ASCAのデビュー5周年ツアー“ASCA 5th ANNIVERSARY TOUR 2023 −ⅤⅤⅤ−”のファイナル公演が、10月6日、東京・新宿BLAZEで開催された。ASCA自身がライブのMCで語ったところによると、ライブのサブタイトルに冠された“ⅤⅤⅤ(読み方:ファイブファイブファイブ)”とは、5周年を象徴すると同時に、“人生の転換期”を意味するエンジェルナンバー“555”にあやかって名付けたものだという。
PHOTOGRAPHY BY 草刈雅之
TEXT BY 北野 創
BURNOUT SYNDROMES熊谷との新曲コラボも!熱気渦巻くライブ前半戦
初日の大阪・ umeda TRAD、ASCAの地元でもある愛知・SPADE BOXと、東名阪のライブハウスをバンドと共に回ってきた今回のツアー。最終日ももちろんオールスタンディングで、新宿BLAZEのフロアは立錐の余地もないほどの賑わいに。まずはサポートバンド=AS課のSaku(g)、中村 圭(b)、関口孝夫(ds)、重永亮介(key)が入場してスタンバイすると、続いて袖口にゴージャスなフリルの付いた衣装を纏ったASCAが登場。同柄の布で華美に装飾したマイクスタンドの前に立つと、一発目からライブの鉄板曲「RESISTER」を披露して、一瞬で会場の熱気を沸点まで引き上げる。そこから間髪入れず歌ったのは「セルフロンティア」。彼女のキャリアに欠かせない『ソードアート・オンライン』シリーズ関連のタイアップ曲を冒頭から惜しみなく畳みかける。
それら立ち上がり2曲のアッパーな熱を引き継ぎつつ、バンドが演奏のテンポをやや落とすと、ASCAは会場に向けて「みんな、声出したいよね!」と煽って、ハード&ワイルドなロックチューン「NO FAKE」に突入。彼女が敬愛してやまない阿部真央が書き下ろしたこの楽曲、この5年で明らかに厚みを増したASCAの歌声(特に低中音域)がよく映える。ASCAはステージの上手・下手に備え付けられたお立ち台に上がって激しい身振りも加えながら歌唱。
続く「regain」も阿部真央が提供したナンバーで、“妥協は要らない”というフレーズのリフレインとASCAの絡みつくような歌声でディープに幕を開けつつ、激しいロックンロールに展開。Sakuがステージ前に躍り出てギターソロを披露した際には、ASCAも背中合わせになってノリノリに。あらゆる感情を糧にして突き進むような、体当たりの歌声とパフォーマンスで魅せていく。MCパートで大きく声を上げて盛り上がるフロアを見て、「楽しそうで嬉しい」と声をかけたASCAは、続いて今回のツアーのために制作したという新曲「眠くて眠くて本当に無理です。」を披露。カッティングギターが牽引するファンキーなグルーヴと、ASCAのときに気怠さも感じさせる艶やかな歌声が印象的なこの楽曲、「完成させるためにはみんなの手が必要です」とのことで、社員(※ASCAのファンネーム)たちはASCA社長の合図に合わせてクラップをして共に楽曲を作り上げていく。
ASCAは「まだまだ一緒にクラップを楽しんでいきましょう!」と呼び掛けると、シーズン的にもぴったりの軽快なナンバー「金木犀」を歌唱して、引き続きファンとの手拍子を使った交流を楽しむ。そして同曲をワンコーラス歌い終わったところでバンドが演奏テンポを一気に落として、てにをは「ヴィラン」のカバーへと移行。意表を突いたメドレー展開に客席が沸くなか、さらにカンザキイオリ「命に嫌われている。」のカバーへと展開し、クリアで透明感に満ちたA・Bメロからサビの激情的なパート、ラストの“生きて、生きて、生きて、生きて、生きろ”という心からの叫びに至るまで、変幻自在の歌声でシンガーとしての表現の多彩さを見せつけた。
そして、ここからは音楽家・梶浦由記との交流で生まれた2曲を。まずはTVアニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』特別編の主題歌「君が見た夢の物語」。
