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驚きの薄さと軽さが実現された筐体
今回発表された新しい「iPad Pro」は、Apple史上で「最高に薄い」デザインが特徴です。11インチ機は2022年に発売された第4世代モデルが5.9mmの厚さでしたが、新登場の第5世代モデルの厚みは5.3mmとなりました。驚くべきことに、新しい13インチiPad Proの厚さはそれよりもさらに薄い5.1mmです。両モデルともに、重さも前世代モデルと比べて軽くなっています。
新しいiPad Proの本体カラーバリエーションは、シルバーとスペースブラックの2色での展開です。価格は11インチが168,800円~(税込)、13インチが218,800円~(税込)となっています。ストレージ容量は2TB/1TB/512GB/256GBから選択でき、128GBモデルは用意されませんでした。筐体は100%再生アルミニウム製で、持ち運びに便利なコンパクトさでありながらも前世代と同じ強度を備えています。

新たに発表されたM4チップを実装
本製品の性能面での最も大きなトピックは、新開発のSoC(システムオンチップ)である「M4チップ」が採用されたことです。
※新型「iPad Pro」の256GB/512GBモデルのCPUは9コア(3つの高性能コア×6つの高効率コア)
その性能について、同社のプレスリリースでは「前世代のiPad ProのM2チップよりも最大1.5倍高速なCPUパフォーマンス」「Octaneなどのアプリでのプロ向けのレンダリングパフォーマンスが大幅に向上してM2チップよりも最大4倍高速」などと紹介されています。



タンデムOLEDで強化されたディスプレイ
画面には「タンデムOLEDテクノロジー」を搭載したUltra Retina XDRディスプレイが採用されました。「タンデムOLED」は、2枚のOLEDパネルを用いて両方からの光を組み合わせる技術です。SDRとHDRのコンテンツで1,000ニトのフルスクリーン輝度に対応し、HDRでのピーク輝度は1,600ニトに達しています。

13インチ:2,752×2,064pixels(264ppi)コントラスト比2,000,000:1SDR輝度最大1,000ニトXDR輝度最大1,000ニト(フルスクリーン)
ピーク輝度1,600ニト(HDRコンテンツのみ)色域など広色域(P3)、True Tone、
耐指紋性撥油コーティング、フルラミネーション、反射防止コーティングまた、特にプロのユーザーに向けて、新しいNano-textureガラスのオプションもiPad Proで初めて導入されました。
Nano-textureガラスのオプションは、いずれのサイズのモデルでも、ストレージ容量2TBもしくは1TBの構成でのみ選択が可能です。標準ガラスの場合の価格と比べ、16,000円の追加で利用できます。
前面カメラは “横置き” に最適な位置へ変更
新しい「iPad Pro」では、カメラシステムもアップデートされました。背面カメラ(広角:F1.8絞り値)/前面カメラ(超広角:F2.4絞り値)ともに12MPで、数値的な面での大きな強化はなく、汎用性が高まりました。大きなポイントとなる変更として、新型モデルでの前面カメラ(TrueDepthカメラ)の位置は、本体の上側(短辺側)ではなく、横方向(長辺側)に設置されています。これは、本体を横向きにしてビデオ会議などで使いやすくするための配慮です。それとあわせて被写体を追尾してフレーム内に収めるセンターフレーム機能にも対応しています。
本製品では、新しいアダプティブTrue Toneフラッシュも採用されています。特に、書類のスキャンなどに効果を発揮するようです。カメラアプリでAIによって書類を自動的に識別し、影が写り込むような場合にはアダプティブフラッシュで複数の写真を撮影し、スキャンをつなぎ合わせてキレイな画像を得られる例が紹介されています。


“Pro” の名前が付いた新しい「Apple Pencil」
本体の刷新とともに、クリエイターにとって特に注目なのが、同時に発表された「Apple Pencil Pro」です。独自の触覚エンジンなどを搭載したデバイスで、Apple Pencilでは初めて「探す」機能にも対応しました。「iPad Pro」には側面にマグネットでくっつけることができ、保管/充電/ペアリングができます。


上記のアクセサリの価格は「Apple Pencil Pro」が21,800円(税込)、「Magic Keyboard」の13インチ用が各59,800円(税込)で11インチ用が各49,800円(税込)、「Smart Folio」の13インチ用が各17,800円(税込)で11インチ用が各13,800円(税込)です。
M4チップの性能が発揮されるアプリも続々登場予定
今回の「iPad Pro」の発表では、2024年5月13日(月)から提供が開始される音楽制作ソフト「Logic Pro 2(iPad用)」や、今春後半の登場が予定されている動画編集ソフト「Final Cut Pro 2(iPad用)」についても紹介されました。いずれもAI関連の機能が強化され、M4チップを搭載した新しい「iPad Pro」の強力なNeural Engineが効果を発揮します。「Logic Pro」には、音楽制作のさまざまなプロセスを補強するスタジオアシスタント機能が搭載されました。1つのミックスされたオーディオ録音からドラム/ベース/ボーカル/そのほかの音源という4つのパートを抽出できる「Stem Splitter」、真空管やテープのような温かみをトラックに加えられる「ChromaGlow」などが含まれます。AIが重要な音楽生成機能の「Session Players」では、「Drummer」を進化させ、新たにBass PlayerとKeyboard Playerが収録されています。




今回の「iPad Pro」は、最新のM4チップの搭載はもちろん、本体が薄くなったことで大きく「変わった」と感じさせてくれる製品です。特に11インチよりも薄い13インチモデルは、従来の一般的な「上位機であれば厚みが増すのは仕方ない」という概念を覆すような意欲的なモデルと言えるでしょう。クリエイターにとっては注目の機種ですが、決して「安い」とは言えない製品であるため、予算などとも十分に照らし合わせながら購入・買い替えを検討してみると良いでしょう。
Apple
価格:
「11インチiPad Pro(Wi-Fi)」168,800円~(税込)
「11インチiPad Pro(Wi-Fi+Cellular)」204,800円~(税込)
「13インチiPad Pro(Wi-Fi)」218,800円~(税込)
「13インチiPad Pro(Wi-Fi+Cellular)」254,800円~(税込)
URL:https://www.apple.com/jp/
2024/05/08
