittleGleeMonst
Little Glee Monster 公式Instagram
https://www.instagram.com/littlegleemonster_official/
TVアニメ『半妖の夜叉姫』公式サイト
http://hanyo-yashahime.com/