ここで再びMCパートに。ASCAが「よくぞ歌舞伎町という修羅のような場所を掻き分け、辿り着いてくれました」と呼び掛けると、ファンは“修羅”という言葉に敏感に反応。ASCAもニヤリとして、「“修羅”と言えば、素敵なバンドとのコラボ楽曲、聴いてくれましたか?」と、BURNOUT SYNDROMESとのコラボレーションで生まれた新曲「KUNOICHI」をアピールする。ツアーの大阪、愛知公演でも披露されたこの楽曲、ファイナルの東京公演では、なんと楽曲を書き下ろしたBURNOUT SYNDROMESのボーカル・熊谷和海をゲストに迎えて2人で歌唱することに。ステージに呼び込まれた熊谷は「ASCAさんのライブ、(ファンとの)雰囲気がいいですよね」と絶賛。また、相手のいる男性と彼に想いを寄せる女性の恋愛模様を“落ち武者”と“くノ一”になぞらえて描いた本楽曲の歌詞の真相について、ASCAが熊谷に直撃する場面も。SNSでは女性ファンから「この“落ち武者”、クズすぎん?」という意見が多く見られるものの、熊谷としては男性側のピュアな気持ちも描いたつもりだったと語る。その会話を受けて披露された「KUNOICHI」は、熊谷の生歌が合わさることで男女2人の心情の機微をより細かに表現しつつ、和の旋律とダンスミュージックの要素が合わさった楽曲として、フロアの熱気を“秘めた恋心”のように熱く燃え上がらせた。
「今思うのは、歌い続けること」――終わらない物語を目指して
熊谷を見送ったASCAは、続いてEDM調の煌びやかなアップチューン「Stellar」をパフォーマンス。
「ASCA、ゼロ地点の曲を聴いてください」――そう告げて歌われたのは「RUST」。雑誌「リスアニ!Vol.30」の付録CDに収録された、ASCAのプレデビューを飾った楽曲だ。スタンドマイクを握りしめて、それまで以上にパワフルな歌声を迸らせる彼女からは凄まじい気迫が感じられる。間奏で背中を向けて、音に身を委ねて踊るASCAの姿を見て、フロアの熱気もさらに上昇。
楽しい時間には終わりがくるもの。早くも次がライブ本編ラストの楽曲に。ASCAは「喉の手術を経て、今思うのは、歌い続けること、続けることが大事だと実感しています」と、アーティスト活動に対する今の想いについて語り始める。
「この先、私が歌い続けることで、人と出会い続けることができるんだなと思っていて。今日ここに集まってくれた1人1人、これも歌い続けてきたことで出会えた1人1人だと思っています。この先、自分のこと、ちっぽけに思ってしまうことがあっても、私はいつでも、このステージで歌っているので、いつでも会いに来てください」。
決意とも約束とも取れるその優しい言葉に、会場はひと際大きな歓声で応える。ASCAは深いお辞儀で感謝の気持ちを伝えると、続いて「聴いてください、終わらない物語」と前置きして、彼女のデビュー曲である「KOE」を歌い始める。
もちろんライブという物語もここで終わりではない。盛大なアンコールを受けて再びステージに戻ってきたASCAは、ツアーグッズの紹介を挿み、ASCAの“終わらない物語”の次の章を早くも提示する。それが2023年秋クールのTVアニメ『豚のレバーは加熱しろ』のOPテーマとなる新曲「私が笑う理由は」のライブ初披露だ。ASCAの楽曲の代名詞となっているストリングスを取り入れつつ、今までになく爽やかな曲調に仕立てられたこの楽曲は、まさに彼女の新しい変化と挑戦を感じさせるものと言えるだろう。サビ終わりの“やっと会えたの ありがとう”というフレーズで手を胸元に置きながら優しく微笑む彼女の姿もまた、ステージ上ではアグレッシブな表情を見せてくれることの多い彼女には珍しいことのように感じた。
最後の最後、「この曲で叫ばないと終われないよね!」と披露されたのは「Howling」。ファンの“声”が合わさることで真価を発揮する、彼女の近年のライブには欠かせない楽曲だ。会場が一体となって「Wow!」と叫ぶたびに、その場の熱量が高まっていく。ASCAは曲中で「もしもこの先、キミが!キミが!キミが!自信をなくしたとしても大丈夫!」と、ステージ上から客席のあらゆる方向に向けてエールの言葉を吠えるように届け、ラストはお立ち台から大ジャンプしてライブを締め括った。
