ネットシーンからセンセーショナルな登場を果たしたのち、アニソンシンガーとしてもキャリアをスタートさせて10年。シンガー・Geroはまさに道なき道を切り拓いてきたパイオニアの1人だ。
そんな彼がメジャーデビュー10周年を記念したスペシャルなアルバム『THE ORIGIN』をリリースした。まずはインタビューの前に収録楽曲と参加アーティストを見てほしい。彼がこの10年、あるいはそれ以上のキャリアのなかで出会ったシンガー、クリエイターとコラボを果たした実に重厚な1枚になった本作。そのなかで、オリジンたる彼は何を考え、そして何を叫んだのか。

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

誰もやってなかったことをやってきたので、1年後すらどうなるかわからなかった
──2013年7月10日にリリースしたデビューシングル「BELOVED×SURVIVAL」から10年を数えることになりました。改めましてメジャーデビュー10周年をGeroさんご自身はどう受け止めていますか?

Gero 10年ですもんね。
本当に色んなことがあったなって。体感的にはあっという間だったんですけど、考えるとめっちゃ長かったなと思うし、めちゃくちゃ不思議な感覚ですね。

──以前リスアニ!本誌での連載でも語られていましたが、この10年のなかでも紆余曲折があって、音楽性も含めて様々な変化を経ての現在になりますよね。

Gero 思い出すとやっぱり、色んなことをやらせてもらって、ありがたい10年間だったなという。好き放題やらせてもらった感謝の10年間という感じですね。

──あえて聞きますが、メジャーデビュー当時は10年間もメジャーで続けられると思っていた?

Gero いやいやいや。
というかそもそも、ニコニコ動画出身のシンガーって先輩が周りにいないんですよ。僕ら辺りが“始まった世代”だったので。

──Geroさんが歌い手としてのキャリアを始めたのが2008年。今から15年前ですから、それ以前のニコニコ出身のアーティストとなると数えるほどしかいませんよね。

Gero なのでこの業界がどうなるかとか、それこそ2年後3年後どうなってると思います?って聞かれて答えてくれる人なんか1人もいなかったんですよ。だから「10年できると思ったか?」という質問に対しては、「まったくそうは思わなかった」ですし、誰もやっていなかったようなことをやらせてもらっていたので、1年後すらもわからなかったんです。
なので10年もできたのは本当に万々歳で、ありがたいことですよね。

──そうやって道を切り拓いてきた存在だからこそ、10年という数字には様々な感情が込められていると思うんです。だからこそ今回リリースされる『THE ORIGIN』には、10周年を迎えて“嬉しい”だけではない複雑な感情が内包されているのかなと。さて、本作『THE ORIGIN』はGeroさんと多くのシンガーとクリエイターとのコラボアルバムとなりました。その構想はいつ頃からありましたか?

Gero 前作『Parade』を出してから、かなり早い段階でこういうコラボレーションアルバムにしたいんですというのをレーベルには伝えていましたね。この10年で本当に色んなことやらせていただいたんですけど、コラボレーションアルバムというのは初で、逆にもうここでしか出すところがないってくらいだったので、結構悩まずに決めることができましたね。


──コラボとしても、Geroさんがシンガーと組むだけではなく、そこにクリエイターも絡めたトリプルコラボ的な構成になっていますよね。またいずれもがGeroさんとの縁の深い方々を真似ている。

Gero 僕と全然関係ない人に作曲や作詞をお願いするという選択肢も最初はあったんですけど、それだと10周年にはちょっと寂しいかなと思ったので。あと、聴いている人たちにもニヤッとしていただけるような座組が組めたらいいなと思っていたので。アルバムの詳細を発表したときにも、みんなに「この人の曲でGeroちゃんの歌聴きたかった!」みたいな感想を言ってくれたりもして嬉しかったです。

誰よりも近くでめいちゃんの歌を聴いてきた
──そういう意味では今までやったことがなかったコラボアルバムだけど、みんなが聴きたかったものが詰まっているアルバムになっていますよね。
そんな『THE ORIGIN』の楽曲について深く聞いていきたいと思います。まずはあらきさんとDECO*27さんとの「導火線」。Geroさんとコラボも多いお二人とのタッグはいかがでしたか?


