INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
“リスアニ!LIVE 2023”、自身最大規模のワンマン、そして3か国のイベントライブへ
>
——レーベルをSACRA MUSICに移籍して、活動の幅もどんどん広がっている頃かと思いますが。移られてから変化したことはありますか?
Who-ya 海外のライブの本数がとても増えたっていうのが大きくて。昨年11月末にSACRA MUSICに移籍してからすぐ、12月にサウジアラビアでライブがあったんです。そこから今年の夏は3か国(アメリカ・シカゴ、ブラジル・サンパウロ、ドイツ・マンハイム)で海外イベントに出演する予定で、これから先も冬に向けてイベントなどが増えていきます。デビューから3年間、海外でのライブをできていなかったこともあり、そこの視野が広がったなというのが一番感じているところですね。
——今年1月には“リスアニ!LIVE 2023”にもご出演されました。日本武道館でのライブはいかがでしたか?
Who-ya 有観客での武道館ライブは初めてでした。初めてのリスアニ!LIVEであり、ああいう形のフェスイベント形式も初めてだったので、出演が決まった当初は「どういう方が見ているのかな」「どういう温度感なのかな」って手探り感があって。正直、リハーサルの段階くらいまで、どういうパフォーマンスをしようかとちょっと悩んでいた部分もあったんですが……実際、ステージに立ってみると、オーディエンスの皆さんの熱量がすごすぎて。「これはちょっと負けてらんないな」っていう意味で、お客さんからもすごくいい刺激をもらえました。
——リスアニ!LIVEのオーディエンスの皆さんはすごく予習されてきますしね。
Who-ya すごいですよね(笑)。僕はイヤモニを付けているので、お客さんの歓声は聞こえるけれど、内容までは聞き取れないんです。ただ、3曲目に入るときに「A Shout Of Triumph」って曲名を言った瞬間、2階席くらいから「ヨッシャーーー!」っていう男性の声が、イヤモニをつけていてもステージまで突き抜けて聞こえてきたんです。こんなことあるのか!と思って(笑)。イヤモニも貫通して聞こえてきたのには驚いちゃいましたが、すごく嬉しかったです。
REPORTASCA、angela、内田真礼、ClariS、KOTOKO、JUNNA、Who-ya Extended、fripSideの8組が競演!“リスアニ!LIVE 2023”3日目公演“SUNDAY STAGE”速報レポート
——(笑)。そのすぐ後にはKT Zepp Yokohamaでご自身のワンマンライブ(Who-ya Extended 3rd ONEMAN LIVE “VoiceMarks”)もありました。日本武道館での経験が何か影響した部分はありましたか?
Who-ya KT Zepp Yokohama自体が、自分たちの単独ライブとしては過去最大キャパだったんです。その前にあのリスアニ!LIVEを体感して臨んだので、ステージだけじゃなく客席も含めた……奥行きも含めた空間みたいなものを感じながら、遠くの人にも届けられるように歌うことは、より一層意識しました。ワンマンのリハをやりながらリスアニ!LIVEのリハにも行くという感じでしたが、逆にこうして連続で違う形のライブができたことは、自分にとってもすごくいい経験になりました。
広がる世界、繋がる音楽、自身からの発信で届けたいもの
——ここ最近で色々広がっていった活動の1つとしては、FCイベントの開催やYouTubeチャンネルの開設といった、ご自身からの発信が活発化している印象があります。
Who-ya デビューして3年、ずっと手探りで活動をしながら、最初は僕自身があまり前に出ていなかった期間もありましたが、今はより色んなことをチャレンジして、その中で見つかる可能性を探していきたいという時期に入ったんじゃないかなと思っています。その一環として、もっと自分発信のものを増やそうっていう意識が特に強くなってきました。
——また、直近では「MAPPA STAGE 2023」(5月21日)と「PSYCHO-FES 10th ANNIVERSARY」(6月17日)といった大型アニメ作品のイベント出演もありました。ご自身が関わった作品とイベントで関わる機会はいかがでしたか?
