デスクワーカーやクリエイターによくある身体の悩みといえば「肩こり」。マッサージや整体通いが欠かせないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな肩こりの原因や、日頃の生活で取り入れたい改善方法をご紹介していきます。教えてくれるのは、鍼灸院「アキュサリュート高輪」の院長・瀬尾港二先生。イラストは、お笑いコンビ蛙亭の中野周平さんです。

目次

肩こりにはどうしてなる・・・?

瀬尾 瀬尾 デスクワーカーにつきものの肩こり。皆さんはなぜ肩がこってしまうのか、その要因を意識していますか?

肩こりの主な原因となっているのは、(1)同じ姿勢を続ける(2)同じ動きばかりしている(3)寒さの3点。ほとんどは(1)(2)にあるように、「身体を使いすぎている」「あまりにも使っていない」のどちらかです。

同じ動作を続ける場合は身体の一箇所に負荷がかかっているため、こりやすくなっています。
マウスやタブレットの使用など、片手での作業もこれに当たります。大抵の方が利き手をよく使うことが多いので、意識して逆の手を使うこともこり予防に有効。

姿勢以外だと、寒さによって筋肉が固まりやすくなり、それがこりにつながることも。老眼や眼精疲労もこりの原因のひとつ。パソコン用のメガネをかける、度が合ったメガネを用意することも大切です。

また、パソコン作業をしながら見る資料をデスクの左右のどちらか、あるいはPC前に置いてしまうと、首肩も左右や下に向くことが多くなり、偏って片側にこりが集中してしまいます。
資料を見ながらの作業をするときは、PCに吊り下げるタイプのアイテムを使うのもおすすめです。

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“間違った運動”には要注意を!

瀬尾 運動をすれば身体のこりは解消できると思われがちですが、間違ったトレーニングで身体を痛めてしまう場合もあるので注意が必要です。

例えば歩く際も、真っ直ぐに歩かないとバランスが悪くなってしまいます。足を開いた状態で歩いている人が多く、足大腿の内側にある「内転筋」が使えておらず、ガニ股になることで膝が変形。内転筋と骨盤底筋は連動しているので、内転筋が弱ると骨盤底筋も弱ってしまい、尿漏れなどにつながることも。着物を着たときは意識して足をキュッと閉じた姿勢になりますが、洋服だと力を入れずに緩んでしまうので日頃から足を閉じることを意識してみてください。

運動不足の解消に筋トレをする方も多いと思いますが、スクワットを行う際にも同様に足が開いてしまっている場合があります。
筋トレもどの部位を動かしているか、意識することでその効果が大きく変わります。肩こりの解消のために行いたい“左右対称に身体を動かせるスポーツ”としては、水泳がおすすめです。ぶら下がり健康機もいいですね。適度な運動で身体をほぐしていきましょう。

肩こり解消のツボ&ストレッチ

瀬尾 肩こり解消のため、3つの重要な経絡(けいらく)を刺激するツボ押しとストレッチをご紹介します。作業の合間や休憩時に取り入れてみてください。


1)大腸経:合谷(ごうこく)

合谷は親指と人さし指の骨が交差してできる手の甲側の谷間部分。親指を立てて右手の合谷を押しながら、右前の胸鎖乳突筋を伸ばすイメージで首を左後ろに倒す。
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左後ろに首を倒す2)三焦経:外関(がいかん)

外関は手首の外側、シワのあるところからひじに向かって2寸(人さし指・中指・薬指の3本分)の位置。右腕の外関を押しながら、首の右側が伸びるように真横に倒す。
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首の右側が伸びるように真横へ倒す3)小腸経:後渓(こうけい)

後渓は手の小指側の側面、手を握ったときにシワができる部分の末端。左手で右手の甲を包み込むようにし、後渓のツボを人さし指で押しながら、首の右後ろを伸ばすイメージで左前に倒す。
深呼吸を大きく3~5回繰り返す。息を吐くときに身体が緩むので、なるべく大きく吐くことを意識する。
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首の右後ろを伸ばすイメージで左前に倒す左側も同様に1~3を繰り返す。以上、肩こりについてでした。次回は「見直したいNG習慣」をお届け。3月22日(金)公開予定です。


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