Gero DECO*27さんもあらきちくんも世代が近いというのもあって、「2000年代のミクスチャーロックって良かったよね、そういう攻め攻めな曲作ろうよ」って話になって。こういうコラボアルバムって作ってる本人がもう全部決めちゃうっていうパターンもあると思うんですけど、この曲ではちょっとあらきちくんにも相談して、「こういう曲どうだろう、こういう方向性どうだろう?」とか逐一報告して、あらきちくんからも「こっちがいいんじゃないですか」みたいな調整してやらせてもらったので、すごくスムーズに作れました。

──シンガーやクリエイターをゲストとして招くだけではなく、ソングライティングから入ってもらったわけですか?

Gero この曲に関してはそうですね。録音もあらきくんがすごくて、僕のサビ全部録り直しましたね。
「ちょっと待ってくれ、まだ俺も頑張れる」みたいな(笑)。

──たしかにサビの2人のテンションはぶつかり稽古といいますか(笑)。

Gero 「サンクチュアリ -聖域-」って感じですよね(笑)。これは聴いていて本当に熱くなると言いますか、筋トレしながら聴いてほしいです!



──続きましてオーイシマサヨシさんとNeruさんの「ふて寝DISCO」。オーイシさんにはアルバム『EGOIST』で「ベイビーミュージックライダー」を提供されていますが、こうしてデュエットするのは初?

Gero 初めてですね。いやあ、オーイシさんはめちゃくちゃお上手なので歌い上げ系とか一緒に歌うのは、プレッシャーがあるから絶対嫌なんですけど(笑)。この曲はNeruさんらしいはっちゃけ曲なので、自由にやらせていただきました。オーイシさんもところどころおふざけを入れて遊んでくれて、そこに僕も乗っかって真面目にふざけられたのが僕的にはすごく嬉しかったですね。

──たしかに。そのふざけの塩梅がよくて、なんならGeroさんとオーイシさんなら、もっとふざける方向にもできるじゃないですか。

Gero そうなんですよ。オーイシさんを「うどん」とかの方向にはあまりもっていきたくなくてですね、これくらいにはとどめたんですけど(笑)。でも十分にはっちゃげた、かっこいいファンキーな楽曲になったなと思います。

──続いてはめいちゃんとてにをはさんとのコラボで「ナッツクラッカー」です。Geroさんの愛すべき後輩として、めいちゃんも欠かせないコラボかと思いますが、こうした音盤でのコラボというのは?

Gero 昔めいちゃんのアルバムでコラボさせてもらったことがあって(アルバム『めいちゃんの頭の中はだいたいこんな感じです』収録曲「ドリチャレ!!!!!feat.Gero」)。めいちゃんがまだ新人の頃に「CD出すんですけど、1曲コラボ歌ってくれませんか?」といういうところから僕ら知り合って、オリジナルではそれ以来になりますね。こう仲良くなってからは初なのかなと。

──となると当時の距離感とはまた違ったなかでの制作なのかなと。

Gero もう全然違いましたね。いやあ、でも誰よりも近くで彼の歌を聴いてきたので、本当に成長速度がえげつなくて、「そんなに歌上手くなくていいんじゃないか?」っていうくらい歌上手いんで(笑)。だからちょっとびっくりしました。「ナッツクラッカー」はやっぱり難しい曲なんですよ。これは彼の得意分野っていうのもあると思うんですけども、すっごく上手になられちゃってて……大きくなってねえ……本当に……(笑)。

──歌唱についてはいかがでしたか?

Gero すごく刺激にはなりましたね。僕は元々こういう楽曲が得意じゃなくて、最近よく歌うようになったんですよね。また彼には今までもたくさん刺激をもらいましたけど、今回は特に、「そういう歌い回しするんだ、そういう表現方法なのね、なるほど、じゃあ俺はこうするぜ」みたいな。そういういい刺激になりました。あと、てにをはさんの楽曲ですよね。高速スライダーみたいな、キレがいいぞこの変化球みたいな楽曲(笑)。そこはめいちゃんとも合うなと思っていたので、この3者の組み合わせはすごく良かったんじゃないかなって思いますね。



──そしてお次は超学生さんと柊キライさんとの「アルバ」。柊さんとは前作のヒット曲「ヴィータ」でのコラボが記憶に新しいですね。それもあって柊さんにはお願いしたかった?