その後の挨拶でASCAは、この日に披露した新曲「眠くて眠くて本当に無理です。」を10月28日にデジタルリリースすること、そして2024年2月27日に東京・Zepp Shinjukuでワンマンライブを行うことを発表。Zepp会場でのワンマンは目標の1つだったとのことで涙ぐむ場面も。今回のライブ、そして11月15日にリリースされる新作EP『私が笑う理由は』で、激動の活動5周年イヤーを締め括る彼女は、早くも次のステージを見据えているのだ。いつも自身を支えてくれている“キミ”に声を届けるために。いつまでも終わらない歌をうたうために。
<セットリスト>
RESISTER
セルフロンティア
NO FAKE
regain
眠くて眠くて本当に無理です。(10/28配信開始新曲)
メドレー(金木犀~ヴィラン~命に嫌われている。)
君が見た夢の物語
雲雀
KUNOICHI(スペシャルゲスト・BURNOUT SYNDROMES 熊谷和海)
Stellar
RUST
逆境スペクトル
Real Dawn
KOE
私が笑う理由は(ライブ初披露・10/8先行配信開始)
Howling
●イベント情報
リスアニ!LIVE 2024
2024年1月27日(土)SATURDAY STAGE
開場15:00/開演16:00(予定)
2024年1月28日(日)SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00(予定)
会場
日本武道館
ASCAは1月27日(土)SATURDAY STAGEに出演!
チケット(※すべて全席指定)
1月27日(土)SATURDAY STAGE、1月28日(日)SUNDAY STAGE
¥10,000(税抜)/¥11,000(税込)
最速先行受付(イープラス)
受付期間:2023年10月1日(日)0:00~10月22日(日)23:59
受付はこちらから
詳しくはイベント公式サイトをチェック
関連リンク
ASCA オフィシャルサイト
http://www.asca-official.com/
ASCA 公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/ASCA_and_staff
ASCA 公式TikTok
https://www.tiktok.com/discover/ASCA
ASCA 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/ascaSMEJ?app=desktop
今年2月に声帯ポリープの摘出手術を受け、“新しい喉”と向き合いながら歌う彼女にとって、今はまさに転換期。ASCAは5周年という節目を越えて、どのような変化を遂げようとしているのか。その方向を指し示すのが、今回のライブだった。
PHOTOGRAPHY BY 草刈雅之
TEXT BY 北野 創
BURNOUT SYNDROMES熊谷との新曲コラボも!熱気渦巻くライブ前半戦
初日の大阪・ umeda TRAD、ASCAの地元でもある愛知・SPADE BOXと、東名阪のライブハウスをバンドと共に回ってきた今回のツアー。最終日ももちろんオールスタンディングで、新宿BLAZEのフロアは立錐の余地もないほどの賑わいに。まずはサポートバンド=AS課のSaku(g)、中村 圭(b)、関口孝夫(ds)、重永亮介(key)が入場してスタンバイすると、続いて袖口にゴージャスなフリルの付いた衣装を纏ったASCAが登場。同柄の布で華美に装飾したマイクスタンドの前に立つと、一発目からライブの鉄板曲「RESISTER」を披露して、一瞬で会場の熱気を沸点まで引き上げる。そこから間髪入れず歌ったのは「セルフロンティア」。彼女のキャリアに欠かせない『ソードアート・オンライン』シリーズ関連のタイアップ曲を冒頭から惜しみなく畳みかける。
