欅坂46の元メンバーであり、武蔵野美術大学を卒業された佐藤詩織さんが“クリエイティブな人・コト・モノ”に出会う人気の連載企画。第5回目となる今回は、東京・神保町のカメラショップ「Lomography+(ロモグラフィー プラス)」へ。
後編では、ロモグラフィーを使った撮影体験をお届け。8月24日(木)公開予定です。
目次
興味津々で、関谷さんの話を聞く佐藤さん佐藤 今日はお店に伺うことをとても楽しみにしていました! 私は、普段趣味や作品制作のためにフィルムカメラで写真を撮影しています。ロモグラフィーの製品は、いつもフィルムを使っているのですが、フィルムカメラがこんなにたくさんあるなんて知りませんでした。商品がズラッと並んでひしめいている感じがもう……、たまらなくワクワクしちゃいます!
関谷 いつもご利用いただいているとのことで、ありがとうございます。弊社の商品は、豊富さが自慢のフィルムもさることながら、フィルムカメラ本体の人気も高いんですよ。
「Diana」シリーズ。首から下げているのが、1960年代にアメリカで流行したものを改良した「Diana F+」で、120フィルムを使用できる。
ミントグリーンのボディがかわいい「Diana Mini」。使用できるフィルムのサイズが違い、こちらのMiniは35mmフィルム、Babyは110フィルム佐藤 本当にどれもかわいくて思わず目移りしちゃいます。この「Diana Baby」なんて、片手に乗るほど小さいのにフラッシュ撮影までできちゃうなんてスゴい……! ああ、この白い「LomoApparat」なんて、見た目もすっごく好みです!
関谷 “ロモ”のフィルムカメラは、こだわりのパッケージも含めて、日本製品にはあまりみられないポップさが特徴で、特に女性からの熱い支持があるんです。佐藤さんが普段お使いのフィルムカメラは、どういったものですか?
佐藤 古い一眼レフを3台持っています。旅行とかイベントとか、記憶に残しておきたい瞬間がありそうな時にフィルムカメラを持って行くんです。被写体は、風景や花が多いですね。こうしたカメラは持っていませんし、触るのも初めて。どうやって使うのか、どんな風に撮れるのかとっても楽しみです。
ロモグラフィーのカメラで撮影された作品を背景に。カラフルな作風が特徴的関谷 弊社の製品は、「とにかく楽しんで撮ろう!」ということに重きが置かれています。「フレームにどうおさまるかなんて、知ろうとしなくてOK!」とか、「何が写ったか、わかんなくてもOK!」という、十か条の「ゴールデンルール」が設定されているほどなんです。
佐藤 わぁ、その姿勢に心から共感します。私は、お仕事でプロのカメラマンに撮影してもらうようになってからカメラや写真に興味を持つようになりました。
関谷 偶然性がもたらす面白さや緊張感は、フィルムカメラならではのものですよね。ロモのスタートもそうした偶然性によるものだったんです。1991年、のちに創業者となる二人組がチェコのプラハを放浪していた時、偶然見つけた小さなカメラが創業のきっかけとなりました。ファインダーを覗いて露出を調整することが当たり前の時代に、彼らはブレやピンポケなどは気にせず、その小さなカメラでとにかく自由に撮影を楽しんだそうです。そのカメラに魅了されてからは輸入販売を行うと同時に、翌年からは「Lomographic Society International」というグループを設立して、新しいカメラの楽しみ方を広げる活動をしていたと聞いています。
佐藤 その時には、まだカメラやフィルムは作っていなかったということですね。
「Actionsampler」で撮影した作品
画像提供:ロモジャパン関谷 そうなんです。初めてのオリジナルカメラが発売されたのは98年でした。
佐藤 そうだったんですね。お店に並んでいるたくさんのカメラやフィルムを眺めているだけでも、創業当初からずっと続くゴールデンルールに込められた想いが伝わってくるような気がします。
右手で持っているフィルムが、佐藤さん愛用の「Color Negative 35mm ISO 400」
新しく登場した「LomoChrome Color ’92 35mm ISO400」
ロモグラフィーのフィルムは、パッケージもかわいい佐藤 私は普段「Color Negative 35mm ISO 400」のフィルムを使っているのですが、ロモにこんなにたくさんのバリエーションがあるなんて今日まで知りませんでした。
関谷 お使いの「Color Negative」シリーズはいわゆるベーシックなもので、ロモらしい鮮やかな写りが特徴です。最近発売になったばかりの「LomoChrome Color ’92 35mm ISO400」は、それよりもやや青みが強く、90年代のノスタルジーを感じさせる粒感の表現を楽しんでいただけると思います。「LomoChrome」シリーズはたいへん人気で、例えば「LomoChrome Turquoise」は、青い空がオレンジに染まり夕方の空は青く写ったりして、目に見える色とは異なるユニークな発色をお楽しみいただけます。
佐藤 えぇっ、青い空がオレンジ色になるんですか? ……想像がつきません!(笑)
関谷 そうですよね(笑)。人の肌も青くなってしまうので扱いが難しいフィルムですが、よければ今日ぜひ試してみてください。ロモのフィルムは3種類のフォーマットがあり、ベーシックな「35mmフィルム」、少し大きな「120フィルム」、小さな「110(ワンテン)フィルム」を揃えています。なかでも110フィルムは、もう弊社でしか製造販売していません。対応しているフィルムカメラが必要ですが、弊社の作品投稿SNS「ロモホーム」などもご参考いただいて、お好みのものを選んでいただけたらいいかと思います。
佐藤 カメラとフィルムの組み合わせによって、多彩な表現が楽しめそうですね。何のカメラを使ってどんなものを撮ろうかなぁと想像が広がります。
後編では、ロモグラフィーを使った撮影体験の様子をお届け。8月24日(木)公開予定です。後編もお楽しみに。
オーストリアに本社を置くフィルムカメラブランド「Lomography(ロモグラフィー)」による、世界で唯一の直営店。同社オリジナルのフィルムカメラやフィルム、インスタントカメラやレンズなどが所狭しと並ぶ店内は、ファンならずとも興奮必須の濃密空間。
営業日の月曜日には、ロモグラフィーで撮影を楽しむ“ロモグラファー”が日本各地のみならず、外国からも来店するとか。各種商品はインターネットでも購入できるが、店舗では、カメラやレンズを実際に手に取って使用感を確かめることができる点が嬉しい。また、定期的にワークショップを開催しているそうなので、興味のある人は公式サイトやSNSをチェックしてみて。
DATA
店舗名Lomography+(ロモグラフィー プラス)住所東京都千代田区神田小川町3-16-1 共和神田ビル2F営業時間12:00~18:00定休日 不定休(営業日カレンダーをご確認ください)アクセス都営新宿線・都営三田線・半蔵門線「神保町駅」A5出口より徒歩4分問い合わせhelp@lomography.jp公式サイトhttps://www.lomography.jp/
雑居ビルの2階に位置し、まるで秘密の隠れ家のような雰囲気のお店のドアを開けると、フィルムカメラや壁に貼られた写真の鮮やかな色彩が次々と目に飛び込んできます。日頃からビンテージのフィルムカメラで写真撮影を楽しんでいるという佐藤さんは、お店に足を踏み入れるなり大興奮! ストアのマネジメントを担当する関谷幸汰さんとフィルムの魅力について語り合い、指導を受けながらロモグラフィーのカメラでの撮影を楽しみました。
後編では、ロモグラフィーを使った撮影体験をお届け。8月24日(木)公開予定です。
目次
佐藤さんもフィルムを愛用。ロモグラフィーの直営店へ
21mmの広角レンズを搭載している「LomoApparat」。カメラの特徴、使用感などは後編で紹介します
関谷 いつもご利用いただいているとのことで、ありがとうございます。弊社の商品は、豊富さが自慢のフィルムもさることながら、フィルムカメラ本体の人気も高いんですよ。