Gero お願いしようと思っていました。柊キライさんへのオファーが先で、じゃあ彼の曲と誰が合うかなって考えて超学生くんにも。

──「ヴィータ」でもGeroさん1人で多くのテイクを重ねた大作になりましたが、超学生さんとのコラボとなった今回はいかがでしたか?

Gero 他のシンガーもそうですけど、超学生くんがすごい独自の世界観をお持ちになっている方で、本当に新しい世代のシンガーさんという感じだったので、正直俺と合うのかな?っていうのはずっとあったんですよ。でも完成したものを聴いてみると、「あれ、今どっちが歌ってるんだ?」っていうくらい溶け込んでるような瞬間が何度もあって、コラボしてすごく良かったなと思いましたね。

──しかも柊さんの世界観を、ですからね。

Gero キライさんの曲も演劇演劇を見せてくれたぞみたいな曲なので、展開もすごいですし、ニュアンスをどんどんディティール細かくつけていきたいんですけど、歌うのに必死であんまりニュアンスつけれないんですよね、歌が大変すぎて(笑)。でも何度も何度も喰らいついてやっていきました。キライさんの曲は毎回なんですけど、チャレンジ精神を掻き立てさせられるようなところがあって、いい意味でモチベが上がるんですよね。なので歌っていてすごく楽しかったです。



自分では“最果てのシンガー”みたいな気持ちでやっていた
──続きましては+α/あるふぁきゅん。さんとれるりりさんの「ミッドナイト・シンドローム」ですが、この曲には驚きました。

Gero いいでしょこれ!(笑)。れるちゃんといえば「脳漿炸裂ガール」ですけど、そういう攻め攻めな曲にしようかなと思ってたんですよ。で、れるちゃんに打診したところ、れるちゃんが「好きに作らせてくれませんか?」って。僕的にはクリエイターさんが気持ち良く作れる環境が一番いいなと思っていたし、僕もそうしてほしいタイプなので、「じゃあ逆に面白いかも」と思ってお任せしました。それで出来上がったのを聴いて、案の定「面白っ!」って。

──冒頭のGeroさんの歌い出しからゾクゾクするような、すごくフレッシュな仕上がりですよね。

Gero これは歌い回しに一番悩んだかも。テンションを上げてもいいし、下げてもいいし、あとはお好みで調理してくださいみたいな感じの楽曲だったので。これは僕から先に録ったんだったかな?例えば向こうから先に「こういうボーカルでどうですか?」ってデータが来たら、そのテンションに合わせてやれるんですけど、今回は僕から先だったから僕がテンションを決めるので、「こういう歌い回しでどうでしょう?」って。きゅんちゃんもこう妖艶さがあって、すごいシンガーさんだなと思いました。

──まさに男女の声の絶妙さが感じられる楽曲ですが、+α/あるふぁきゅん。さんやこのあとの96猫さんなど、女性シンガーとのコラボも本作に入れたいと思っていた?

Gero 思っていました。96ちゃんは昔からずっとコラボしたいなと思っていたんですけど、+α/あるふぁきゅん。ちゃんは何度もコラボしている相手なので、ぜひお願いしたいなと思っていましたね。

──ここもある意味で狙い通りのコラボになったわけですね。そしてアルバム後半戦は天月さんとFAKE TYPE.による「最果てのスーパースター」からスタートになります。

Gero 天月くんの声はなんかやっぱこう、主人公感がありますよね。伊東歌詞太郎くんとかもそうなんですけど、やっぱこういう声の人と歌うとこっちも気持ち良くなるというか。仕上がりとしてはすごく気持ち良かったんですけど、やっぱりFAKE TYPE.さんの曲は難しい(笑)。キーは高いし速いしラップは難しいし。作曲を依頼するときに、「FAKE TYPE.さんってハイトーンのイメージがあるけど、低いところもちょっと面白いんじゃないかなと思ってます」とか、「逆にテンポが遅くなったり速くなったりとか面白いんじゃないですか」って話をしたんですよね。そしたらもうノリノリで「めっちゃいいっすね!それでいきましょう」ってそのままちゃんと曲に落とし込まれていて、やっぱりさすがだなって。

──どんどんテンポが速くなっていくスリリングなパートは、歌っている側は大変じゃないですか?