Who-ya 主題歌を担当させていただいたアニメの放送期間中、テレビから自分の曲が流れたり、街中で流れていることもあったりしますが、「実際にどういう人が聴いて、どういうものを受け取ってくれているか」というのを、あまり直接の肌感では感じられなかったんです。それがライブという空間で会場に来てくれている皆さんと会って確認できることはありがたいし、いい刺激をもらえました。純粋に「一番直接的な恩返し」なんじゃないかなと、出演させていただいて思いました。
——アニメの制作側の思いにも触れられた感覚はありましたか。
Who-ya 特に「PSYCHO-FES」では、(『PSYCHO-PASS』の)塩谷直義監督に2年半ぶりくらいにお会いできました。今回改めてちゃんとお話ができましたし、塩谷監督が関係者の前でお話しされているのを聞くことができたのが嬉しかったです。『PSYCHO-PASS』の10周年という節目の場にいられるということだけで感謝がつきないのですが、特に僕の場合はこの先色んな作品と関わっていっても、TVアニメ『PSYCHO-PASS 3』OPテーマの「Q-vism」がデビュー曲なので、特別に思ってしまう作品だなとそのときに強く感じました。
——さらにWho-yaさんの最近のトピックとして、6月よりNetflixの恋愛リアリティーショー「オオカミちゃんには騙されない」にもご出演されています。こちらの反響はいかがですか?
Who-ya (インタビュー時点のオンエア分は)まだまだ序盤なので、今の時点では普段とあまり変わらないですが、最初は僕もめちゃめちゃ人見知りしていたところ、他の出演者の9人みんなと過ごしながら仲良くなり始めて、打ち解けてきて。
——色んな職業、さまざまなタイプのお仕事をされている人たちと交流できる機会ということもあり、なかなか刺激があったのでは?
Who-ya そこが自分の成長的なところでは大きいと思っています。音楽をやっていると、スタッフさんも含め音楽をメインにしている人が自然と周りに集まりますが、モデルや役者のような、全然違う業種の人と長い時間を過ごせるのは得難い経験になっています。
「Repentance Dance」が激しいロックサウンドと疾走感を志向した理由
——2019年の「Q-vism」以来、Who-ya Extendedとしてさまざまなアニメとのタイアップ曲を担当されてきました。アニメとコラボレーションする楽曲制作で、ご自身が意識していることはなんですか?
Who-ya 主題歌を担当させていただくときは、やっぱり作品を大切にしたい気持ちは強いです。『呪術廻戦』や『PSYCHO-PASS』など歴史の長い作品は、自分たちが主題歌を担当する前から元々好きだったものが多いので、「アーティストWho-yaとして作品に主題歌で寄り添いたい」というところと、作品のいちファンとして「この作品のいいところはここだ」っていうところのちょうど中間を探しての制作になりますね。
——そして今回リリースされるのが、「パチスロ傷物語 -始マリノ刻-」のテーマソングとなった「Repentance Dance」です。西尾維新原作の〈物語〉シリーズはご存知でしたか?
Who-ya 『化物語』はもちろん、『傷物語』がその前日譚という立ち位置である作品ということも元々知っていました。でも今回はパチスロのテーマソングなので、いわゆるアニメの主題歌とは違うし、『傷物語』という作品そのもののテーマソングでもない。そして、“パチスロ”という遊技機のテーマソングでもない……という3つの立場から曲を作りました。今回の歌詞とか、楽曲に関しては、あまり「パチスロだから」とか「『傷物語』だから」ということより、自分たちが純粋に疾走感のあるちょっとダークなロックナンバーを作りたいという欲求と照らし合わせて作りました。
——制作側から何かリクエストやオーダーはありましたか?
Who-ya 「傷物語」そのもののテーマソングではない、パチスロのテーマソングではないってことはやっぱりおっしゃっていて、そこは自分も同じ考えでした。
——パチスロで流れる楽曲としての部分はどのようにイメージしましたか。
Who-ya 実は僕、ギャンブルをやったことがないんです。それでも、曲が流れる瞬間を想像して、「疾走感」を曲に込めました。流れる場面でアドレナリンが出るような楽曲にしたいなって意図は音像的にもありました。その上で、今回のタイアップをきっかけにWho-ya Extendedを知ってくれる人がいるといいな、と思っていたので、純粋に曲としてフルサイズで聴いてほしいなと思います。
——パチスロというと、にぎやかな環境から聴こえてくる楽曲ということにもなりますが、その点でこだわったことはありますか?