それら立ち上がり2曲のアッパーな熱を引き継ぎつつ、バンドが演奏のテンポをやや落とすと、ASCAは会場に向けて「みんな、声出したいよね!」と煽って、ハード&ワイルドなロックチューン「NO FAKE」に突入。彼女が敬愛してやまない阿部真央が書き下ろしたこの楽曲、この5年で明らかに厚みを増したASCAの歌声(特に低中音域)がよく映える。ASCAはステージの上手・下手に備え付けられたお立ち台に上がって激しい身振りも加えながら歌唱。
オーディエンスも熱狂的な声とクラップで応酬する。ラストの「Say!」(ASCA)、「NO FAKE!」(観客)というやり取りは、“声と声”というよりも、もはや“魂と魂”のぶつかり合いといった様相だ。
続く「regain」も阿部真央が提供したナンバーで、“妥協は要らない”というフレーズのリフレインとASCAの絡みつくような歌声でディープに幕を開けつつ、激しいロックンロールに展開。Sakuがステージ前に躍り出てギターソロを披露した際には、ASCAも背中合わせになってノリノリに。あらゆる感情を糧にして突き進むような、体当たりの歌声とパフォーマンスで魅せていく。MCパートで大きく声を上げて盛り上がるフロアを見て、「楽しそうで嬉しい」と声をかけたASCAは、続いて今回のツアーのために制作したという新曲「眠くて眠くて本当に無理です。」を披露。カッティングギターが牽引するファンキーなグルーヴと、ASCAのときに気怠さも感じさせる艶やかな歌声が印象的なこの楽曲、「完成させるためにはみんなの手が必要です」とのことで、社員(※ASCAのファンネーム)たちはASCA社長の合図に合わせてクラップをして共に楽曲を作り上げていく。
ASCAは「まだまだ一緒にクラップを楽しんでいきましょう!」と呼び掛けると、シーズン的にもぴったりの軽快なナンバー「金木犀」を歌唱して、引き続きファンとの手拍子を使った交流を楽しむ。そして同曲をワンコーラス歌い終わったところでバンドが演奏テンポを一気に落として、てにをは「ヴィラン」のカバーへと移行。意表を突いたメドレー展開に客席が沸くなか、さらにカンザキイオリ「命に嫌われている。」のカバーへと展開し、クリアで透明感に満ちたA・Bメロからサビの激情的なパート、ラストの“生きて、生きて、生きて、生きて、生きろ”という心からの叫びに至るまで、変幻自在の歌声でシンガーとしての表現の多彩さを見せつけた。
そして、ここからは音楽家・梶浦由記との交流で生まれた2曲を。まずはTVアニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』特別編の主題歌「君が見た夢の物語」。
梶浦が手がけた同アニメの劇伴より、メインテーマとなる楽曲のメロディを引用した妖しく幻想的なアップナンバーだ。ASCAは艶味を帯びたボーカルでその世界観を表現していく。続いて、梶浦とASCAの初邂逅となった同アニメのEDテーマ「雲雀」をしっとりと歌い紡ぐ。
ここで再びMCパートに。ASCAが「よくぞ歌舞伎町という修羅のような場所を掻き分け、辿り着いてくれました」と呼び掛けると、ファンは“修羅”という言葉に敏感に反応。ASCAもニヤリとして、「“修羅”と言えば、素敵なバンドとのコラボ楽曲、聴いてくれましたか?」と、BURNOUT SYNDROMESとのコラボレーションで生まれた新曲「KUNOICHI」をアピールする。ツアーの大阪、愛知公演でも披露されたこの楽曲、ファイナルの東京公演では、なんと楽曲を書き下ろしたBURNOUT SYNDROMESのボーカル・熊谷和海をゲストに迎えて2人で歌唱することに。ステージに呼び込まれた熊谷は「ASCAさんのライブ、(ファンとの)雰囲気がいいですよね」と絶賛。また、相手のいる男性と彼に想いを寄せる女性の恋愛模様を“落ち武者”と“くノ一”になぞらえて描いた本楽曲の歌詞の真相について、ASCAが熊谷に直撃する場面も。SNSでは女性ファンから「この“落ち武者”、クズすぎん?」という意見が多く見られるものの、熊谷としては男性側のピュアな気持ちも描いたつもりだったと語る。その会話を受けて披露された「KUNOICHI」は、熊谷の生歌が合わさることで男女2人の心情の機微をより細かに表現しつつ、和の旋律とダンスミュージックの要素が合わさった楽曲として、フロアの熱気を“秘めた恋心”のように熱く燃え上がらせた。