Gero いや大変ですよ(笑)。歌い分けは全体を通して僕がやってるんですけど、Neruさんの「ふて寝DISCO」と「最果てのスーパースター」は、「この歌い分けで歌ってください」みたいなのがあって、ちゃんと僕と天月くんのことを理解してくれたうえで、しかも歌詞も歌い手にすごく刺さるような歌詞にしてくれて。天月くんとも「この曲すごいエモいですよね」って話していたんですけど、それも制作依頼するときに「こういう歌詞にしてください」というのをバッチリそのままはめ込んできてくれたんで嬉しかったですね。

──先ほど天月さんの主役感というお話がありましたが、まさにこの曲で語られているのは、2人の主役=スーパースターによる歌い手として矜持といいますか、この10年を考えると本当にエモいですね。

Gero 自分でスーパースターとは思わないですけど、“最果てのシンガー”みたいな気持ちでやっていましたから。

──そしてお次は96猫さんとなきそさんによる「お仕舞い」。ゾッとするようなボーカルが聴けるダークな楽曲がきましたね。

Gero 群を抜いて暗いですよね。96ちゃんは明るい曲も暗い曲もできる器用なシンガーさんだと思っていて、でもちょっと影のある歌い方も彼女の魅力的な部分だなって昔からずっと思っていて。あと前回のアルバムからお願いしたかったなきそさんに今年やっとお願いできたんですけど、黒ちゃんが合うんじゃないかなと思ってやってみました。

──まさになきそさんのダークな世界観に96猫さんのボーカルが見事ハマりましたね。

Gero すごいですよね。96ちゃんもどういうテンションでいくかわからなかったのか、「Geroさんのほうから先にボーカル録ってもらえませんか?」って言われて、そのテンション感に合わせていただきました。

──Geroさんとしても、前作でも聴かれたちょっとメンタルこじらせ系のボーカルがお見事です。

Gero 楽しかったですねー。家でボソボソボソボソ歌ったんですけど、気持ちいいんですよね。ちなみに「お仕舞い」というタイトルも、なきそさんから「何かテーマありますか?」って言われて、「“おしまい”ってテーマどうですか?」って言ったんですよ。「もう終わり」みたいな感じで言ったんですけど、それがタイトルになって嬉しかったですし、ありがたいなって。

──そこからウォルピスカーターさんと164さんの「妄言」へと続くのも面白いなと。一聴すると女性シンガーが続いたみたいに感じるくらい、ウォルピスカーターさんのボーカルがすごいですね。

Gero やっぱりすごい。僕は陰で彼のことを“歌い手新人類”って呼んでいるんですけど、艶やかで聴いていてなんのストレスもなく気持ち良く聴けるシンガー、しかも男性ですからね。

──それに対して164さんのサウンドも、ボトムが効いたロックサウンドが合わさり面白いコラボになっていますね。

Gero 164さんといえば「天の弱」とか名曲もたくさんあるんですけど、ウォルピスカーターくんといえば「天の弱」で伸びたイメージもあったし、ここの組み合わせって絶妙なんじゃないかなと思っていて。164さんは曲を作ってもらうは初めてだったんですけど、そのうえでずっとお願いしたいなと思っていたところに、ウォルピスカーターくんはピースとしてバッチリ完璧なんじゃないかなみたいな。「天の弱」みたいなハイテンポでもよかったんですけど、ミドルテンポでどっしりとしたテンションで歌えましたね。

僕が歌い手になって最初に憧れたシンガーはゴムちゃんだった
──そして『THE ORIGIN』も終盤。ここでゴムさんとのコラボ「リリックス」が来ました。これまでHoneyWorksとして数々の名曲を提供されてきましたが、本作を作るうえでゴムさんとやりたいというのは真っ先にあった?