手に持っているのが「Diana Baby」

関谷 “ロモ”のフィルムカメラは、こだわりのパッケージも含めて、日本製品にはあまりみられないポップさが特徴で、特に女性からの熱い支持があるんです。佐藤さんが普段お使いのフィルムカメラは、どういったものですか?
佐藤 古い一眼レフを3台持っています。旅行とかイベントとか、記憶に残しておきたい瞬間がありそうな時にフィルムカメラを持って行くんです。被写体は、風景や花が多いですね。こうしたカメラは持っていませんし、触るのも初めて。どうやって使うのか、どんな風に撮れるのかとっても楽しみです。
“偶然”からスタートした、ロモグラフィーの軌跡とは?

佐藤 わぁ、その姿勢に心から共感します。私は、お仕事でプロのカメラマンに撮影してもらうようになってからカメラや写真に興味を持つようになりました。
でも、いざデジタルの一眼レフを購入して撮影してみても、なんだか“綺麗すぎ”たんです。記憶しておきたい一瞬って必ずしも綺麗なものばかりじゃないですよね。目の前に見えているものと仕上がりにギャップを感じていた時、フィルムカメラに出会いました。フィルムは現像するまで仕上がりがわからないし、必ずしも思い通りならない魅力にハマってしまったんです。

佐藤 その時には、まだカメラやフィルムは作っていなかったということですね。


一度シャッターを押すと4回露光され、一枚の写真に4枚の画像が映り込むマルチレンズの「Actionsampler」は世界中でヒットしたんですよ。これを皮切りに、遊び心溢れるたくさんのカメラが登場することになります。
佐藤 そうだったんですね。お店に並んでいるたくさんのカメラやフィルムを眺めているだけでも、創業当初からずっと続くゴールデンルールに込められた想いが伝わってくるような気がします。
さまざまな世界観で魅了する、オリジナルフィルム



関谷 お使いの「Color Negative」シリーズはいわゆるベーシックなもので、ロモらしい鮮やかな写りが特徴です。最近発売になったばかりの「LomoChrome Color ’92 35mm ISO400」は、それよりもやや青みが強く、90年代のノスタルジーを感じさせる粒感の表現を楽しんでいただけると思います。「LomoChrome」シリーズはたいへん人気で、例えば「LomoChrome Turquoise」は、青い空がオレンジに染まり夕方の空は青く写ったりして、目に見える色とは異なるユニークな発色をお楽しみいただけます。
佐藤 えぇっ、青い空がオレンジ色になるんですか? ……想像がつきません!(笑)
関谷 そうですよね(笑)。人の肌も青くなってしまうので扱いが難しいフィルムですが、よければ今日ぜひ試してみてください。ロモのフィルムは3種類のフォーマットがあり、ベーシックな「35mmフィルム」、少し大きな「120フィルム」、小さな「110(ワンテン)フィルム」を揃えています。なかでも110フィルムは、もう弊社でしか製造販売していません。対応しているフィルムカメラが必要ですが、弊社の作品投稿SNS「ロモホーム」などもご参考いただいて、お好みのものを選んでいただけたらいいかと思います。
佐藤 カメラとフィルムの組み合わせによって、多彩な表現が楽しめそうですね。何のカメラを使ってどんなものを撮ろうかなぁと想像が広がります。

Lomography+ / SHOP DATA



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