この作品は24人の王/姫が活躍する、「音楽×RPG」をテーマにしたロールプレイングゲーム。
INTERVIEW & TEXT BY 杉山 仁
本作に込められたこだわり
――まずは開発が始まった経緯を教えてください。DONUTS GAMESさんはこれまで一貫してオリジナルタイトルで勝負してきた会社ですが、今回の「ユアマジェスティ」はどのようにアイデアを考えたんでしょう?
安藤武博(プロデューサー) 前段として、まずは僕がDONUTSにジョインした経緯をお伝えしておきますね。僕は元々スクウェア・エニックスを辞めてフリーのプロデューサーになり、その後現在のDONUTSの事業部を率いることになったのですが、それは「ユアマジェスティ」のディレクターも担当している、塚口綾子(元コーエーテクモゲームス)とゲームが作りたかったからなんです。最初は僕が塚口に「DONUTSを辞めてフリーになってほしい」という話をしたのですが、「それは無理。そっちがDONUTSに来ればいい」という話になって(笑)。
――なるほど。
安藤 それで4年ほど前に、塚口とのタッグで初めて手がけたのが「ブラックスター -Theater Starless-」でした。ですから、あの作品が3周年を迎えて「次は何を作ろうか?」という話になったのが、「ユアマジェスティ」の始まりです。その際、塚口から、今度はターゲットが女性に限定されない作品はどうかという話が出て、それなら「ロールプレイングゲームだな」と。
――たしかに、「Tokyo 7th シスターズ」なども展開していますし、「D4DJ Groovy Mix」のゲーム開発も担当されていますからね。
安藤 そうなんです。ただ、僕らとしては、元々特定のジャンルにこだわっているわけではないので、特に日本においてはゲームジャンルの中でもメインの1つになっている「ロールプレイングゲーム」に挑戦したいと思いました。「塚口さんって女の子向けゲームの人でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、全然そういうわけではなくて。じゃあ、実際に塚口が男性もメインターゲットに据えた作品を手がけてもらったらどうなるか、というところから考えていきました。
――「音楽×RPG」というテーマで、CV/歌唱担当を分担したダブルキャスト制にするアイデアはどんなふうに決まっていったんでしょう?
安藤 音楽がテーマの1つになっているのは、我々の強みを生かすためですね。そしてWキャスト制は「ブラックスター -Theater Starless-」のときにとても良かったという感覚があったので、このやり方は崩さずにやりましょうと決めていきました。「ユアマジェスティ」の楽曲は歌のプロでないと歌えないようなものを意識しているので、このシステムが活きていると思っています。
――「演技」も「音楽」も、どちらも素晴らしいものを届けたいということですね。登場キャラクターたちが、正義(セイクリッド)と狂気(タイラント)の二面性を持っているというアイデアについてはいかがですか?
安藤 世の中にすでにたくさんあるロールプレイングゲームを後発のDONUTS GAMESが出すわけですから、差別化されていないと遊んでもらうことはできません。
――たしかに。
安藤 その生き様自体が、大河ドラマのように物語として語り継がれていて、為政者として名君である部分と、暴君である部分を持ち合わせていたりする。人によっては聖人だけど、人によっては狂人みたいなところが王の魅力だと思ったので、物語やゲームシステムにそれを落とし込めば、面白いことができるんじゃないかと思いました。そこで「正義と狂気」「陰と陽」「白と黒」のような二面性を、物語の世界観やゲームシステムに落とし込むことにしたんです。
――なるほど、人を惹きつけるような派手な存在感のようなものを、「正義」と「狂気」の二面性を使って上手く表現できるんじゃないか、と。
安藤 はい。やっぱり、何かしらの狂気を孕んでる人じゃないと末代まで語り継がれるような存在にはならないと思うんです。それに、ゲームはその2つの要素を同一の世界に共存させることができるメディアでもあるので、「とんでもない強キャラたちのバトルロイヤルができるんじゃないか」と思いました。「ユアマジェスティ」のプレイヤーは小役人と言われる、王に仕える下僕(しもべ)で、基本的には王に「お前がなんとかしろ」と言われる関係です。ですから、戦闘シーンのレイアウトも特殊なものになっていて、プレイヤーである下僕が先頭で盾を持って王を守る一方、王たちはその後ろで「やれ!」と好き勝手に攻撃しています。
――そうなってくると、バトルシステムの面でも通常のロールプレイングとはまた違った工夫をする必要があったんじゃないでしょうか?