Who-ya きっと周囲の音は爆音なんじゃないかとは想像していたので、その中でもちゃんと聞き取れて「これ、激しくてかっこいい曲だな」と思ってもらえるには、やっぱりゴリゴリのロックしかないだろう!ということで、この音像になりました。自分たちが今まで出してきた曲の中でも、マイナーで暗めなロックサウンドの曲はありましたが、さらに疾走感を出して、聴いていると急かされているかのような、背中を押して走り出すような感じの音にしたいなと。
自分なりの真実を見定めて、自由を掴み取りたい
——歌詞についてはいかがですか?
Who-ya この曲のテーマは“真実なんて 実体のない主観のstory”というところに入っているなと感じています。真実って表裏一体だよね、みたいなことを歌詞では書いているんです。例えばSNSもそうですが、今って真実って言われているものに純度100%のものはないと思うんですよ。
——ちなみに「Repentance Dance」のタイトルは「後悔」といったものを表す意味なのかなと思いつつ、曲全体のテーマ・コンセプトも改めて教えていただけたらと。
Who-ya 曲名の“Repentance”=後悔とか、“傷隠して生きる”という歌詞とか、曲全体のテーマとしてちょっと薄暗いワードを使ってはいるんです。でも、ただそれだけでは終わらせたくないので、前に進むときには「ありのままに、踊るように」というか……自分に起こったことは受け取って、それでも前に進むしかない、といった意味でワードを選んでいきました。これが、後悔や傷を負って生きているだけじゃなく、その中でも自分なりの理由、真実を見定めて、自由を掴み取りたいというメッセージに繋がっています。曲の終わりも“踏み切る理由を”だったり、全部を聴くと、結局は「走り出すしかないよ」って背中を押すような、前向きな曲だと表したかったんですよね。
——そんな「Repentance Dance」をどんなふうに楽しんでもらいたいですか?
Who-ya この曲はとにかく、聴くだけでアドレナリンが出るような作りになっている「暴れ曲」だと思います。前作の「A Shout Of Triumph」はエレクトリックな電子音モリモリのハネるような曲でしたが、僕たちは最初のアルバムで「Repentance Dance」のようにちょっと薄暗いロックをやっていたこともあって、今回は原点回帰に近い一曲になりました。
——そして今月から7月ということで、2023年下半期の目標をお聞かせください。
Who-ya まずは海外ライブが続きます。アメリカに行くのも初めてだし、ドイツとブラジルも初めて。プライベートでも行ったことがないので、そういう慣れない環境で、完全アウェーの状態でライブすることが、すごく楽しみです。もちろん日本でもたくさんライブはするし、イベントもワンマンも考えています。デビュー3年目の、まだそんなに場数を踏んでいない状態だからこそ、フラットな状態で海外のライブからたくさんのことを学びたいです。そして吸収してきたことを国内のワンマンライブに生かしたいです。この数年のライブができなかった期間を取り返す以上にライブがしたいですね。やっぱり自分はステージに立つことが一番の生きがいで、そのために音楽をやっていますし、Who-ya Extendedの音楽を求めてくれている人たちに対して、しっかりライブで恩返しができる……そんな2023年にしたいです。
●リリース情報
Who-ya Extended
「パチスロ傷物語 -始マリノ刻-」テーマソング
「Repentance Dance」
配信中
配信リンクはこちら
●イベント情報
Who-ya Extended“Official Fan Club「W×W」meeting&LIVE”Vol.2
2023年8月18日(金) OPEN 18:00 / START 18:30
会場:GRIT at Shibuya
チケット価格:¥3,000(税込/ドリンク代別途必要)
詳細はこちら
Animelo Summer Live 2023 -AXEL-
2023年8月25日(金)、26日(土)、27日(日)
※Who-ya Extendedは8月25日(金)に出演
会場:さいたまスーパーアリーナ
イベント公式サイトはこちら
ナガノアニエラフェスタ2023
2023年9月16日(土)、9月17日(日)
※Who-ya Extendedは9月17日(日)に出演
会場:長野県佐久市「駒場公園」
イベント公式サイトはこちら
●出演情報
Netflixリアリティシリーズ「オオカミちゃんには騙されない」
2023年6月11日(日)よりNetflixにて
毎週日曜夜10時独占配信中
関連リンク
Who-ya Extendedオフィシャルサイト
https://www.wyxt.info/
「パチスロ傷物語 -始マリノ刻-」公式サイト
https://www.sammy.co.jp/japanese/product/pachislot/kis_ha/