Photoshopで「メンフィス」(曲線、幾何学、パステル調の色使いなどの組み合わせによるデザイン)風のビジュアルを作る方法を紹介します。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
図1
図2。“パターンプレビュー”を選択すると図のようなメッセージが表示されるので、「OK」をクリックする
図3。パターンプレビューを有効にすると、カンバスの外側が白地になり、カンバスとの境界に枠線が表示される次に新規レイヤーを作成したあと、楕円形ツールを選んでオプションバーで[ツールモード:シェイプ]、[塗り:黒]、[線:なし]に設定(図4)。shiftキーを押しながらカンバス上をドラッグして正円を描くと、自動的にその図形が規則的に繰り返し表示され、継ぎ目のないパターンが作成される(図5)。
図4。オプションバーで[ツールモード:シェイプ]、[塗り:黒]、[線:なし]に設定する
図5。図形を配置すると、自動的にその図形が規則的に繰り返し表示される。ここでは直径が180pxの正円を描いたレイヤーパネルでこの正円のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“境界線...”を[サイズ:1px]、[位置:外側]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[塗りつぶしタイプ:カラー]、[カラー:黒]に設定(図6)。
図6。レイヤースタイルの[境界線]を[サイズ:1px]、[位置:外側]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[塗りつぶしタイプ:カラー]、[カラー:黒]に設定する続いてレイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択して[描画モード:通常]、[オーバーレイのカラー]を黄色(ここでは16進数カラーコード[#fff33b])、[不透明度:100%]に設定する(図7)。
図7。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択して[描画モード:通常]、[オーバーレイのカラー]を黄色(ここでは16進数カラーコード[#fff33b])、[不透明度:100%]に設定するさらにレイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を選択して[描画モード:通常]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:40px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:0%]に設定して適用する(図8)(図9)。
図8。レイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を選択して[描画モード:通常]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:40px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:0%]に設定する
図9
図10。オプションバーで[ツールモード:シェイプ]、[塗り:黒]、[線:なし]、[角の丸みの半径:200px]に設定する
図11レイヤーパネルでこの角丸長方形のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“境界線...”を[サイズ:1px]、[位置:外側]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[塗りつぶしタイプ:カラー]、[カラー:黒]に設定(図12)。
図12。レイヤースタイルの[境界線]を[サイズ:1px]、[位置:外側]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[塗りつぶしタイプ:カラー]、[カラー:黒]に設定する続いてレイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択して[描画モード:通常]、[オーバーレイのカラー]を青色(ここでは16進数カラーコード[#6dc6ff])、[不透明度:100%]に設定する(図13)。
図13。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択して[描画モード:通常]、[オーバーレイのカラー]を青色(ここでは16進数カラーコード[#6dc6ff])、[不透明度:100%]に設定する さらにレイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を選択して[描画モード:通常]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:40px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:0%]に設定して適用する(図14)(図15)。
図14。
図15同様の手順で、レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]の[オーバーレイのカラー]のみ変えながら、いくつかのモチーフを加えていく。ここでは、ピンク(16進数カラーコード[#6dc6ff])の三角形や十字マーク、水色(16進数カラーコード[#78f4ff])の正方形などを描き加えた(図16)。
図16さらに、ブラシツールを選んでオプションバーのブラシプリセットピッカーで[ハード円ブラシ]、[直径:20px]に設定し(図17)、カンバス上をドラッグして波線を描いたあと(図18)、同様の手順でレイヤースタイルを適用した(図19)。
図17。オプションバーのブラシプリセットピッカーで[ハード円ブラシ]、[直径:20px]に設定する
図18
図19移動ツールで各モチーフの位置を調節したり、編集メニュー→“変形”→“拡大・縮小”や“回転”などでモチーフの大きさや角度を調節すると、それに合わせてパターンも自動的に変更されるので、全体のバランスを確認しながら自分のイメージに合わせて調整を加えていく(図20)。