安藤 一番気をつけたのは、戦闘が地味になりすぎないことでした。王に比べて強いわけではない主人公が前に出ていて「お前が守れ」と言われている状態で戦闘が始まるので、それをトータルで見たときにどのようにカタルシスを感じられるようデザインするか。やはりこれは難しかったです。ただ、ほかのロールプレイングゲームにはあまりない特徴だと思うんですが、「ユアマジェスティ」ではすべての王に主題歌があり、戦闘の中で王が登場する際には楽曲とともにものすごく派手にダメージを叩き込んでくれます。最初の我慢とあとにやってくる派手さによって、トータルで見たときに爽快感や派手さが感じられるように工夫していきました。
――なるほど。「ゲージを3本貯めてから出す最強の必殺技がめちゃくちゃかっこいい!」みたいな発想ですね。
安藤 そうです(笑)。ロールプレイングゲームのバトルシステムでは定番の「貯まると良いことがある」という要素を、作品の世界観に意味のある形で連動させることが1つのテーマでした。「なんで貯めるんだろう?」ということに関して、「僕(しもべ)なんだからまずはお前が前に出ろ」「わかりました!」という建付けになっていて。
――そういう作品だからこそ、音楽も非常に大事なんですね。
安藤 その通りです。
「ゲーム的な音楽」の枠組みに囚われない楽曲制作
――では、具体的に楽曲の話を聞かせてください。まず、本作にはテーマソングが「Pledge of Gold」と「Obey the Majesty」の2種類用意されていて、その2つは対になっています。これはどんなふうに考えていったんでしょう?
安藤 これは先ほどお話した「正義」と「狂気」の話で、音楽面でもその二面性を打ち出す2曲が必要でした。「Pledge of Gold」は曲調も歌詞の内容も完全に「正義」を表わしている楽曲で、「Obey the Majesty」の方は曲調も歌詞も狂気を表わしている楽曲。音楽でも正義と狂気を表現すべきだというアイデアで作られた2曲なので、主題歌が2つできることになりました。この辺りの対比は、MVでも明確に仕掛けさせてもらっています。
――それぞれ楽曲をオーダーしたときにリクエストしたことはありますか?
安藤 「Pledge of Gold」に関してはいくつかあるんですけど、一番わかりやすいのは常人離れしたロングトーンですね。これは小林(マナ)さんと大山(真志)さんの歌だからこそできる「歌声にひれ伏せ」ということがやりたかったんです。まるで圧倒的な王の力にひれ伏すように、音楽では「歌声にひれ伏してほしい」。
――秋奈さん、声優でもありますが歌も非常に上手い方ですよね。
安藤 DONUTS GAMESだと「Tokyo 7th シスターズ」には声優として参加してもらっていますが、「ユアマジェスティ」ではシンガーとして歌声で参加してもらいました。あのキーで歌い上げられる女性が2人でハモるだけでも緊張感が生まれると思うので、楽曲で表現したい焦燥感や緊張感、ちょっとダークな雰囲気がぱっと聴くだけで伝わる楽曲になったと思っています。メロディも、ある種不安定ものと安定したものを行き来する雰囲気になっていて、歌が上手い人じゃないと歌いこなせないメロディラインになっているんです。
――たしかに、「Obey the Majesty」もわざとハマりきらないようなメロディが用意された、とても技術が必要な楽曲になっていますね。
安藤 ある意味不協和音に近いことをわざとやっている。この辺りは、焦燥感や不安を表現してもらうための工夫でした。あと、歌詞の世界設定は両方とも塚口が担当していて、「Pledge of Gold」の「Pledge」や「Obey the Majesty」の「Obey」といった、耳馴染みがあまりない単語を必ず1つ、タイトルに入れてくれています。この「耳馴染みのある言葉」と「耳馴染みのない言葉」を並べて不思議な雰囲気を出しているのもポイントです。
――また、それぞれの王のキャラクターソングは、ジャンルが非常に幅広く、なかには「こんなジャンルもあるんですか?!」と驚くようなものもありました。
安藤 色んなところから色んな王様がやってきているので、当然王たちは色んな文化や色んな時代背景を背負った、色々なタイプの人物です。その魅力を音として表現するのなら、「1つのジャンルに偏るはずがないよね」という考え方がまずあって、様々なジャンルをやりたいと話していました。例えば、ラキの「Ride on the beat」は特徴的で、ロールプレイングゲームで女の子がヒップホップをすることって、まだ結構珍しいと思うんです。「ヒップホップの中でもマッチョな感じのものではないポップな曲が、音ゲーでもないロープレ作品に乗ったことってないよね?」と。それで作ったのが「Ride on the beat」です。
