しかし、趣味で写真加工を楽しみたい人と、アート作品を作りたい人、プロのレタッチャーを目指す人では自ずと習得すべきポイントも変わってきます。せっかくPhotoshopを学ぶなら「自分のやりたいこと」に最短距離で到達して欲しい。
本記事では、普段からクリエイターの卵たちを指導しているデジタルスクール講師に、タイプ別のオススメ書籍を紹介していただきます。実際に書籍の中身を覗きながら選べるので、本気で学びたい!と思っている方は必見ですよ!
目次
超初心者の独学にピッタリ
「独学Photoshop 楽しく基本が身につくガイドブック」

『独学Photoshop 楽しく基本が身につくガイドブック』
難易度★★★☆☆ページ数296ページ 価格2,750円(本体2,500円+10%税)発売日2020年9月21日著者Mappy Photo えりな&たじ 著出版社翔泳社Amazonで見る
著者2人の掛け合いが印象的で、楽しみながら読み進められる超初心者向きこの本で印象的なのは、各章が著者2人の掛け合いから始まる点。“楽しく”がテーマになっているようで、全く初めてのPhotoshop=超初心者にはオススメ。ただ、その掛け合いやイラストを使った挿絵などは好き嫌いが別れると思うので、著者のYoutubeコンテンツなどで事前にノリと雰囲気を掴んでおくと良いだろう。



楽しく学んで実力UP
「動画でわかる! 1週間のPhotoshop入門」

『動画でわかる! 1週間のPhotoshop入門 作品づくりをなぞって身につく基本スキル』
難易度★★★☆☆ページ数216ページ 価格2,178円(本体1,980円+税10%)発売日2022年3月16日著者パパ 著出版社インプレスAmazonで見る
「まずやってみよう!」という流れ&素材充実の作例から始まる構成が魅力「作品を作ってキホンを学び、楽しさを感じてほしい」そんな書き出しから始まるこの書籍では、まず作例の作成から始め、その作品に紐付けたポイントを解説でなぞる構成になっており、モチベーションが上げやすく学びの効果が高い。1週間という短期間でも達成感が得られそうだ。



知識のアップデートに
「Photoshopレッスンブック for PC&iPad」

『Photoshopレッスンブック for PC&iPad』
難易度★★★☆☆ページ数287ページ 価格2,420円(本体2,200円+10%税)発売日2022年4月26日著者ソシムデザイン編集部 著出版社ソシムAmazonで見る
充実した内容で知識更新や逆引き用途にも使える良書! 初級以上の方にも!300ページ近くのボリューム感で、順番に読み進めていく読み方はもちろん、逆引き辞書のような使い方もできる教科書的な一冊。内容の充実度が非常に高い。その一例を挙げると、丁寧にインデックス化された「レイヤーの種類一覧」。情報が整理されており、Photoshop初級者が繰り返し見返すような利用シーンが想像できた。

Photoshopの機能紹介だけではなく、関連する制作用語などもしっかりと整理した形で紹介されており、好印象だ。


基礎習得を重視するなら
「Photoshop よくばり入門」

『Photoshop よくばり入門 CC対応 (できるよくばり入門) 』
難易度★☆☆☆☆ページ数272ページ 価格2,178円(本体 1,980円+税10%)発売日2021年10月21日著者senatsu 著出版社インプレスAmazonで見る
手順型で進む構成と動画のフォローで、丁寧に学べる入門向けの良書手順を追うことで基本を着実に進められる入門書としてオススメ。近年の学びスタイルでは定番でもある“レクチャー動画”も補助的にうまく取り入れられており、この本を最後まで読み進めれば、Photoshopの基本ができるようになる! と確かに言えるそんな1冊。
各Lesson毎に仕上がる作例は分かりやすく端的にまとめられており、入門者には程よいボリューム感なのも諦めずに読み終われそうだ。

ただインパクトのある作例が少ないため、より多くの表現を求めるなら次の1冊として事例を中心とした内容のものにステップアップするのも良いだろう。

練習問題付きで確実に習得できる
「世界一わかりやすいPhotoshop 操作とデザインの教科書」

『世界一わかりやすいPhotoshop 操作とデザインの教科書 [改訂3版]』
難易度★☆☆☆☆ページ数288ページ 価格2,508円(本体 2,280円+税10%)発売日2020年5月23日著者柘植ヒロポン、上原ゼンジ、吉田浩章、角田綾佳 著出版社技術評論社Amazonで見る
各Lessonごとに練習問題もあり「教科書」としての価値アリ!何よりも丁寧で充実した機能と操作の解説が印象的な書籍であると感じた。「教科書」と銘打っているだけあり、我々講師が教える定番フローでもある、選択範囲→レイヤー→マスク→フィルターという王道で、基本的な機能を段階的に学べるPhotoshop事始めにはもってこいの一冊だと言える。
また、書籍内のレイアウトも十分な解説文章もありつつ、適時キャプチャも用意された丁寧な構成になっておりまとまっている。


手を動かしながら学びたい人は
「フォトショの5分ドリル 練習して身につけるPhotoshopの基本」

『フォトショの5分ドリル 練習して身につけるPhotoshopの基本』
難易度★★☆☆☆ページ数192ページ 価格1,760円(本体1,600円+10%税)発売日2022年12月5日 著者浅野 桜、starmix、楠田 諭史 著出版社翔泳社Amazonで見る
本のサイズ感が個性的! そしてタイムパフォーマンスに優れた情報量も良い特徴的な横長スタイルの本。この形状は、開きながらのPC操作にすごく使いやすい。一方、サイズの関係上掲載できる情報量が制限されるというデメリットもあるが、その割り切った内容も5分ドリルのテーマにピッタリ。



