Instagramを提供するアメリカの企業Metaは現地時間7月5日、新たなSNS「Threads」の運営を開始した。Instagramのアカウントを使ってログインするテキストによる会話アプリで、Twitterよく似た形式のSNSであることから、様々な仕様変更が行われユーザーが混乱するTwitterに取って代わるSNSではないかと期待が寄せられている。


新登場したSNSに期待が高まる一方で、「利用規約」に記載された、商業目的の利用を禁止する文言が波乱を呼んでいる。日本語版では中段付近の「3.Threadsサービスでの禁止事項」の中で「(i)商業目的でThreadsサービスを活用すること。」と書かれている。企業アカウントやクリエイターなど、ブランドをアピールするアカウントは“商業アカウント”になるため、Threadsを利用できないのではないかという解釈だ。

しかし、英語版の規約を見ると日本語訳とは異なる表現が書いているように読むことができる。「(i) exploit the Threads Service for any commercial purpose」と記載があるが、「exploit」は「悪用する」といった意味合いがある単語で、商業目的全般ではなく、一部の商業を限定していると思われる。つまりスパム行為など、ユーザーの快適なSNS利用を妨げるような商行為を禁止していると考えられるだろう。Threadsを提供するMetaはアメリカの企業なので、規約の原文を英語で作成し、各国の言語へ翻訳したのではないだろうか。翻訳段階で表現のニュアンスまで反映されず、日本語では単に“商業目的の利用禁止”という表現になったと考えられる。

また、Threadsが企業アカウントを閉め出すことはしないだろうと解釈できる理由として、Threadsは一時的な話題を狙ったものではなく、長期的な発展を視野に入れてリリースしたことがうかがえる。InstagramのCEOアダム・モセリ氏は、Threadsにて「ユーザーのみなさんがこのアプリに十分な価値を見出し、長期にわたって使い続けてくれるかどうか」を試しているとして、検索やハッシュタグ、フォローフィードなど、現段階では発表できないとしつつ様々な機能を検討していると述べた。

リリース直後から注目を集めるThreadsだが、ユーザー登録数の増加も勢いが強く、MetaのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は「提供開始から7時間で1000万人」、提供開始後の翌朝には「今朝の時点で3,000万人が登録しています。何か特別なことの始まりのような気がする」と急増する会員数を紹介した。
今後の増加も期待できそうだ。

 日本からもThreadsを開始したという報告が複数出ている。ナゾトキや脱出ゲームを提供するクリエイターの松丸亮吾氏や、計測器の製造販売を行う株式会社タニタなどがThreadsに登録したことを発表している。世界中のユーザーが急増して今後の発展が期待できるSNSなので、自身のブランディングを検討するクリエイターにとっては今が登録する良いタイミングと言えるだろう。 

Threads、“商業目的の利用禁止”は誤解?原文をたどるとクリエイターや企業は始めるチャンスかも
Threads
URL:https://www.threads.net/

2023/07/07

Threads、“商業目的の利用禁止”は誤解?原文をたどるとクリエイターや企業は始めるチャンスかも
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