――この曲は僕も一番びっくりしました。
安藤 あとは、サティスの「zayfi」も特徴的な曲の1つで、中東をイメージしていて歌詞にアラビア語が出てきます。これも実はありそうでなかったんじゃないかと思うんですけど、彼女の出自を考えると自然な要素でもあります。あと、ちょっとアラビックな旋律を持った音楽ってBLACKPINKやR&Bのトップアーティストがトレンドとしてやっていますが、ああいうものってまだ意外とゲーム音楽には入ってきていないと思っていて。ストリーミングサービスで聴いても、BLACKPINKから「zayfi」に変わったときに「ゲームの曲が始まったね」とは気づかないようなものになったと思っています。クオリティに一切の妥協をせずに、1つの音楽として聴き応えのあるものを目指していきつつ、そこにキャラの個性を投影してもらっています。ほかの曲だと、カンタレラの楽曲「天使のクラリオン」は、僕的には80年代のアイドルソングの再構築です。今「昭和がエモい」みたいな話があると思うんですけど、松田聖子や中森明菜から、80年代の最後のほうのCoCoやribbon辺りまで続く80年代後半までのアイドルソングを令和に蘇らせよう、という雰囲気の楽曲になっています。
――オーダーする際に、ある程度の方向性をす擦り合わせていくんですか?
安藤 コンポーザーの皆さんとも結構やり取りしていますし、塚口自体もとても音楽に聡い人なんですよ。塚口の場合はどちらかというとオペラやクラシックに造詣が深い人ですが、新しいチャレンジをするときには徹底的にそのジャンルを聴き込みまくるんです。「ブラックスター -Theater Starless-」で初めてヒップホップをやったときも、ありとあらゆる音源を聴きまくって、精神性も含めて徹底的に理解しようとしていて。今回も、オーダーの時点で「この曲ではこのキャラにこういうことをやらせたい。こういうものを狙いたい」という詳細なイメージが添えられていて、相当緻密に考えながら楽曲が作られています。
――全曲聴けるのがとても楽しみです。
安藤 これからも色々なジャンルの楽曲が出てくると思うので、楽しみにしてもらえると嬉しいです。ゲームのキャラクターの魅力を表現したり、ゲームに没入してもらうために存在している楽曲でありつつも、それ単体で聞いても音楽的に楽しめるクオリティを目指すという部分は、すごくこだわっています。
――「ゲーム的な音楽」の枠組みを意識しないようにしているんですね。
安藤 仕事やもの作りにおいて、それは個人としてもすごく気をつけていることでもあります。「ロールプレイングゲームってこういうものでしょ」とか、「HPとMPのゲージはこの場所にあるものですよね」とか、「かかる曲はこういうものですよね」とか。それって元々誰かがゼロから考えたものであって、最初から決まっていたことではないと思うんです。その辺りも踏まえつつ、「どうしたらお客様に喜んでもらえるか」「なんでこのロープレは歌うんだ」ということを考えた結果、それぞれに個性的な曲が生まれることになりました。例えば、ゴリゴリのヘビーメタルとかですかね。
――なるほど。ツーバスが爆音で鳴っているような。
安藤 ハイトーンボーカルの曲で、おっしゃるようにツーバスをバーっと踏んでいて。ギターのチューニングも下げているんですけど、一方でシンセが入っていて、ギターソロがないんです。なので、メタル色の強いものでありつつも、実はあまり聴いたことのない仕上がりになっています。あとは、王のモデルをイメージにとりこんだ楽曲も積極的に作っていければと思っています。その上で、キャラ性を織り込んだもの、例えば透明感のある歌声で最高音をしっとりと歌い上げる、などにチャレンジしています。
――王によってジャンルが大きく変わってくるのが面白いですね。「正義」と「狂気」の曲のバリエーションもあるんですか?
安藤 ありますよ。テーマソングと同じように、キャラが変化したら音楽も変わっていくべきかなと思っていて、王は24人いるので、単純計算だと48曲になりますよね。リリース時には、15曲がゲーム内に入っています。
――今回のタイトルを、どんなふうに楽しんでいただきたいと思っていますか?