”コレやりたい”がすぐに実現する
「ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン」

『ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン』
難易度★★★☆☆ページ数256ページ 価格2,178円(本体 1,980円+税10%)発売日2020年10月1日著者トミナガハルキ 著出版社インプレスAmazonで見る
50以上の作例から「コレやりたい!」が実践できるそもそもこの書籍は一から順に進めていくことを目的にしていないだろう。初めてのPhotoshopやまずはこの1冊からといった目的には合わない。
作者いわく「Photoshopは料理だ!」との書き出しが示す通り、レシピとしての作例が50以上用意されており、コレってどうやったら実現できるんだろう? と思わせる。反面、作例にもし魅力を感じなければあまりオススメはできないので、作例ページは購入前に確かめておきたい。

例えば、レイヤーマスクを活用するレシピ内ではブラシを活用した境界線のマスク効果を狙った手法が学べる構成になっているが、初心者がつまずく定番「アルファチャンネル」の活用をまずは「ズボラ=知識いらず」に始められ、達成感を得られる構成になっているのは魅力である。

CG作品やビジュアル制作など、作品作りに活かせる
「ノンデザイナーのためのPhotoshop写真加工講座」

『ノンデザイナーのためのPhotoshop写真加工講座』
難易度★★★★☆ページ数208ページ 価格2,750円(本体 2,500円+税10%)発売日2021年1月29日著者パパ 著出版社玄光社Amazonで見る
作者目線の7か条に共感! Photoshopを“活かす”ためのノウハウ本この本で印象に残ったのは作例だけでなく、作者の制作者としての考えだ。本の導入にある「パパ流 モノ作りの7か条」を読めば、Photoshopを使うことは目的ではなく手段であることにしっかりと気づかせてくれる。


一例をあげると「なじませる」というレタッチの基本でありキモである考えなどはキャプチャを交えながら解説されている点がわかりやすい。

スキル向上と作業効率化に
「基礎から時短ワザで覚えるPhotoshopの教科書」

『基礎から時短ワザで覚えるPhotoshopの教科書』
難易度★★☆☆☆ページ数288ページ 価格2,750円(本体 2,500円+税10%)発売日2021年8月31日著者広田 正康 著出版社技術評論社Amazonで見る
Photoshopレベルを初心者から引き上げるための逆引き系な良書基本の使い方に慣れてくると次に重要なのは「作業の効率化」。効率化=時短ワザはレベルアップには欠かせないことから、そのポイントを逆引き的に覚えていけるハウツー本として読んでおきたい内容だ。
教える立場にある私も知らなかった時短ワザもあり、Photoshopを使う人なら誰にでも役立つワザが必ず1つは見つけられる。



圧倒的な専門性
「Photoshop CC 完全無欠のポートレートレタッチ」

『Photoshop CC 完全無欠のポートレートレタッチ』
難易度★★★★★ページ数160ページ 価格2,750円(本体 2,500円+税10%)発売日2022年7月25日著者桐生 彩希 著、いのうえのぞみ モデル出版社玄光社Amazonで見る
「色を見る目が養われると筋道が立てられる」という書籍内の言葉に共感本書は、前提として中級以上のPhotoshopスキル&写真の基礎知識が必要である。デザインスキルがついて来て、それに比例してレタッチのレベルアップもしたくなった時、または、経験あるデザイナーの自己流ワークフローをPhotoshop進化に合わせて更新したい時、そんな時に使える一冊。
CameraRowフィルターによるデジタルな現像から、明るさや色を基準に考えるといった突っ込んだ用途やテクニックが中心という専門性の高い内容である。
例えば、肌のレタッチでは定番の“赤色”補正では「特定色域の選択」機能を使いながら順を追って仕上げる手順が惜しみなく解説されているので、そこから応用に活かせるだろう。



デザインのプロを目指すなら
「Photoshopレタッチ[伝わる]写真補正&加工を学ぶ現場の教本」

『Photoshopレタッチ[伝わる]写真補正&加工を学ぶ現場の教本』
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レタッチの目的=写真で伝えるための現場教本! デザイナー1年生に!Photoshop本と聞くと使い方ガイドブックと思ってしまうが、この本は現場を意識した「クライアントからの依頼に基づいてレタッチをする」という制作にとって当然のワークフローを明確に意識づけできる、そんな構成がまず印象的で魅力になっていると感じた。
本の導入にある「レタッチの目的」は、ぜひグラフィックデザインって何? と気になっている人全員に読んでほしい。




【オススメ書籍情報一覧】
難易度 ページ数価格(税込)発売日独学Photoshop 楽しく基本が身につくガイドブック ★★★☆☆296P2,750円2022/09/21動画でわかる! 1週間のPhotoshop入門 作品づくりをなぞって身につく基本スキル ★★★☆☆216P2,178円2022/3/16Photoshopレッスンブック for PC&iPad ★★★☆☆287P2,420円2022/4/26Photoshop よくばり入門 ★☆☆☆☆272P2,178円2021/10/21世界一わかりやすいPhotoshop 操作とデザインの教科書 ★☆☆☆☆288P2,508円2020/5/23フォトショの5分ドリル 練習して身につけるPhotoshopの基本 ★★☆☆☆192P1,760円2022/12/5ズボラPhotoshop 知識いらずの絶品3分デザイン ★★★☆☆256P2,178円2020/10/1ノンデザイナーのためのPhotoshop写真加工講座 ★★★★☆208P2,750円2021/1/29基礎から時短ワザで覚えるPhotoshopの教科書 ★★☆☆☆288P2,750円2021/8/31Photoshop CC 完全無欠のポートレートレタッチ ★★★★★160P2,750円2022/7/25写真補正&加工を学ぶ現場の教本 ★★★★★256P2,750円2020/3/17