下描きしたイラストを光で透かして別紙に写す場合などに使用するトレースボード。安いものでも1,500円前後する場合が多いですが、なんとダイソーではその3分の1ほどの550円商品でA5サイズのトレースボードが販売されています。
トレースボードは、イラスト以外にも写真や文字をトレースしてデザイン素材を作成したり、照明として撮影やオンライン会議に使ったりと、さまざまな場面で活用することができます。この価格であれば、気軽に導入することができるでしょう。

もくじ

手描きでなぞって、デザインにアナログ感を付与する

トレースボードといえば、下描きした絵をなぞるものという用途が一番に浮かぶかもしれませんが、他にもさまざまな場面で活用できます。

例えば、デザインの素材として提供してもらった写真のクオリティがイマイチ、あるいは複数の提供元ごとにテイストがバラバラ、でもイラストレーターを起用する予算や時間もないというときに、写真をトレースしてトーンを揃えるという方法が挙げられます。Illustratorなどのアプリ上でなぞることもできますが、トレースボードを使うことで、手描きでなぞった線のゆらぎが出て、アナログな質感を演出することができます。

具体的な手順としては、プリントアウトした写真をトレースボードで透かして紙に写し、それをスキャンしてIllustratorなどのアプリに取り込むことで、アナログ感のあるベクターデータのイラストにします。

多彩な用途とコスパの高さが魅力! 僅か550円で手に入るダイソーの「トレースボード」を試してみた
(1)トレースボードになぞりたい写真を置く
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(2)紙を重ねてペンでなぞる
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(3)写真をトレースしたもの
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(4)画像をIllustratorに配置し、「画像トレース」メニューでベクターに変換する
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(5)画像トレースメニューの横にある「拡張」ボタンを押すと、読み込んだ画像の線がパスになる
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(6)色を着けたり線を整えたりすると、手描き線のゆらぎを活かしたイラストが作成できるまた、前述の写真と同様の手順で既存のフォントをなぞると、フォントの整った形を活かしつつも手描き風の線のゆらぎを付与したロゴを作成することができます。

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(1)文字をプリントアウトし、トレースボードに乗せて紙を重ねる
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(2)ペンで文字をなぞる
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(3)文字を紙にトレースしたもの
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(4)トレースした文字をIllustratorに配置し、「画像トレース」メニューでベクターに変換する
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(5)画像トレースタブで「ホワイトを無視」にチェックを入れ背景を抜き、画像トレースメニューの横にある「拡張」ボタンを押すと線がパスになる
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(6)文字に色を着けたり線を整えたりしてロゴを作成するこのように、デザインにアナログ感を付与する際に、トレースボードは便利です。他にも、自作のイラストを布にトレースして手描き雑貨をつくったり、罫線のない紙に手書きの文字を書く際に罫線を透かして文章が曲がるのを防いだり、お手本の文字をなぞって文字の上達を目指したりと、さまざまな場面で活用できます。

撮影時やオンライン会議の照明に

トレースボードは透かしてなぞるだけでなく、光源としても活用できます。例えば写真や動画撮影時の照明としても便利です。広い面積で光を当てられるので、小さな物の物撮り写真やYouTubeなどちょっとした動画コンテンツの撮影時などにも役立つでしょう。ただ、立てかける機能はついていなので、スタンドなどで立たせる必要があります。

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物撮り撮影などの光源としても活用できる。
ただし、スタンドなどが別途必要また、昨今はオンライン会議の機会が増えた方も多いのではないでしょうか。しかし、後ろに窓があると逆光で顔が暗くなってしまったり、部屋の光量が少なくどんよりした写りになってしまったりすることがあります。

トレースボードは、その際の照明としても活用できます。いわゆる女優ライトのように、顔に光が当たるようにすると肌がきれいに見えてよいでしょう。暗い画面よりは表情が見やすく、設備をきちんとしている感じも出て、会議の相手にとっても印象がよくなるのではないでしょうか。

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オンライン会議時の照明としても活用できる他にも、就寝前の読書灯などにも活用できます。

ダイソー・トレースボードの使い方と特徴

ダイソーのトレースボードは、microUSBで電源に繋ぎ、スイッチボタンを押すだけで使うことができます。1.5mのUSB A - microUSBも付属していますが、USB  ACアダプターは付いていません。本体が3.5mmと薄いので、本棚などちょっとした隙間にしまえます。140gと軽量なので持ち歩きに便利ですが、バッテリー式ではないので、電源のない場所で使う際には、モバイルバッテリーなど給電できるものが必要になります。

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1.5mのUSB A - microUSBが付属している
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3.5mmと薄型なので、本棚などにしまえ収納場所をとらない明るさは3段階で調整でき、ボタンを押すごとに強くなっていきます。

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ボタンを1回押すと弱い光がつく
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ボタンを2回押すと中くらいの光がつく
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ボタンを3回押すと強い光がつく
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ボタンを4回押すと電気が消える先に紹介した作例では厚さ0.09mmの一般的なコピー用紙を使いトレースしましたが、一番強い明るさで試したところ、0.21mmのプリンター用厚紙用紙、ハガキ、厚さ156.5gのスケッチブックの画用紙なども透かせることができました。もちろん紙の材質や色、裏に柄があるか、透かせる素材の複雑さといったことでトレースのしやすさは変わってきますが、少し厚めの紙でもトレースすることができそうです。
また、ボタン部分がフラットなので、A5サイズのトレースボードよりも大きな紙を載せた際も引っかかりません。

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ハガキ用紙でも下絵が透けて見える
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厚さ156.5gのスケッチブックでも下絵が透けて見える

まとめ

同じような薄型のトレースボードはさまざまなショップで販売されていますが、手頃なものでも1,500円前後しています。そうした中で、550円(税込)というのはかなり安価と言えます。そのため、たまにしか使用しないのでそこまで予算はかけたくないものの、あったらちょっと便利だなという方にオススメです。

ただ、サイズがA5と小さめなので、トレースする画像や文字がその大きさで足りるのかが購入の判断材料となります。また、トレースボードは傾斜があった方が使いやすいものですが、そうした機能はないため、傾斜して使いたい場合は斜めの台などの上に置く必要があります。照明として使う際にも、スタンドなどが必要です。軽くて薄いので持ち運びには適していますが、バッテリー式ではないので、コンセントがない場所で使う際には、給電できるものが必要となります。基本的には電源のある場所で使うという方に向いているでしょう。

DATA製品名:トレースボード A5サイズ
実売価格:550円(税込)
発売元:ダイソー(DAISO)
ECサイト:ダイソーネットストア

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