【目次】
隆起印刷を用いた手で触って分かる絵柄
「てんじつきさわるえほん」は、偕成社が「見える子も見えない子も楽しめる」をコンセプトに刊行している書籍シリーズです。本文が点字になっていて、絵は隆起印刷で表現されています。
本の朗読の音声もWebサイトで公開
「てんじつきさわるえほん ぼうけんしよう!」の具体的な内容は、「ユビッキー」のアドバイスを聞きながら「手を使った冒険」を楽しめるものです。コンセプトの通りに、見える子も見えない子も、そして見えにくい子も楽しむことができます。裏面には、冒険を楽しむための「ぼうけんのてびき」が付いています。おまけとして「ユビッキーの紙人形」なども付いていて、軍手を使った「ユビッキー」の作り方も掲載されています。
障害の有無に関わらず皆で楽しめる本
著者のスギヤマカナヨ氏は静岡県三島市生まれで、東京学芸大学初等科美術を卒業しました。また、The Art Students League of New Yorkでエッチングを学んでいます。1997年の「ペンギンの本」(講談社/著:カー・ウータン博士/絵:カナヨ スギヤマ)では講談社出版文化賞を受賞しました。スギヤマカナヨ氏は、手で見る学習絵本雑誌「テルミ」の編集・制作にも2019年から携わっています。「テルミ」は、視覚障害のある子どもたちにも等しく読書の機会を体験し、本の面白さや読書の楽しさを味わってもらいたいという願いから1983年に誕生しました。
今回の「てんじつきさわるえほん ぼうけんしよう!」も、スギヤマカナヨ氏の「さまざまな理由で身体を思うように動かしたり、外で遊ぶことができない子どもたちにも、想像の世界では自由に走り回ったり、泳いだり、ジャンプしたりして楽しんでほしい」という想いが込められているようです。
「ゆびあそび」の絵本である本作は、ザラザラ、ブツブツ、ツルツルといったさまざまな感触を楽しむことができ、目が見えない子はもちろん、見える子も一緒に遊べます。全ての人を取り残さずに尊重する「インクルーシブ」の理念がデザインの工夫や印刷の技術によって実現された「皆で楽しめる」作品です。
株式会社偕成社
価格:3,080円(税込)
URL:https://www.kaiseisha.co.jp/
2024/06/13











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