「今思うのは、歌い続けること」――終わらない物語を目指して
熊谷を見送ったASCAは、続いてEDM調の煌びやかなアップチューン「Stellar」をパフォーマンス。
リズムに合わせてバンドメンバーも含めた会場の全員がジャンプする光景は壮観のひと言だ。続くMCでASCAは改めて今回のツアーにかけた意気込みについて語る。冒頭で説明した通り、ツアータイトルの“ⅤⅤⅤ”とは“人生の転換期”を意味するエンジェルナンバー“555”から名付けられたものだが、ASCAはその数字に込められた“変化を恐れない”という意味が、今の自分自身にぴったりのテーマに感じたのだと語る。「新しくなったこの喉で、これからも歌い続けていきたい。新しいことにどんどん挑戦していきたいと思い、今回このタイトルを名付けました」。その言葉には、変化を柔軟に受け入れてより強くあろうとする彼女自身の揺るぎない意志だけでなく、願掛けのようなものが込められているのだろう。ASCAはこれまでも、応援してくれているファンの“声”を受けて、自らの“声”をさらに大きなものにしてきた。“ⅤⅤⅤ”を特別な数字にするには、ライブで直接得られるみんなの“声”が必要なのだ。
「ASCA、ゼロ地点の曲を聴いてください」――そう告げて歌われたのは「RUST」。雑誌「リスアニ!Vol.30」の付録CDに収録された、ASCAのプレデビューを飾った楽曲だ。スタンドマイクを握りしめて、それまで以上にパワフルな歌声を迸らせる彼女からは凄まじい気迫が感じられる。間奏で背中を向けて、音に身を委ねて踊るASCAの姿を見て、フロアの熱気もさらに上昇。
“刻んでゆけ 音が枯れ果てるまで”という歌詞をそのまま体現するような、熱い想いをその瞬間に刻み付ける。そこから疾走感溢れるアップナンバー「逆境スペクトル」に繋げ、高揚した観客は「オイ!オイ!」と怒声のようなコールを上げたり、肩を組んでヘドバンしたりと、1つになって盛り上がっていく。さらにASCAが「新宿、ギラついていきましょう」と煽ると、昨年末のサウジアラビア公演に向けて生まれた新たなライブアンセム「Real Dawn」を投入。熱狂的な盛り上がりを見せるなか、終盤には「ララララ~♪」と大合唱が巻き起こり、会場が一体となって新たな夜明けを祝った。
楽しい時間には終わりがくるもの。早くも次がライブ本編ラストの楽曲に。ASCAは「喉の手術を経て、今思うのは、歌い続けること、続けることが大事だと実感しています」と、アーティスト活動に対する今の想いについて語り始める。
「この先、私が歌い続けることで、人と出会い続けることができるんだなと思っていて。今日ここに集まってくれた1人1人、これも歌い続けてきたことで出会えた1人1人だと思っています。この先、自分のこと、ちっぽけに思ってしまうことがあっても、私はいつでも、このステージで歌っているので、いつでも会いに来てください」。
決意とも約束とも取れるその優しい言葉に、会場はひと際大きな歓声で応える。ASCAは深いお辞儀で感謝の気持ちを伝えると、続いて「聴いてください、終わらない物語」と前置きして、彼女のデビュー曲である「KOE」を歌い始める。
どこか悲痛で儚さも感じさせるその歌声は、エモーショナルで、心に直接訴えかけてくるような迫力がある。“まだ僅かに残った感覚”に縋りつくような、“曖昧な世界を照らす”光を追い求めるような、ひたむきな気持ち。それでも“声”を道標に歩んでいくことを選んだ彼女の“終わらない物語”が、この日の「KOE」では表現されていた。