図20。モチーフの位置やサイズ、角度などを調整した状態。なお一部のモチーフについては、レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]の[オーバーレイのカラー]を緑(ここでは16進数カラーコード[#78ff8e])など別の色に変更している
図21
図22。この時点のレイヤーの状態。赤枠部分の[レイヤーを削除]ボタンをクリックして背景レイヤーを削除しておく続いて、ウィンドウメニュー→“パターン”を選んでパターンパネルを表示させ、パネル右下の「+」をクリック(図23)。
図23。パネル右下の「+」をクリックする
図24。デフォルトではファイル名がそのまま入っているので、必要に応じて変更すればOK
図25。オリジナルのパターンプリセットを登録できるさらにパターンパネルメニューから“従来のパターンとその他”を選んでパネルに追加しておく(図26)。
図26。赤枠部分をクリックするとパターンパネルメニューが開くので、そこから“従来のパターンとその他”を選択しておく次に、新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1400ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、パターンパネルから先ほど登録したパターンをカンバス上にドラッグ&ドロップする(図27)(図28)。
図27。パターンパネルからパターンをカンバス上にドラッグ&ドロップすると、そのパターンで塗りつぶすことができる
図28。この時点のレイヤーの状態。赤枠がパターン塗りつぶしレイヤーのサムネールレイヤーパネルでこのパターン塗りつぶしレイヤーサムネールをダブルクリックしてダイアログを開き、[比率:80%]に変更して適用する(図29)(図30)。
図29。[比率:80%]に設定する
図30続いてレイヤーパネルで背景レイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“新規”→“背景からレイヤーへ...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので初期値のまま適用する(図31)(図32)。
図31。「新規レイヤー」ダイアログはそのまま[OK]をクリックすれば問題ないが、好みに応じて[レイヤー名]を分かりやすい名前に変更してもいい
図32。この時点のレイヤーの状態。背景レイヤーが通常のレイヤーに変更され、レイヤー名も「新規レイヤー」ダイアログで設定した名前(ここでは初期値の「レイヤー0」)に変わっているのが分かるこのレイヤーが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“パターンオーバーレイ...”を選び、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]、[比率:100%]に設定。さらに[パターン]をクリックしてプリセットから[従来のパターンとその他]→[従来のパターン]→[パターン]にある[タイル - 滑らかに]を選択して適用する(図33)(図34)。
図33。レイヤースタイルの[パターンオーバーレイ]を、[描画モード:通常]、[パターン:タイル - 滑らかに]、[不透明度:100%]、[比率:100%]に設定する
図34ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図35)。
図35。完成ビジュアル以上、Photoshopで「メンフィス」(曲線、幾何学、パステル調の色使いなどの組み合わせによるデザイン)風のビジュアルを作る方法でした。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
■使用する機能「パターンプレビュー」「楕円形ツール」「境界線」「カラーオーバーレイ」「ドロップシャドウ」「長方形ツール」「ブラシツール」「移動ツール」「拡大・縮小」「回転」「パターンオーバーレイ」
目次1.図形を配置して基本的なパターンを作る
まずは新規ファイルを[幅:600ピクセル]、[高さ:800ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、表示メニュー→“パターンプレビュー”を選択(図1)。「スマートオブジェクトにはパターンプレビューが最適です。『ピクセルレイヤーを変形』を使用すると、予期しない結果が生じることがあります。」というメッセージが表示されるので(図2)、「OK」をクリックしてパターンプレビューを有効にする(図3)。








2. モチーフを追加してパターンを完成させる
モチーフを追加して複雑なパターンを作成していく。まずは長方形ツールを選択(2021年3月リリースのPhotoshop 22.3以降の場合。それより前のバージョンでは角丸長方形ツールを選択)したら、オプションバーで[ツールモード:シェイプ]、[塗り:黒]、[線:なし]、[角の丸みの半径:200px]に設定したあと(図10)、新規レイヤーを作成しカンバス上をドラッグして縦長の角丸長方形を描く(図11)。




レイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を選択して[描画モード:通常]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:40px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:0%]に設定する






3.パターンを利用してビジュアルを仕上げる
ビジュアルを仕上げていく。まずイメージ通りのパターンが作成できたら、レイヤーパネルで背景レイヤーを選択し、パネル右下のゴミ箱の形をした[レイヤーを削除]ボタンをクリックして削除する(図21)(図22)。

ダイアログが表示されるので、[パターン名]に分かりやすい名前を入力して[OK]をクリックする(図24)。これでオリジナルのパターンをプリセットに登録することができる(図25)。














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