Gero ありました。やっぱりHoneyWorksとは何度もお仕事させていただいていて、ありがたいことに楽曲提供とかもしていただいてるんですけど、やっぱり僕が歌い手になって最初に憧れたシンガーはゴムちゃんだったので、自分の10周年というメモリアルなアルバムではゴムちゃんと一緒に何かやりたくて。だからこの曲だけ3者コラボじゃないんですよね。一応表記は”Gero×ゴム×Gom”になっていますけど、とにかくゴムちゃんと僕だけでやりたくて。

──クリエイターのGomとしてだけではなく、シンガー・ゴムとのコラボ。ゴムさん自身も超久しぶりに歌ったとXで言っていましたね。

Gero みたいですね。しかも生みの苦しみがとてつもなくあったみたいで。「もうちょっと待ってくれ、もうちょっと待ってくれ」って言われて「全然待つ、全然待つ」って。お預けされればされるほどゾクゾクするというか(笑)。でも、ハードルが上がりまくっていたその上を越えた楽曲が届いて。

──ゴムさんには細かいオーダーをしたんですか?

Gero ある程度オーダーはさせていただいたんだけど、結構重いオーダーになっちゃったんですよ。ゴムちゃんに対する気持ちってすごく強いですし、ありがたいことにゴムちゃんも僕に対して結構強く思ってくれてるんじゃないかなって勝手に思っていて。なのでオーダー自体もかなりヘビーな想いをかけすぎちゃって、ゴムちゃんもこれを具現化するのにかなり時間がかかったのかなって思っていました。

──こちらが聴いてもグッとくる、まさにお二人の想いが凝縮されたイメージでしたね。“僕らがどうして詠っているか”“あんたの影追って声を枯らしてる”という歌詞も……。

Gero この曲が届いたときにお酒を飲んでいたら号泣してましたね。それくらい食らうわこれ……みたいな。僕の古参であればあるほど刺さるんじゃないかなって。

──ちょっとしたラブレターですよね。歌い手シーンの黎明期から苦楽を共にした仲間だからこその言葉だし、この10年で培った感謝や喜びだけじゃない複雑な感情がこもっている。Geroさんからみてゴムさんのボーカルはいかがでしたか?

Gero 心が震えるような声をしてるなと思いますね。僕が20代前半のときに憧れた声がそのまま、なんだったらパワーアップしてそこにあったので、やっぱりシンガーとしてもすごく魅力的な人だなって思いましたね。

──サビにHoneyWorksが作った「The Bandits」のフレーズがありましたが、これはGeroさんの指定だったんですか?

Gero いや、ゴムちゃんが入れてくれたんですね。かっこいいですよね。そりゃ時間かかるわと思いました。こちらのハードルを優に越えてくれて本当に嬉しかったです。

──そしてもう1曲、JAM Projectと堀江晶太さんとの「誰が為のヒーロー」がアルバム最後に置かれました。

Gero 澄川さんに聞きたかったんですよ。これ熱くないですか?

──「リリックス」がこの10年あまりを総括するような曲になって、さらにそのあとにこの曲が来るのはものすごく感動的でした。この10年というより、歌い手としてキャリアを始めた15年前から憧れの存在だったJAM Projectとついにコラボできたわけですから。

Gero なんならそれよりもっと前ですね。歌い手を始める前からJAMのライブを追っかけていたから、なんならGeroじゃなくて金城敬樹の時代から憧れ続けてた人たちだったので。快く受けていただいて本当にありがたいです。

──このアルバムの企画の段階でJAMとのコラボは念頭にあったんですよね?

Gero 一番最初にスタッフとこのアルバムについての会議をしたときに、まずコラボアルバムを作るならJAM Projectさんにダメ元で声をかけてみようというのは決めていました。それでOKをいただいて、これはもうスペシャルなものにしないといけないと思って、天才・堀江晶太に。彼のサウンドが大好きですし、JAM Projectさんと合わないわけがないって昔から思っていたので。なんなら俺の作品なのに、俺が聴きたかったやつに俺が「お邪魔しまーす!」ってくらいの気持ちでした(笑)。

──念願のJAMとの共演はいかがでしたか?