安藤 今回僕らがやり遂げたいと思っているのは、ロールプレイングゲームを、スマートフォンでしっかり作りたいということでした。話が面白くて、キャラクターの造形がしっかりしていて、物語をどんどん読み進めていきたくなるような、ある意味ではコンシューマゲームのロールプレイングゲームのような魅力を、スマートフォンで実現したいと思っています。見目麗しいイラストや、耳馴染みがよくてかっこいい楽曲から入ってくれた人たちが、「キャラクターのやり取りが気になってしょうがない」「お話の続きが読みたくてしょうがない」と物語の行く末を楽しみにしてくれるようなことを、やっていけたらいいですね。
――「ユアマジェスティ」は、リリース前からイベント「ユアマジェ・パーティ」を開催されていましたが、この辺りの展開はDONUTS GAMESさんの得意なことでもあると思います。音楽ライブなど、ゲーム以外の展開でやってみたいことはありますか?
安藤 「ユアマジェスティ」は優れた楽曲がたくさんあり、優れたパフォーマーの方々と組んでいる作品なので、それを生で体験する機会はぜひ設けたいと思っています。すでに「ユアマジェ・パーティ」でもミニライブをしてきましたが、より音楽だけに特化したものでもいいですし、ロールプレイングゲームのイベントらしく、キャラクターの芝居にフォーカスするものでもいいですし、その両方が交錯するものでも良さそうだなと思っています。音ゲーが作れてしまうほどの楽曲数とバリエーションがある作品なので、それを活かしたことをやっていきたいですね。
●アプリ情報
「ユアマジェスティ」
配信形式 :スマートフォン(iOS、Android)向けアプリ
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/id1638694688
Google Play ストア:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ne.donuts.ttyf
<ストーリー>
世界が壊れゆく中、
召喚される24の偉大なる魂。
「王をあがめよ、さらば救われん」
破壊に満ちた世界で、
正義と狂気の旅が始まる。
【キャスト】
希望王/絶望王 ヴァージニア CV:高橋李依/Singer:小林マナ
孤高王/烙印王 クロード CV:伊東健人/Singer:大山真志
贖罪王/天罰王 ルイゼット CV:佐倉綾音/Singer:浅場佳苗
葬礼王/蠱惑王 カンタレラ CV:竹達彩奈/Singer:星咲花那
精霊王/冒涜王 ミコ CV:田所あずさ/Singer:000
享楽王/虚栄王 ラキ CV:大橋彩香/Singer:YURIKA
雷鳴王/忘却王 マーニャ CV:三澤紗千香/Singer:秋奈
香貴王/弑逆王 サティス CV:中村桜/Singer:くろくも
豪運王/強欲王 ハリー CV:酒井広大/Singer:松浦航大
慧星王/悪夢王 ムーダン CV:五十嵐裕美/Singer: ???
騎士王/蹂躙王 ザン=エクエス CV:新祐樹/Singer: ???
流浪王/兇弾王 テオ CV:森なな子/Singer: ???
清冽王/断罪王 クララ・ケリー CV:大西沙織/Singer: ???
勝利王/残骸王 シノン CV:寺島拓篤/Singer: ???
失楽王/棺桶王 スタフカ CV:宮崎遊/Singer: ???
悪魔王/堕落王 ドラクリヤ CV:日笠陽子/Singer: ???
ハートの女王/傀儡王 アディ CV:山根綺/Singer:ILIE
求愛王/偏愛王 ルル CV:石見舞菜香/Singer:春奈るな
叛逆王/残忍王 カマラ CV:加隈亜衣/Singer: ???
修復王/骸骨王 マクシムス CV:山野井仁/Singer: ???
探求王/異形王 ゴエティア CV:青耶木まゆ/Singer: ???
魔女/復讐王 コンスタンス CV:矢作紗友里/Singer:前島麻由
陽心王/悪意王 ヘレナ CV:大原さやか/Singer: ???
薔薇王/欺瞞王 アンジュー CV:外石咲/Singer:門山葉子
局長 パラス CV:和優希
局長 ノクシーヌ CV:拝師みほ
局長 フィロ CV:大塚剛央
ジッキョ CV:阪口大助
カイセツ CV:伊藤健太郎
主人公(男) CV:坂泰斗
主人公(女) CV:月城日花
※未発表のシンガーキャストは今後楽曲とともに随時公開してまいります
© DONUTS Co. Ltd. All Rights Reserved.
関連リンク
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