もちろんライブという物語もここで終わりではない。盛大なアンコールを受けて再びステージに戻ってきたASCAは、ツアーグッズの紹介を挿み、ASCAの“終わらない物語”の次の章を早くも提示する。それが2023年秋クールのTVアニメ『豚のレバーは加熱しろ』のOPテーマとなる新曲「私が笑う理由は」のライブ初披露だ。ASCAの楽曲の代名詞となっているストリングスを取り入れつつ、今までになく爽やかな曲調に仕立てられたこの楽曲は、まさに彼女の新しい変化と挑戦を感じさせるものと言えるだろう。サビ終わりの“やっと会えたの ありがとう”というフレーズで手を胸元に置きながら優しく微笑む彼女の姿もまた、ステージ上ではアグレッシブな表情を見せてくれることの多い彼女には珍しいことのように感じた。
最後の最後、「この曲で叫ばないと終われないよね!」と披露されたのは「Howling」。ファンの“声”が合わさることで真価を発揮する、彼女の近年のライブには欠かせない楽曲だ。会場が一体となって「Wow!」と叫ぶたびに、その場の熱量が高まっていく。ASCAは曲中で「もしもこの先、キミが!キミが!キミが!自信をなくしたとしても大丈夫!」と、ステージ上から客席のあらゆる方向に向けてエールの言葉を吠えるように届け、ラストはお立ち台から大ジャンプしてライブを締め括った。
その後の挨拶でASCAは、この日に披露した新曲「眠くて眠くて本当に無理です。」を10月28日にデジタルリリースすること、そして2024年2月27日に東京・Zepp Shinjukuでワンマンライブを行うことを発表。Zepp会場でのワンマンは目標の1つだったとのことで涙ぐむ場面も。今回のライブ、そして11月15日にリリースされる新作EP『私が笑う理由は』で、激動の活動5周年イヤーを締め括る彼女は、早くも次のステージを見据えているのだ。いつも自身を支えてくれている“キミ”に声を届けるために。いつまでも終わらない歌をうたうために。
<セットリスト>
RESISTER
セルフロンティア
NO FAKE
regain
眠くて眠くて本当に無理です。(10/28配信開始新曲)
メドレー(金木犀~ヴィラン~命に嫌われている。)
君が見た夢の物語
雲雀
KUNOICHI(スペシャルゲスト・BURNOUT SYNDROMES 熊谷和海)
Stellar
RUST
逆境スペクトル
Real Dawn
KOE
私が笑う理由は(ライブ初披露・10/8先行配信開始)
Howling
●イベント情報
リスアニ!LIVE 2024
2024年1月27日(土)SATURDAY STAGE
開場15:00/開演16:00(予定)
2024年1月28日(日)SUNDAY STAGE
開場14:00/開演15:00(予定)
会場
日本武道館
ASCAは1月27日(土)SATURDAY STAGEに出演!
チケット(※すべて全席指定)
1月27日(土)SATURDAY STAGE、1月28日(日)SUNDAY STAGE
¥10,000(税抜)/¥11,000(税込)
最速先行受付(イープラス)
受付期間:2023年10月1日(日)0:00~10月22日(日)23:59
受付はこちらから
詳しくはイベント公式サイトをチェック
関連リンク
ASCA オフィシャルサイト
http://www.asca-official.com/
ASCA 公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/ASCA_and_staff
ASCA 公式TikTok
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ASCA 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/ascaSMEJ?app=desktop
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