Gero レコーディングはスケジュールの関係で僕が一番最初に別で録らせてもらったんですよ。で、JAMさんが普段録られてるスタジオにお邪魔をして、僭越ながら全工程を見させていただきました。俺が追っかけて聴いていたJAMさんの声が目の前にあって、ずっと鳥肌立ちっぱなしで「うわー!」みたいな。何度も現場でご一緒させていただいてるんですけど、それでも歌っているのを目の当たりすると、やっぱりキッズに戻っちゃうというか。遠藤(正明)さんが高いところを出してると、「うわー!それそれ!それが欲しかったんです!ありがとうございます!」みたいな(笑)。

──最後にこの曲が来ることでGeroさんの10年だけではなく、金城敬樹がGeroになって現在までのキャリアを祝福するような、そんな祝祭感のあるコラボになりましたよね。そんなアルバムをリリースしたあとは、10月からツアーがスタートします。今回はキャパシティとしてもキャリア最大のものになりましたね。

Gero ありがたいことに。まずはこのアルバムが1人でも多くの方に届けばいいなと思っていますし、アルバムはガッツリ意識しちゃったんですけど、ライブに関しては10周年というものに変に囚われない自分らしいライブをしたいなと思ってますね。逆に意識してね、フォーム崩しちゃいそうな感じがするんで。

──ライブはそこまで10周年モードというわけではない?

Gero 意識しすぎちゃうと「みんな……本当にありがとう……(泣)」みたいな、下手な感動シーンみたいになりそうな感じするんで(笑)、それはもう自分らしく自分らしく全開で楽しいライブを1つ1つ作っていきたいなと思ってますね。

──10周年だからって衣装も白タキシードとかになっちゃったりして(笑)。

Gero そういうのが一番合わないでしょ!(笑)。「あれ、今日のGero真っ白だね。急にどうしたの?」って思われるだけですよ!いつもらしくいきたいなと思っています!



●リリース情報
『THE ORIGIN』
発売中

■mora
通常/配信リンクはこちら

【初回限定盤A(2CD)】

品番:GNCL-1366
価格:¥3,500(税抜)

【初回限定盤B(CD+Blu-ray)】

品番:GNCL-1367
価格:¥4,000(税抜)

【通常盤(CD)】

品番:GNCL-1368
価格:¥3,000(税抜)

<CD>
01. 導火線/Gero×あらき×DECO*27
作詞・作曲:DECO*27 編曲:tepe
02. ふて寝DISCO/Gero×オーイシマサヨシ×Neru
作詞・作曲・編曲:Neru
03. ナッツクラッカー/Gero×めいちゃん×てにをは
作詞・作曲・編曲:てにをは
04. アルバ/Gero×超学生×柊キライ
作詞・作曲・編曲:柊キライ
05. ミッドナイト・シンドローム/Gero×+α/あるふぁきゅん。×れるりり
作詞・作曲・編曲:れるりり
06. 最果てのスーパースター/Gero×天月×FAKE TYPE.
作詞:TOPHAMHAT-KYO(FAKE TYPE.) 作曲:FAKE TYPE. 編曲:DYES IWASAKI(FAKE TYPE.)
07. お仕舞い/Gero×96猫×なきそ
作詞・作曲・編曲:なきそ
08. 妄言/Gero×ウォルピスカーター×164
作詞・作曲・編曲:164
09. リリックス/Gero×ゴム×Gom
作詞・作曲:Gom 編曲:butter.D(MARUMOCHI)
10. 誰が為のヒーロー/Gero×JAM Project×堀江晶太
作詞・作曲・編曲:堀江晶太

<CD/限定盤A[Gero Remix2023]>
01. The Bandits by Rockwell
02. シャンティ by 鬱P
03. ベイビーミュージックライダー by DJ’TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺ
04. ド屑 by MARETU
05. アルバ by 鬱P

<Blu-ray/限定盤B[Gero Live Tour 2022 ~night parade~ツアー 東京ファイナル]>
・Opening
・Stupid Fellows
・名古屋のデブ
・ほっといて。
・神っぽいな
・アンチェインゲイザー
・火曜日はチューデイ
・モノクローム
・Farewell
・ベイビーミュージックライダー
・ド屑
・ヤミヤダ
・シャカセポ
・ミュータント
・ヴィータ
・やぶさか
・しゃよう
・The Bandits
・■
・BELOVED×SURVIVAL
・うどん

●ライブ情報
Gero Live Tour 2023 「The Beginning」
2023年10月1日(日)グランキューブ大阪メインホール
2023年11月11日(土)日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋)
2023年11月12日(日)神奈川県民ホール
2023年11月24日(金)福岡市民会館
2023年11月26日(日)熊本城ホールメインホール
2024年2月4日(日)東京国際フォーラム ホールA

全席指定 ¥7,000(※東京国際フォーラム ホールAのみ 全席指定 ¥7,500)

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