株式会社NEXERが運営する「日本トレンドリサーチ」が、「販促POPは手書きかデジタルか」に関するアンケートを実施し、その結果をWebサイト内で公開しました。株式会社日版プリントの「スプリック」と共同で実施された調査で、POPのデザインにも参考になりそうな役立つ情報が数多く盛り込まれています。


アンケートは全国の男女を対象としてインターネット調査の方式で実施され、有効回答数は1,280サンプルでした。調査期間は2023年10月26日(木)~10月30日(月)で、数値データは原則として小数点以下第2位を四捨五入して表記されているため、合計が100%にならない場合もあります。

【目次】

手書きとデジタルのPOPはどちらが魅力的?

まず初めの「商品の販促POPを見た際に、手書きとデジタルどちらに惹かれますか?」という質問には、78%が「手書き」と答えました。デジタルネイティブの層が増えつつある中で、この「手書き」支持の高さは意外なのではないでしょうか。

POPは手書きとデジタルのどちらが魅力的? デザイン担当者も必見の調査結果が面白い
「手書き」を好ましいと答えた人の理由としては、「温かみがあって良い」「人間味が伝わる」といった理由が多く見られます。「オリジナリティを感じるから」という答えもあり、店頭に飾られるPOPでは店や店員の気持ち・個性がダイレクトに伝わる表現が好まれやすいようです。

「手書き」の販促POPに惹かれる理由の例
・販売員の気持ちがこもっている感じがすることが多いので(50代・男性)
・オリジナリティを感じるから(20代・女性)
・アットホーム感や親近感が湧くから(30代・女性)
・固定性を感じます。デジタルだとすぐに修正されるので(60代・男性)
・お店の努力が感じられるし、個性や味を感じられるから(50代・男性)

一方で、今回の調査では「デジタル」に惹かれると答えた人にも理由を聞いています。デジタル派は特に「見た目がきれい」「分かりやすい」など、デジタルならではの整えられた印象を好んでいるようです。

「デジタル」の販促POPに惹かれる理由の例
・いろいろアレンジしやすいから(40代・男性)
・明るく鮮明な画像に仕上がる(60代・女性)
・見た目がきれいだから(50代・男性)
・手書きは個性が出すぎる。デジタルが分かりやすい(40代・男性)

POPはどのくらい “購入” のきっかけになるの?

続いての質問群では、実際に販促POPに惹かれて商品やサービスを購入したことがあるかの経験について探られています。「購入したことがある」と答えた割合は、手書きPOPでは56.5%、デジタル制作のPOPでは26.2%でした。

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この質問でも、手書きPOPが消費者を強く惹きつけるものであることが示されています。購入の決め手となった理由にも「作った人の気持ちが伝わったから」という手書きPOPならではのものが含まれていました。


手書き販促POPが購入の決め手となった理由の例
・作った人の気持ちに共感できたから(50代・男性)
・スタッフのオススメで何度もリピートしているという言葉が決め手になったから(30代・女性)
・可愛くて、興味が湧いたので(40代・女性)
・文字や絵が「おいしいよ、買って!」と表現しているようだったから(50代・男性)
・「本」で、実際にその本を読んで書いたのだろうと思ったから(60代・女性)
・ポップを書いた人の感想が書かれていたから(40代・女性)

一方、デジタル販促POPが購入の決め手となった経験を持つ消費者にも理由を聞いています。やはりこの質問では「分かりやすさ」が手書きPOPとの違いとして重要視されているようです。

デジタル販促POPが購入の決め手となった理由の例
・メニュー提案に惹かれてほかの食材も揃えて買ってしまった(50代・男性)
・商品の内容が分かりやすい(50代・女性)
・情報が分かりやすいから(60代・男性)
・読みやすい大きさと色とフォントで、外観では分からない部分の画像や機能など必要な情報が簡潔に書かれていて分かりやすかったからです(40代・女性)

自分が販促POPを作るとしたら?

最後に今回のアンケートでは「自分が販促POPを作るとしたら手書きとデジタルどちらが良い?」という別視点での質問がされています。この回答は50.2%が「手書き」、49.8%が「デジタル」で、ほぼ半数どうしという結果になりました。

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これまでの結果を踏まえると、魅力が伝わりやすいのは「手書き」と認識していながらも、いざ自分で制作しようと考えると「デジタル」が良いと考える人が意外に多いことが分かるでしょう。主な理由としては「自分の字に自信がないから」(20代・女性)、「作る側の手間はデジタルの方が楽そうなので」(30代・男性)などがあり、非常に共感できる回答です。

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今回の調査では、制作はデジタルが楽、それでもより魅力的なのは手書きという傾向が浮き彫りになりました。たしかに、制作サイドから考えると、デジタルには “やり直し” が簡単であるなど、多くの魅力があります。

そこで提案したいのが、デジタルでPOPを制作する場合にも「手づくり感・アナログ感を重視する」ということです。たとえば、手書き風のフォントを効果的に使ったり、手書きテイストが強いイラストを配置したりといった工夫も良いでしょう。プリントする紙の質感にこだわるのもオススメです。ぜひPOPのデザインの際には参考にしてみてください。


出典:「日本トレンドリサーチとスプリックによる調査」
https://trend-research.jp/20403/

日本トレンドリサーチ(株式会社NEXER)/株式会社日版プリント スプリック事業部
URL:https://trend-research.jp/
URL:https://spriq.jp/

2023/11/24

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